最近増えている吹き抜けのある家。せっかくの吹き抜け空間を照明計画で素敵に演出しましょう。
吹き抜けの照明の基本と演出方法までお伝えします
吹き抜けの照明はどう計画してよいかわからない。という方のために今回は吹き抜けの照明計画の基本と演出方法についてお伝えいたします。
吹き抜け照明計画 基本ルール
天井高さも高く壁の面積も大きくなる吹き抜け空間。そんな吹き抜けのある空間全体を通常の部屋のように1灯だけで照らすことは困難です。ではどのように照明器具を組み合わせればよいのでしょうか?
基本は通常の天井高さの時と同じ方法、複数のあかりを分散させて計画しましょう。
生活に必要でお部屋の全体を明るくする基本となるベースのあかり+まわりの壁などを照らして明るさ感を感じさせるあかりを組み合わせてそれぞれの役割を明確にして計画することが大事です。特に高さのある吹き抜け空間の魅力を引き出すためには高さ感のあかりを意識することもポイントです
ではどのように計画していけばよいか具体的にみていきましょう。
実際のケースにおける吹き抜けのノウハウ
◎ベースをダウンライトで計画する場合
最近のLEDダウンライトは種類も様々で高い位置からもあかるさが確保できるタイプも豊富にあり、吹き抜けの天井からダウンライトで計画する方法も増えています。ダウンライトをベースとする計画の場合は吹き抜け空間の中心の天井にダウンライトを基本のベースとして配置して手元のあかりを確保しましょう。
ただし通常の天井より高い位置から照らす計画となるので、この場合のダウンライトは集光タイプを選ぶことがポイントです。ダウンライトは拡散タイプ(ひかりが広く広がるタイプ)と集光タイプ(ひかりがまわりに拡散がほぼなく真下に光が届くタイプ)と種類があります。今回はこの集光タイプを選ぶことで吹き抜けの天井からでも手元まであかりが届くため、おすすめです。
ただしダウンライトだけでは手元だけのあかりなので、まわりの明るさ感をプラスすることが必要です。まわりの明るさ感は壁を照らす壁付けのブラケット灯やスポットライトで計画しましょう。壁の上方向にも照明のひかりをあてる計画にすると吹き抜けの高さ感をより感じさせることができます。
また、壁にダクトレールとダクトレール対応のスポットライトをつけて計画することもおすすめです。ダクトレールであればスポットライトを好きな位置に移動することも可能なので、ダイニングテーブル近くにスポットライトを動かしてテーブルに向けて照射することも可能です。インダストリアルインテリアやカフェスタイルインテリアなどの場合には敢えてブラック色のダクトレールとスポットライトを設置することでラスティックな雰囲気の演出にもなります。
◎ペンダント灯を吹き抜け中心に設置して計画する場合
ペンダントを吹き抜け空間の中心から吊るし空間に主役をつくります。このペンダントを基本となるベースのあかりとします。吹き抜けの大きさにもよりますがペンダントを1灯ではなく2~3灯使う多灯吊りもおすすめです。ペンダントが吹き抜けにあるだけで高さ感も強調され、おしゃれに演出できます。
また、まわりの明るさ感をプラスする計画は基本のあかりをダウンライトとした時と同じように壁付けのブラケットやスポットライトで計画しましょう。ただ、ペンダントのデザインによってはブラケットやスポットライトとはデザインが合わない場合もあります。その場合は吹き抜けの天井の壁際にダウンライトを寄せて設置し、壁を照らして明るさ感をプラスする計画もおすすめです。この場合のダウンライトは拡散タイプとして壁全体に明るさがいきわたるようにすることがポイントです。
部屋別の吹き抜けの照明計画と注意点
◎キッチン編
キッチン上が吹き抜けになっている場合はまずは基本のベースのあかりとしてダウンライトを設置しましょう。この場合は手元まで届く集光タイプのダウンライトがおすすめです。空間の明るさ感を感じさせるまわりのあかりは拡散型のダウンライトを壁際に設置させる方法、もしくは壁にスポットライトやブラケットを設置して壁を照らして計画しましょう
◎階段編
吹き抜けている階段には天井高さを活かしたペンダント灯がおすすめです。空間のアクセントになり天井高さ感を感じさせる計画となります。ペンダントの種類によっては明るさが足りない場合もありますのでスポットライトや足元灯をプラスして組みあわせて計画することをお勧めします。
◎玄関編
玄関はしっかりとした作業照度は必要としない場合が多いため、基本のベースの手元のあかりよりもまわりの明るさ感優先で計画する方法もおすすめです。一般的な大きさの玄関であれば吹き抜けの天井から1灯明るめのペンダントで明るさ感を確保することも可能です。
そのほか、おすすめ計画としては玄関収納の上の壁面にブラケットを設置。目線の入る位置におしゃれなデザインのものを配置することで空間のアクセントにもなります。プラスして天井から集光性のダウンライトを設置することで手元まで光る明るさも確保可能です。
吹き抜けで照明を計画する場合の注意点
①リビングなど広い空間の吹き抜けにシーリングファンがある場合は照明計画も注意が必要です。
シーリングファンとは天井に設置する大きなファンで部屋の空気を循環させてくれるものです。リゾートホテルなどの天井についているものといえばわかる方も多いのではないかと思います。シーリングファンと照明で問題になってくるポイントはファンの影のチラつきです。
照明によって発生する影が視界に入るとファンの回転による影のチラつきが不快感をもたらします。影のチラつきを抑えるコツとしてはファンと照明器具を可能な限り離す、ファンに直接光をかけない床面や作業面にチラつきをださないことです。
具体的にシーリングファンとダウンライトを一緒に計画する場合はファンの羽の端からダウンライトの距離を天井から羽までの距離と同等以上に離すことで視界に影が発生することを防ぎ、不快なチラツキの発生を軽減します。
②ペンダントの計画の場合
ペンダントライトを吹き抜けに計画する場合は購入前にいくつかチェックする必要があります。
◎ペンダントコードの長さの確認
吹き抜けだと長さが足りない場合があるため、どの程度の長さがまで変更できるか確認が必要です。
◎ペンダントコードの長さ変更に別途費用がかかるか。
ペンダントの長さを変更できる商品も多いですが、場合によってはコード長さの変更に費用がかかる場合もあるため事前に確認しましょう。
◎天井の配線種類(引掛けシーリングなど)の仕様の確認
電気業者が必要な器具もあるため注意が必要です。
◎吹き抜けの取付の場合は別途取付費用が必要か。
高い位置への設置のため、通常より費用がプラスされる場合があります。基本は専門業者への依頼がおすすめです。
吹き抜けにお勧めの照明器具
◎ダクトレール用のスポットライトMSP003D
ダクトレールに設置できるスポットライトです。吹き抜けにダクトレールを設置する計画とした場合にお勧め商品です。色もブラックとホワイトと2色あるのでインテリアスタイルやダクトレールの色と合わせて選びましょう。ダクトレールは別途建築工事にて準備が必要となります。
まとめ
吹き抜けの照明計画についていかがでしたでしょうか?難しい計画となりますが基本をつかんで計画すれば大丈夫なことをわかっていただけたと思います。ぜひ素敵な吹き抜け空間を演出していきましょう。