部屋を明るくする照明選びのコツは? 日当たりが悪くても大丈夫!

部屋を明るくするには、照明の選び方や使い方が大切です。

日当たりの悪い部屋などでは、 「ほかの部屋と比べて、この部屋だけなんとなく暗く感じるな……」 ということはあるものですよね。

ここでは、暗い部屋のデメリットと照明で明るくするメリット、部屋を照明で明るくするためのポイントや、照明以外にできる工夫などをご紹介します。

部屋を照明で明るくするメリット

日当たりの悪い部屋のデメリットと、照明で部屋を明るくすることによるメリットについて整理していきましょう。

日当たりの悪い部屋のデメリットとは?

賃貸物件などで部屋探しをする際に注目される条件の一つに「日当たりの良さ」があります。

ワンルームなど小さな物件であれば、日当たりを重視した部屋選びもできるかもしれませんが、戸建て住宅などファミリーで暮らす住まいの場合、日当たりの良い部屋ばかりというわけにはいかないこともありますよね。

実際のところ、日当たりが悪い部屋にはどのような問題があるのでしょうか? 暗い部屋のデメリットを見ていきましょう。

生活リズムが乱れやすい

人間のからだには、昼夜の変化にあわせて体温やホルモン分泌などを周期的に変化させる働きがあります。この周期は概日リズム(サーカディアンリズム)と呼ばれ、目で感じた明るさの変化に同調するようになっているのです。

日当たりの良い部屋では昼夜の変化を自然と感じられるため、規則正しいリズムを保ちやすいのですが、日当たりの悪い部屋で過ごしているとリズムが乱れやすくなってしまいます。不眠や、眠っても疲れが取れにくいなどといった睡眠障害の一つの要因となることもあるのです。

視力が悪くなる可能性がある

「暗い部屋で本を読んでいると目が悪くなる」とよく言われます。

実際のところ、部屋の明るさと視力低下には直接の関係はないのですが、暗い部屋では物が見づらいため、本を読んだり細かい作業をしたりするときに近い距離で見ようとしがちです。

近くのものを長時間見続けることは目への負担が大きく、結果として視力低下の原因になると考えられています。



ハウスダストが発生やすい

住まいの構造にもよりますが、日当たりの悪い部屋というのはジメジメと湿度が高くなりやすいものです。

紫外線には殺菌効果があるため、日当たりの良い部屋にはカビなども生えにくいのですが、日当たりが悪く湿度の高い部屋はカビやダニが発生しやすいというデメリットがあります。

カビやダニの死骸などのハウスダストは、アトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎などといったアレルギー性疾患の原因となることもあるため、注意が必要です。

部屋を照明で明るくするメリット

日当たりの悪い部屋であっても、照明を上手に使えば明るい部屋にすることができます。自然光ではなくても、部屋を明るくすればさまざまなメリットが期待できるのです。

照明で部屋を明るくすることで、主にどのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。

清潔感のある印象になる

照明で明るくすることで、部屋が清潔感ある爽やかな雰囲気になるというメリットがあります。

部屋が全体的に暗かったり、隅のほうが暗かったりすると、なんとなく清潔さを感じられない空間になりやすいです。壁や床の暗い影が汚れのように見えることがありますし、実際には汚れていなくても、暗い部分は掃除が行き届いていないのではないかという心理が働きやすいのです。

心理効果だけではなく、実際に明るく照らされた部屋は掃除がしやすく清潔に保ちやすいと言えます。ゴミや汚れなどが目立つため、気になったときにすぐに掃除できますし、掃除する際に細かい部分までしっかりと汚れを落とすことができるのです。



心身の健康を良好に保てる

日照時間の短い北欧などの地域では、冬季にうつを発症する人が増えることが知られています。太陽の光を浴びる機会が少ないと、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンが不足し、精神的に不安定になりやすいのです。

また、先ほど日当たりの悪い部屋のデメリットとしてお伝えしたとおり、暗い部屋で過ごすと生活リズムが乱れやすいという問題もあります。

こうした問題に対処するためには、自然光でなく明るい照明の光を浴びても効果があることがわかっています。照明で部屋を明るくすることで、心身の健康維持にも役立つと言えるでしょう。

ペットや植物にも優しい

室内でペットを飼っていたり、植物を育てていたりする人も多いでしょう。人間に限らず、動物の健康維持や植物の成長促進にも、ある程度の日当たりは必要です。

照明で明るくした部屋なら、ペットや植物にも良い影響がもたらされることが期待できます。

部屋を明るくする照明選びの基礎知識

日当たりの悪い部屋など、なんとなく暗く感じる部屋を照明で明るくするためには、照明の選び方や使い方が重要になります。

部屋を明るくするための照明選びの際には、以下のようなポイントを押さえるようにしましょう。



部屋の広さに適した明るさの照明を選ぶ

照明器具の明るさは商品によって異なり、LEDシーリングライトやペンダントライトのように部屋全体を照らす照明の場合、部屋の広さによって必要な明るさが変わってきます。

