なにかを学ぼうとした時には「効率よく勉強したい」と考えると思います。できるだけ短時間で学習内容を吸収できれば同じ期間でより多くの知識を得ることができるからです。ここでは効率の良い勉強方法についてご紹介していきます。始める前のポイントから実際に行う勉強方法まで具体的に紹介しますので、これから何かを学ぼうと考えている方はぜひ参考にしてみて下さい。
目次
<効率のいい勉強法>始める前に考えるポイントは
まず、勉強を始める前に効率よく勉強するためのポイントについてご紹介します。効率を上げるということは勉強の内容を短い時間で習得するということと、無駄な時間をつくらないという2つの面があります。
学習内容を把握する
いきなりテキストを開き勉強を開始するのではなく、最初に全体を把握しておきましょう。何事もゴールの見えない取り組みはモチベーションの維持につながりません。例えば、資格試験の勉強であれば、最初に目次を確認し、全体的な学習の流れを理解し、取り組んでいる項目がどの部分に必要な知識なのか把握しておくと、各項目同士のつながりも理解しやすくなります。
常に時間の短縮を考える
一日の時間は皆等しく24時間しかありません。効率よく勉強するには、他のことから勉強に入るまでの時間を無駄にしないということです。勉強に入る前にスマートフォンを確認したり、机の上の整頓が必要だったりするとその分スタートが遅れてしまいます。「勉強を始める」と考えた瞬間から取り組める状態をつくっておくということが大切です。
インプットのあとはアウトプット
人には「視覚」、「聴覚」、「身体感覚」で優位性があり、記憶方法によってその効果が変わってきます。講師の説明では理解できなかったことが、テキストのグラフや図で理解できたり、その逆もあります。この点で「自分に合ったインプット方法」を把握することも大切です。インプットはできるだけ短時間で行える方法を選びましょう。
勉強した内容の記憶定着にはアウトプットが非常に有効です。アウトプットには、
気づき機能⇒自分が伝えたいことと伝えられることのギャップに気づく。
仮説検証機能⇒フィードバックにより仮説を検証できる。
メタ言語的機能⇒内容を意識的に省み、インプット情報以上の詳細を確認できる。
といった機能があり、うまくアウトプットできないということはきちんと理解できていないということになるのです。
隙間時間を無駄にしない
常に「勉強する」という意識を持つことは時間を有効に使う上で重要となります。オン・オフの切り替えも大事ですが、常に意識しておくことは少しの隙間時間でもスムーズに勉強に入るために必要です。例えば、電車での移動時間や、食後の10分間、トイレの3分間など無駄にしていませんか?目標達成のためには「常に勉強する」という意識を持ち続けることが大切です。
<効率のいい勉強法>内容が身につく勉強法
では、実際に効率が上がる勉強法についてご紹介します。 内容別に大きく4つに分類して説明します。
勉強時間を可視化する
自分の勉強の進捗を把握することは今後のやる気につながりますし、うまくいかない時の対処法も分かりやすくなります。この点に注目した勉強方法が2つあります。
・塗り絵勉強法
これは勉強の記録を付けていく方法です。大きめのマスの方眼紙を用意し、カラーマーカーで15分勉強するごとに塗りつぶしていきます。教科ごとに色を変えると分かりやすくなります。これにより勉強時間が可視化され、達成感を覚えやすくなります。色分けすることで不足している教科も把握しやすくなり、モチベーションの維持、意欲の向上につながるのです。
・ストップウォッチ勉強法
ストップウォッチを使い、時間を計測しながら勉強する方法です。勉強時間の記録を残すことで成果を視覚化でき、制限時間を設けることで時間内の効率を上げる効果が見込まれます。ストップウォッチ一つで始められるので始めやすいというメリットがあります。
量より質を考える
勉強時間の可視化での「勉強量」を上げることも重要ですが、勉強の質も大切です。ここに注目した勉強方法がこちらです。
・1冊3周勉強法
多くのテキストをこなすのではなく、1冊のテキストを完璧に仕上げることを目標とした勉強法です。ただ3回繰り返すのではなく、1回目で理解した項目、疑問が残る項目を分け、2回目で分からなかった部分の内容を理解するまで学習し、3回目で徹底的に読み込むという風に、繰り返しを重ねることでしっかり内容を理解し、記憶定着させることができます。
