引掛シーリングの対応器具は？

ダクトレールに引掛シーリング対応器具を取り付ける方法

照明器具の電気的な接続には電気工事が必要なタイプとそうでないタイプがあります。電気工事が必要でないものの代表として引掛シーリング仕様の器具があります（※天井に引掛シーリング対応の配線器具が設置されていることが条件）。ただ、照明器具を取り付けたいところにダクトレールがついていた場合、そのままでは器具を設置することができません。今回はその解決方法についてご紹介します。

１．ダクトレールへ引掛シーリング対応器具を取り付ける方法

いま使用している、もしくは購入したい引掛シーリング対応の照明器具をダクトレールに取り付けたいんだけどどうすれば良いの？」というお問い合わせをお客さまから頂くことがあります。照明器具が引掛シーリング対応なのに設置したい場所には引掛シーリングボディではなくダクトレールがついていた！

そんな場合、どうすればよいのでしょうか？
答えはとても簡単です！

実はダクトレールの取り付け部分を引掛シーリング式の取り付けに変換してくれる「レール用引掛シーリングアダプタ」という変換アダプタがあります。この「レール用引掛シーリングアダプタ」をお使いのダクトレールに取り付けることであっという間に引掛シーリング対応の照明器具をダクトレールに取り付けることができます。シーリングライトなど器具の取り付けは制限されますが、とても便利な部品です。

レール用引掛シーリングアダプタは家電量販店やホームセンターなどで販売しています。
また、取り付けはとても簡単です。電気工事もいりません！！

【レール用引掛シーリングアダプタの取り付け方】
① ダクトレールとレール用引掛シーリングアダプタの凸凹部分を合わせ、アダプタをダクトレールへ差し込みます。
② アダプタを右へ９０°回します。
アダプタがダクトレールに確実に取り付いているか確認をしてください。

これでレール用引掛シーリングアダプタの取り付けは完了です。アダプタを取り付けることができたらこのあとに紹介する【引掛シーリング対応器具の取り付け方】の手順にしたがって照明器具を設置してみましょう。
ただしレール用引掛シーリングアダプタの使用には条件があります。以下に注意してお使いください。

１．引掛シーリング対応の器具でもシーリングライト(一部を除く)やスイッチ付きのペンダント等はダクトレールで使用する事はできません。

２．ダクトレールに取り付けが出来る照明器具はお使いのダクトレールの使用可能なワット数や質量の範囲内でご使用ください。

誤った使い方をすると事故やけがのもとになります。お手元にある取扱説明書をよくお読みになりお使いください。

天井に取り付ける照明。多数の光源をグローブやセードなど小型の透過する部品とともに配置し、華やかな雰囲気を演出してくれる。

２．引掛シーリング対応器具にはどんなものがあるの？

照明器具には天井や壁に設置するもの、床に直接置いて使用するものなど設置する方法がアイテムごとに異なります。また、電気的な接続方法も様々で、電気工事が必要だったりそうでなかったりしますが、引掛シーリングタイプの器具は取り付けたい場所に引掛シーリング対応の配線器具が設置されていれば電気工事をしなくても取り付けることができます。では、一般的に引掛シーリング対応の器具にはどんなものがあるのでしょうか。

照明では光の色のことを「色温度」と呼んでいます。細かく分類するともっとあるのですが、大まかにいうと以下の３種類が代表的です。

【引掛シーリング接続に対応している代表的な照明器具】

● シーリングライト

天井に直接取り付けるタイプの照明。お部屋を全体的に明るくしたいときに最適。

● シャンデリア

シャンデリア »

● ペンダントライト

天井からコードやチェーンなどひも状のもので吊り下げる照明。

ペンダントライト »

ただし、これらの照明器具はすべて引掛シーリング対応ではありません。器具によっては別の接続方法の場合もありますのでご注意ください。

３．引掛シーリング対応の配線器具ってなに？

今回はダクトレールに引掛シーリング対応の器具を取り付けるには?という内容でお話をしていますが、実際のところ引掛シーリング対応の配線器具にはどんなものがあるかご存知ですか?
引掛シーリング対応の器具にはいろいろなタイプがありましたが、配線器具側もいくつか種類があります。一般的に照明器具側についている引掛シーリングを「引掛シーリングキャップ」、配線器具側を「引掛シーリングボディ」と呼んでいます。「引掛シーリングボディ」には次のようなものが一般的に使われています。