それぞれの照明器具がどの程度の部屋に適した明るさであるのかは、各商品の「適用畳数」として「〇畳用 〇lm(ルーメン)」などと表示されています。この表示には「住宅用カタログにおける適用畳数表示基準」という、業界内での統一基準があるため、どのメーカーの製品であっても、同じぐらいの明るさと畳数を対応させた表示となっています。

部屋をしっかりと明るくするには、適用畳数の表示に注目しましょう。部屋の広さに合った適用畳数の照明、もしくは実際より少し広い畳数向けの照明を選ぶことで、部屋のすみずみまでしっかりと照らすことができます。

全体照明と部分照明を組み合わせて使う

ある程度の広さがある部屋の場合や、部屋の形、家具の配置などによっては、天井のシーリングライトやペンダントライトだけでは暗い部分ができてしまうことがあります。

暗さが気になる場所を明るくしたい場合には、ダウンライトやスポットライト、スタンドライトなどといった部分的に明るく照らす照明器具を組み合わせて使うのがおすすめです。特に、スポットライトは明るくしたい箇所を部分的に照らすのにぴったりな照明です。

全体照明と部分照明を組み合わせることで、部屋をすみずみまでしっかりと明るくできるのはもちろん、部屋の中に照明の強弱が生まれ、空間の広さや優雅さも感じやすくなります。



天井や壁を照らして明るい印象に

間接照明というと雰囲気の演出に使われるイメージが強く「部屋を明るくする」という目的にはあまり適していないように思われるかもしれません。しかし、間接照明も上手に使うことで、部屋に明るさをもたらす役割を持たせることが可能です。

具体的には、天井や壁を間接照明で照らすことで、部屋全体に明るさが拡散します。夜など落ち着いた雰囲気にしたいときには間接照明のみ、昼に明るさを足したいときには全体照明と合わせて間接照明を点灯すれば、室内をより明るくすることができます。



照明以外の工夫も! 部屋を明るくする方法

部屋を明るくするには照明の選び方や使い方が重要ですが、照明以外にも取り入れられる工夫はいろいろとあります。

より明るい部屋にしたい場合は、照明とあわせて以下のようなことを試してみるのもおすすめです。

壁や天井を明るい色にする

ダークブラウンや黒など暗い色の壁や天井は落ち着いた雰囲気をもたらしてくれる一方で、光を吸収するため部屋を暗くしがちです。

特に天井が暗い色だと、明るい照明を使ったとしても部屋の雰囲気は暗くなります。部屋を明るくしたいのであれば、天井や壁には白やクリーム色、明るめのグレーなど、明るい色を選ぶことをおすすめします。

また、天井と壁の色に少し違う色を選んだり、壁の一部にアクセントウォールを設置したりと、空間に適度にコントラストを付けることで、照明の明るさを感じさせやすい部屋になりやすいです。

家具は高さ低めのものを選ぶ

丈の高い本棚や戸棚、たんすなどが多く置かれた部屋は、圧迫感が出やすく暗い印象になりやすいです。印象だけではなく、ある程度壁の広さを感じさせる面があるほうが照明を反射させやすいため、実際に明るい部屋になります。

家具を置くのであれば、目線より低い高さのものを選んで、壁や空間の「余白」を多く作るのが部屋を明るく見せるコツです。

明るい色、光沢のある質感のものを多めに

家具やファブリック類の色や素材にも注目してみましょう。家具であれば鏡面加工されたツヤ感のあるもの、ファブリック類であれば光沢を感じさせるものを選べば、光を反射させて明るい部屋にしやすいです。

また、家具類の色選びについても、暗いものよりは明るいものを多めにするほうが明るい印象になります。濃い色はアクセントカラーとして部分使いするのがおすすめ。空間にメリハリが出て、明るさを感じやすくなるはずです。



まとめ

暗い部屋で過ごすデメリットと照明で明るくするメリット、照明で部屋を明るくするためのポイントや、照明以外にできる工夫などについてご紹介しました。

わたしたち人間のからだは、昼明るく夜は暗くなる自然のリズムに同調するようにできています。日中を過ごす部屋は、十分な明るさを感じられるようにしておきたいところです。

日当たりの悪い部屋、なんとなく日中の暗さが気になる部屋がある方は、照明選びや照明使いを工夫してみることをおすすめします。

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