・7回読み勉強法
1冊3周勉強法と同じ趣旨となりますが、こちらは7回読み込みます。1~3回目は無理に内容を理解しようとせず、流し読みをして全体を把握することに努めます。そうすると4回目以降から理解度が上がり、7回目までにテキストの細かいところまで覚えることができます。
時間帯で内容を変える
人間の脳は時間帯で得意とする働きが変わることをご存じですか?ここではこの時間帯を利用した勉強法を紹介します。
・時間帯別勉強法
起床から3時間は脳の集中力が高まる時間帯となります。脳がクリアな状態となり、記憶力、想像力が活発になり、勉強をするには最適な時間と言えるでしょう。
昼食後から夕方は交感神経やホルモンの分泌により、気力・体力が高まる時間帯です。午前についで脳の働きが高い時間帯となります。
脳は睡眠により記憶を定着させます。このことから夜から就寝前は暗記に適した時間帯となります。単語などの記憶が必要な勉強は就寝の前に行うと良いでしょう。
五感をフル活用
人間には五感があり、それぞれが脳に信号を送り、インプットさせています。この五感を使って行う勉強法もあります。
・音読勉強法
テキストの読み込みを音読で行う方法となり、声を出して読むことで脳の側坐核という部位を刺激し、やる気のアップにつながるのです。また声に出すことで記憶が定着しやすいといった効果もあります。
・録音勉強法
音読勉強法と組み合わせた勉強法で、音読した内容を録音し、音声で聞くことで内容を覚える方法です。音読で声に出すだけでなく、耳で聞くことで記憶の定着力がアップします。隙間時間に行えるので勉強の効率を上げるためにはとても有効な勉強法と言えるでしょう。
<効率のいい勉強法>勉強できる環境を整える
ここまで色々な勉強法についてご紹介してきましたが、大事なことは勉強できる環境をつくることです。「勉強をしよう!」と思ったときに勉強に集中できる環境を事前に準備しておきましょう。ここでは効率よく勉強をするために必要なコツをご紹介します。
机周りの整理
人の集中力を継続させることは難しいものです。できるだけ集中できるように気を散らすものは机周りから遠ざけておきましょう。例えば、テレビ・マンガ・ゲームなどの娯楽物などです。机に向かった時に視界に入らないようにして、もしスペースがなく、移動させることが難しいようなら布などで目隠しを被せても良いと思います。
勉強するときは視界にテキストや筆記用具などの勉強に必要なものだけが視界に入るように片づけておきましょう。
スマホを片づける
勉強する上で一番障害となるのが「スマートフォン」などのSNSです。通知が入るとどうしても気になり、勉強中でも思わず手に取ってしまいがちです。勉強に集中したいという時はスマートフォンを目の届くところに置かず、通知音もオフにしておきましょう。
時計の代わりに使っていたり、調べものに使ったりしている人もいると思いますが、時計、タイマーは現在安価で購入できますので別に用意し、代用できるなら電子辞書の購入を検討しましょう。「勉強は紙のテキストで」と決めてしまうのも良いと思います。
勉強時の姿勢を整える
勉強の効率を上げるには机に座った時の姿勢も大切です。
・椅子に深く座る。
・机と体の隙間は握りこぶしひとつ分。
・ひざから下は床に垂直に下ろす。
・背筋はまっすぐ伸ばす。
・着座面から背中は90度の角度で。
正しい姿勢は自然と胸が開き、肺に空気を取り込みやすくなります。これにより深い呼吸ができるので、血行が良くなり脳に酸素を送りやすくやすくなります。
眠くなったら仮眠をとる
眠気を抱えたまま勉強を続けてもパフォーマンスは上がりません。眠気は脳が休みたがっている証拠です。そんな時は思い切って寝てしまいましょう。無理に勉強を続けても脳が苦痛を感じ、勉強=苦痛という情報がインプットされてしまいます。
ただし、仮眠は15分程度に抑えて下さい。15分以上の睡眠は深い眠りに入ってしまい、起きてからの効率が上がりません。「仮眠から起きてもまだ眠い」といった状態になってしまいます。
【まとめ】効率のいい勉強法の実践でやる気をキープする
勉強で成果を出すには自分のモチベーションをキープし、成長を実感できることが大切となります。適切な勉強環境と、勉強法を実践し、自分の目指す目標の達成につなげて下さい。