【耳なしタイプ】
耳なしタイプには代表的なものとして３種類の引掛シーリングボディがあります。ペンダントライトなど吊り下げタイプの照明器具の場合は使用しているコードが一般のビニルコードの場合は質量３ｋｇまで、補強されたコードを使用している場合は通常５ｋｇまで使用が可能、シーリングライトなど直付タイプの場合は５ｋｇまで取り付けることができます。

※引掛シーリングボディ以外の部品で照明器具の荷重を保持する場合はこれに限りません。
※引掛シーリングボディによって取り付けられる質量が異なります。規定質量以上の照明器具を取り付けた場合、引掛シーリングの破損や照明器具の落下の原因となります。お使いになる引掛シーリングボディの仕様をご確認の上、照明器具を取り付けてください。

● 角型引掛シーリングボディ

長方形の形をしたコンパクトな引掛シーリングボディです。照明器具側で使用している引掛シーリングキャップも角型をしており、外形サイズが角型引掛シーリングボディと同じです。引掛シーリング部分にカバーなどがなく露出しているタイプの照明器具の場合、取り付けた時に天井側の配線器具が目立たず、すっきりおさまります。

● 丸型引掛シーリング

丸い形をした引掛シーリングボディです。形状はことなりますが、機能、使い方は角型引掛シーリングボディと同じです。照明器具を取り付けると丸い分面積が広いので天井面の引掛シーリングボディは目立ちますが、照明器具を取り付けた時の安定感が角型よりもあります。

● 丸型フル引掛シーリング(高荷重・耐熱形引掛シーリング)

丸型引掛シーリングの外周につばのような突起がついている形状をしています。使い方は角型引掛シーリングボディや丸型引掛シーリングボディと同じです。このボディに付いているつばはシーリングライトを取り付ける際の支えとなり、より安定感があります。

【耳つきタイプ】
耳つきタイプは引掛シーリングボディのサイド部分にネジ穴が開いている金具が２箇所ついているのが特徴です。耳なしタイプと同様、吊り下げタイプの照明器具の場合は質量３ｋｇまで(補強されたコードを使用している場合は通常５ｋｇまで)使用が可能、直付タイプの場合は５ｋｇまで取り付けることができます。ただ耳なしタイプと異なるのはサイドについている金具です。この金具に照明器具の荷重をもたせることができるので、別の保持部品を準備しなくてもサイドの金具を使えば５ｋｇ以上、最大１０ｋｇまでの照明器具が取り付けられます。

※引掛シーリングボディによって取り付けられる質量が異なります。規定質量以上の照明器具を取り付けた場合、引掛シーリングの破損や照明器具の落下の原因となります。お使いになる引掛シーリングボディの仕様をご確認の上、照明器具を取り付けてください。

耳つきタイプの引掛シーリングボディには代表的なものとして次の２つがあります。

● 引掛埋込ローゼット

天井に埋め込むタイプの引掛シーリングボディです。そのため、引掛シーリングボディ設置後の天井からの出幅は他の引掛シーリングボディと比べて半分程度となり薄型です。

● フル引掛ローゼット

天井に埋め込むタイプの引掛シーリングボディで、丸型フル引掛シーリングと同様につばのような突起がついています。引掛埋込ローゼットと比べてより安定感のある取り付けが可能です。

お部屋の天井に引掛シーリングボディさえ付いていれば、電気工事をすることなくどなたでも引掛シーリング対応の照明器具を取り付けることができます。引掛シーリングボディへ照明器具を接続する方法はとても簡単です。

【引掛シーリング対応器具の取り付け方】

① 引掛シーリングボディの開いている2つの穴に器具側の引掛シーリングキャップの金属端子を差し込みます。

② 指定方向にカチッと音が鳴るまで回します。そうすることで引掛シーリングキャップと引掛シーリングボディがはまり接続されます。

これで取り付けは完了です。一度接続されると固定され、それぞれの引掛シーリングボディで設定されている規定質量までの荷重であれば他の保持部品がなくても使用することができます。
耳なしタイプと耳つきタイプの取り付け方は基本的に同じですが、５ｋｇ以上の重量がある照明器具の場合は耳つきタイプに付いている２つの金具、もしくは別の保持部品を使って照明器具を保持する必要があります。お手元にある取扱説明書にしたがって取り付けを行ってください。

また、天井に設置されている引掛シーリングボディが次のような状態の場合は使用をやめ、電気工事屋さんへ引掛シーリングボディの交換を依頼してください。そのまま使用すると火災や感電、照明器具の落下によるけがの原因となります。