家具屋さんの一角にあるようなおしゃれな雰囲気の部屋にするため、アンティーク家具に惹かれたことはありませんか?
自分の部屋との基調が合わないことが多く、気軽に手を出すことが難しそうな独特な雰囲気を醸し出すアンティーク家具を自分の部屋に取り込むためには、いったい何から手をかけていけば良いのでしょうか。
家具屋さんは、アンティークに関する基礎的な知識を踏まえて家具を配置しているので、そのスタイルに合わせた雰囲気やイメージを伝えることができているのです。
アンティークインテリアに惹かれ自分の部屋に取り入れたいと考えている方は、まずアンティーク家具の由来をしっかりとおさえておきましょう。
アンティークインテリアの背景やその特徴を捉えておくことで、きっと素敵な空間を構築していくことが可能となることでしょう。
さっそく、以下に解説していきます。
アンティークの定義
アンティークとは主に骨董品や古美術品のことを指しますが、フランス語にするとAntiqueという略語になります。
アンティークという言葉の歴史をたどっていくと、「100年を経過した手工芸品・工芸品・美術品」として1934年にアメリカで通商関税法が制定されました。
その後、月日を経てアンティークは「100年経過したもの」というように捉えられるようになり、現在に至った経過があります。
アンティークの語源
アンティーク(Antique)という言葉は、ラテン語で「古い」という意味をあらわしているアンティクウス(Antiquus)という言葉が語源となっています。
アンティーク(Antique)は、元々古いという意味だけを持っていた言葉になりますが、フランス語の文化へ浸透していく過程で骨董や古美術という意味を持つようになっていったといわれています。
アンティークとヴィンテージはどう違う?
アンティークと同じように、よく聞くヴィンテージとはいったいどんな意味を持ち合わせているのでしょうか。
「なんとなく意味が似ているだけなのかな」というように、正しく理解できずに混同したままでいる方も多いと思います。
アンティークやヴィンテージのように「古い」を意味する言葉はたくさんありますが、その意味や違いについてしっかりと押さえておきましょう。
アンティーク
おさらいになりますが、アンティーク(Antique)とは骨董や古美術という意味でしたね。
他には、希少価値のある古美術や古道具を表現する言葉としても使われています。
元々ラテン語のアンティクウスと呼ばれていた言葉が、フランスの文化に浸透するにつれてアンティークという言葉に変わったと言われており、現在のアンティークの定義とは「製造されてから100年を経過した手工芸品・工芸品・美術品」とされています。
ヴィンテージ
本来ヴィンテージとは、ワインの製造に関する工程を示す言葉であり、ぶどうの収穫から醸造を経て瓶詰めされるまでの工程を表現する言葉です。
語源はフランス語のVendangeとされており、元々はラテン語で「ぶどうを収穫する」という意味の言葉からきています。
近年のヴィンテージという言葉は、古くて価値が高いといった意味を持ち、製造されてから100年未満かつ10年以上が経つことで価値が高まったものをヴィンテージと呼んでいます。
アンティークとヴィンテージは、世の一般的な認識としては100年を分岐として捉え、100年以上も前に製造された価値の高いものをアンティークと呼び、製造されてから100年未満でかつ10年以上が経過して価値が高まったものをヴィンテージと呼びます。
両者が共通しているのは「古美術的」「価値が高い」というところでしょう。
どれだけの時間が経過しているのかという部分がアンティークとヴィンテージの大きな違いであることはお分かりいただけたでしょうか。
クラシック・レトロ
アンティークやヴィンテージのように「古美術的」「価値が高い」の意味を含む言葉として、クラシックやレトロという言葉があるのはご存じのことかと思います。
いまさらと思うかもしれませんが、クラシックやレトロの意味についてもう一度おさらいしておきましょう。
クラシックとは、例えばクラシックカーのように古代ギリシア・ローマの芸術作品のような文化を反映させた古典派の作品や活動を表しています。
クラシック (Classic)は、ラテン語で階級を表す言葉として使われていますが、その他には、格式のあるという意味でも用いられています。
主に文学、音楽、美術などの芸術作品やファッション(服装)を表現する言葉として用いられていますが、様々な分野で歴史的に長く評価の高い物事をクラシックと呼ぶようになっている場合が多いですね。
一方で、レトロ(Retro)とはレトロスペクティブ(Retrospective)の略語になり、昔のできごとや物事を懐かしく思い出して評価したり情緒に浸ったりすることを表す言葉です。
さらに分かりやすく言うと、古いものを懐かしく好むことをレトロと言います。
アンティークインテリアの王道
アンティークインテリアは、長い歴史の中で支持され続けてきました。
「古美術的」「価値の高い」アンティークインテリアは、世界の様々な国の文化やデザインによってテイストが変わってきます。
木材とアイアンを組み合わせたスタイルが特徴的なアメリカンアンティークや、唐木の彫刻に漆塗り加工するスタイルが特徴のアジアンアンティークなど多岐にわたるテイストがありますが、その中でもアンティークインテリアの王道として知られている3つのテイストや特徴についてご紹介していきます。
ヨーロッパアンティーク
エレガントな中にも上品さが際立つデザインのものが多いヨーロピアンアンティーク。
白を基調としており花柄が至るところにデザインされているのが特徴で、女性らしさや大人らしさの雰囲気が漂っています。
インテリアとしてシャービックスタイルの家具を配置することで、よりアンティーク感が引き立てられ味のある雰囲気を演出することができます。
フランスアンティーク
フランスアンティーク家具に使用される木材はウォールナットやマホガニーです。
ウォールナットはクルミ科の落葉広葉樹に分類され、流れるような木目が美しいことで知られており古くから高い人気を誇る木材です。
紫がかった暗褐色の深みのある色合いが特徴で高級な木材として使用されています。
また、耐久性も高いため、使用年数が経っていてもリペアすればその美しさを保つことが可能です。
近年では家具に白色を取り入れたフレンチスタイルの人気が高まっており、深みのある優しい色合いの仕上がりは女性にも人気のテイストとなっています。
イギリスアンティーク
イギリスの家具に対して主に使用される木材は、マホガニーとオークと呼ばれるものを使用しています。
マホガニーは赤っぽい色合いで使えば使うほど深みのある質感がアンティーク感を醸し出す特徴があり、乾燥による伸縮が少なく耐久性に優れている木材です。
オークは固く重みのある木材であるため、製造された家具は重厚感のあるしっかりとしたものに仕上がり、ダークブラウン調の高級感あるエレガントな雰囲気を演出してくれます。
材料や産地などの理由から製造された家具は高価になりがちですが、アンティーク家具として根強い人気があるのも納得のいくものとなっています。
まとめ
アンティークは製造されてから100年経過したものであり、ヴィンテージは製造されてから10年以上経過しているが100年未満のものであるということは理解していただけたのではないかと思います。
アンティークの基礎知識ともいえるこの部分をしっかりと押さえておくことで、アンティークインテリアを取り入れる際にどこから手をかければよいのかが見えてくるようになっていることでしょう。
ぜひこの記事を参考にアンティークインテリアを取り入れてみませんか。