カフェの開業費用、何にどれぐらいかかる?

カフェを開いてみたいと考えている方にとって、どのぐらいの費用が必要なのかはやはり気になるところでしょう。
本記事では、カフェの開業にかかるコストについて取り上げます。

カフェ開業に必要な費用の内訳

カフェ

カフェ開業には、様々な段取りが必要です。
そして各々のステップごとに、一定の費用がかかってきます。

場所代

まず最初に必要なのは、カフェを開く場所です。
物件を購入するなら購入費用、賃貸するなら敷金等の初期費用と家賃が必要になります。
例外として自宅の一部を改装してカフェにする場合は、場所代は必要ありません。
賃貸の場合、店舗では住居と異なり敷金ないし保証金が家賃の6~10ヶ月分かかることが多いです。
新たに店舗物件を取得する場合、当然のことながら立地と広さで必要な金額は大きく変わってきます。
特に立地は大事です、
カフェをオープンしてもお客様がなかなか来られないような場所では、たちまち開店休業状態になってしまいます。
とは言え立地が良ければ、かかる費用もそれなりに高くなるでしょう。
コストと売り上げが釣り合うか、実際に現地へ足を運ぶなどしてしっかりリサーチする必要があります。

工事費用

カフェを開くためには、物件のキッチンや内外装を整えなくてはいけません。
元々飲食店だった店舗を「居抜き」で引き継ぐ場合は、こうした工事費用を大幅に抑えることができるでしょう。
しかし通常は新たにカフェとして使うための店舗設計をして、工務店へ施工をお願いしなければなりません。
DIYで工事するという方法もありますが、お客様が気持ちよく過ごせるクオリティにする必要があります。
よほど大工仕事が得意な人でないと難しいでしょう。

設備什器費用

カフェには、テーブル・椅子・食器などの什器が色々必要です。
カフェに来るお客様は、自宅では味わえない特別な雰囲気や時間を求めています。
インテリアやカップなどは、お店のこだわりやコンセプトが感じられるものを選ぶ必要があるでしょう。
費用を抑えたくても、安易にファストインテリアで済ませるというわけにはいかないのです。
また調理器具やコーヒーメーカーなども、業務用のしっかりとしたものを置くようにしましょう。
家庭用の安価なものでは、調理の効率が悪かったり毎日の使用ですぐにダメになってしまう可能性があります。

運転資金

店舗の体裁が整ったらいよいよ開店ですが、その際にはあらかじめ運転資金も用意しておく必要があります。
開店した瞬間から垂直に売り上げが立てばよいですが、通常は店舗経営が軌道に乗るまでは一定の期間を要します。
その間の経費をまかなうための現金が、運転資金です。
運転資金は家賃・人件費・光熱費・仕入代金などの、半年分程度が適切とされています。
家賃が高かったり最初からバイトを何人も雇っていたりする場合は、運転資金として必要な金額も大きくなります。
逆に準備できる運転資金が限られるときは、オーナーのみでの営業など小規模なスタートにするとよいでしょう。

【形態別】カフェ開業の費用イメージ

カフェ

カフェにはいくつかの開業パターンがあります。
開業で必要となる費用イメージも、各々で異なります。

店舗型カフェ

店舗型カフェは、店舗専用の物件で開業する形態です。
所有している土地や建物が余っているような場合を別にすれば、店舗用の建物やテナント物件を賃貸する場合が多いでしょう。
家賃を15万円の場合、テナントの初期費用が保証金込みで11ヶ月分だとすると165万円ほど必要になります。
工事費用は30万円/坪程度かかりますので、20坪の物件だと概ね600万円程度必要です。
居抜きであれば、200万円程度で済ませられる可能性があります。
設備什器費用は、消耗品込みで350万円程度はかかるでしょう。
運転資金は、家賃+経費が30万円だとすると300万円程度必要です。
これらを合計すると、1,100~1,500万円程度が店舗型カフェ開業の必要資金となります。

移動式カフェ

移動式カフェは、店舗を持たずにキッチンカーで営業するスタイルです。
物件の賃貸・工事費用はかかりませんが、車両の購入費用が400万円程度必要となります。
中古のキッチンカーなら、200万円程度で収まる可能性もあるでしょう、
什器や消耗品の費用は、概ね50万円程度かかります。
運転資金は、経費が月10万円だとすると100万円程度を要します。
これらを合計すると、350~550万円が移動型カフェの開業資金として想定されます。

自宅開業カフェ

自宅型カフェは、自宅の一部を改装してカフェにする方式です。
物件取得や賃貸の費用が不要になる分、コストが抑えられます。
ただしキッチンは食費衛生法上店舗用と自宅用を分ける必要がありますので、工事は必ず必要となります。
店舗部分が20坪程度だとすると費用は店舗型の場合と同様になり、すなわち工事費で600万円・・設備什器で350万円程度です。
運転資金は家賃がかからない分安くなり、150万円程度が目安となります。
これらを合計すると、自宅開業カフェの開業資金は1,100万円程度になります。

カフェ開業費用を節約するには

形態別に差異はありますが、カフェ開業にはある程度まとまった資金が必要です。
開業費用を抑えるために、なにか工夫できることはあるのでしょうか。

フリーレント物件を探す

フリーレント物件とは、一定期間家賃が無料となる物件のことです。
無料期間は通常1~2ヶ月で設定されています。
特に開業当初は手探りで営業していることが多いため、家賃がかからないのは大きなメリットです。
その間に売り上げが安定してきて家賃が問題なく払えるようになれば、用意していた運転資金の一部を設備の拡充や広告宣伝など別のことに使うことも可能です。
ただしフリーレント物件は、立地など他の条件で不利な部分を補うためにフリーレントになっていることもあります。
またフリーレント期間に解約したような場合は別途違約金がかかることも多いので、家賃だけに目を奪われず店舗としての立地や契約条件などにもしっかり目を配って検討するようにしましょう。

居抜き物件を探す

元々飲食店だった物件を居抜きで借りることができれば、改装費用を大幅に抑えることができます。
もし内装などにこだわりがなければ、改装自体ほとんど必要ない可能性もあります。
逆に元々の内装が自分のイメージと異なっている場合は大幅な改装が必要となります。
水回りの位置まで変えるような工事だと、結局スケルトン物件より費用がかさんでしまう場合もある点には注意しましょう。
また居抜き物件の場合、前の店舗がなぜ撤退したのかも要確認です。
ロケーションの悪さが理由だった場合、同じ業態で特に工夫もなく開業するのはリスクが高いので慎重に判断しましょう。

中古の設備什器やリースを利用する

業務用の中古什器を扱っているリサイクルショップなどを利用することで、新品よりも安価に設備をそろえることができます。
カフェ内の設備什器全てを中古というわけにはなかなかいかないかも知れませんが、業務用の冷蔵庫や製氷機などピンポイントで使えるものがあれば、その分だけでも費用は抑えられます。
ただし中古品の場合メーカーのアフターフォローがないので、故障等万が一のトラブル時には交換をする想定が必要です。
リースを利用した場合は、買い取りではなく月々の支払という形になりますので、初期費用については大幅な節減になります。
ただしトータルで見れば確実に買取の方が安くなりますので、リース業者からの経費シミュレーションなどを参考にし、メリット・デメリットをしっかり確認するようにしましょう。

まとめ

以上で本記事を終わります。
カフェの開業費用は、店舗型・移動型・自宅型で変わってきます。
ただしいずれの場合も、数百万円以上の資金が必要です。
費用を抑える方法も研究しながら、自分に合った形態を検討しましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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