すてきな照明を見つけたけれど、ひとりでも交換できるのでしょうか。
「業者を呼んだら高そう…」
「近所の人に助けてもらおうかな」
「天井に穴を開けるならムリかも…」
照明の交換は大変そうなイメージが付きものです。
しかし、種類によってはとても簡単で、女性でもひとりでできる作業です。
取り付けが不安で照明の購入をためらっているなら参考にしてください。
目次
照明を取り付ける配線器具の確認を
照明器具を天井に取り付けるには、直付けする「直結」タイプと、引っ掛けて取り付ける「引っ掛け」タイプの2つの方法があります。
まずは照明器具を取り付けたい天井の確認をしてみましょう。天井に配線器具が取り付けられている場合、「引っ掛け」タイプの照明器具であれば自分で取り付けることができます。
「引っ掛け」タイプで使用する配線器具には丸いものや四角いものなどさまざまな形があります。見かけは複雑そうですが、要はコンセントにプラグをさすのと同様と考えればいいのです。
たとえばドライヤーを使う時は、当たり前ですがそのままでは使えません。コンセントにプラグを差し込み、はじめて使える状態となります。
天井に付いている配線器具はちょっと形は違いますがこれと同じで、照明用のコンセントと考えてください。ただ、照明は下に下がっているのでコンセントと同じような形だと重さで落ちてしまいます。
そのため、しっかりと天井に固定するために考えられた形をしているのです。
天井についている照明用の配線器具は「ローゼット」や「引掛けシーリング」と呼ばれていて、丸いものや長方形のものがあります。よく見ると少しずつ違っていて、代表的なものは「角形引掛シーリング」「丸形引掛シーリング」「丸形フル引掛シーリング」「引掛埋込ローゼット」「フル引掛ローゼット」の5種類です。
天井にどれかが付いていれば問題なく自分で照明を取り付けることができます。ただ、古い住宅などにたまに付いていないことがあるので、そういう場合は自分では付けることができないので業者を呼ぶ必要があります。
照明器具を取り外さないと確認できない場合は、現在使っているものを外して確認しましょう。
照明器具の外し方
ここではシーリングライトの代表的な外し方を例に説明していきます。
まず最初に照明のスイッチをオフにして灯りを消し、照明に電気が通らない状態にしておきます。
1 、照明のカバーを外します。着脱ボタンがあればそれを押して取り外します。外れない時は無理に外そうとすると、カバーが割れたり、照明落下の恐れがありますので注意しましょう。
2 、コネクタの配線を引き抜いて外します。
3 、シーリングライトを抑えながら中央のレバーを左右に広げてロックを解除します。
4 、シーリングライトが外れるので、両手で受け止めてください。この時、バランスを崩して落ちないよう注意しましょう。
5、 シーリングライトが外れるとアダプタが残っています。ロックボタンを押しながら回してアダプタを外します。ロックボタンを押さずに回すとシーリングが壊れたり、ヒビが入ったりするので必ずボタンを押してから行いましょう。
こんな場合は注意!
使っていた照明を取り外したら、天井に付いている配線器具をチェックしてみましょう。
・配線器具からねじが飛び出ているとき
・配線器具にヒビ割れが見られるとき
・配線器具が欠けているとき
このような状態の配線器具をそのまま使用すると火災や感電、落下などの原因となります。そのまま使用せず、配線器具の交換工事を依頼するようにしましょう。
配線する照明器具の接続部分を確認
照明にもいろいろな種類があり、それぞれに適した部屋や使用場所があります。
シーリングライトやペンダントライトなら、形は多少違っていても「引っ掛け」タイプであれば取付方法は同じです。
シーリングライトは天井に直接取り付けるタイプの照明で、部屋全体を明るく照らしてくれます。丸くて平たい形のもの、スポットライト風のものなどさまざまな形があります。
一方、ペンダントライトはその名の通り、ペンダントのようにコードやチェーンによって、吊り下げるタイプの照明のことを言います。部屋全体ではなく、主に照明の下部分を明るく照らしてくれます。
用途に合ったお気に入りの照明を見つけたら、まずは照明器具の接続部分を確認しましょう。
配線工事なしで照明器具を取り付ける
取り付けられることがわかったら実際に照明を取り付けていきましょう。
取り付ける照明器具によっても多少取り付け方が違ってくるので、事前に調べておけば安心です。
シーリングライトの取り付け方法
まず、シーリングライトに付いているアダプタを、取り付け位置に差し込んだ後、軽くひねります。
本体の中央部をアダプタに合わせて音がするまで本体を押し上げます。
ロック位置マークに合うようにレバーをスライドさせて、本体をロックします。
次にアダプタ側から出ているコネクタの配線を本体側へ接続します。
最後にカバーを取り付けていきます。カバーを水平に持ち上げて、右に回してカバー落下防止のロックがかかれば完了です。
ペンダントライトの取り付け方
照明コード先に付いている引掛シーリングキャップを手に取ります。これを引掛シーリングに差し込んで軽くひねるだけで簡単に取り付けることができます。
外すときは照明を落とさないように持ちます。引掛シーリングキャップのボタンを押しながら左へ回せば外れます。
シャンデリアの取り付け方
照明器具が重いシャンデリアなどは、天井に負荷がかかるためネジ止めが必要になります。
角形引掛シーリングや丸形引掛シーリングの場合は、補強材のある天井部分にネジで固定します。
引掛ローゼットや埋込ローゼットの場合は、配線器具のサイドに付いている金具の部分にネジ止めをします。
取り付ける照明のメーカーによっては設置方法が異なる場合があるので、事前に確認しておくようにしましょう。
天井に補強材が見当たらない、天井が変形しているなど設置するのが難しい場合は、業者に依頼してください。
照明器具の配線工事には資格が必要
天井に直付けする「直結」タイプの場合、引っ掛けシーリングがない、またはシーリングが破損しているなどの場合にはプロにお願いするしかありません。
直接配線をするには電気工事士の資格が必要なので、資格を持っていない人は取り付けができないのです。
また、シャンデリアなど7㎏以上の重さがある特別な照明器具の取り付けは、地震に備えて直結付けにする必要があるのでこれも工事が必要になります。
直結タイプって?
直結タイプというのは、配線から伸びているコードに直接照明器具を取り付ける方法のことです。引掛けシーリングを利用して照明器具を付けたいと思っても、重い照明を付ける時には直結でないとだめな場合もあります。
また、引掛けシーリングの接続部分が汚いからという理由から直結を希望する人もいます。
しっかりと業者に付けてもらえば、地震で外れたりする危険性が低くなります。
しかし、直結の場合、電気工事士に付けてもらったら、外す時も同様に電気工事士に依頼する必要があるので、引っ越しするからと勝手に取り外さないようにしましょう。
では、どんな時に電気工事士に依頼しなければいけないのでしょうか。
照明器具の取り付けに資格が必要な時
照明器具を取り付ける時に資格が必要になることがあります。
以下のような場合は電気工事士の資格が必要となり、無資格で取り付けをするのは法律で禁止されているので注意が必要です。
・直接配線の時
配線から伸びるコードに直接、照明器具を取り付ける直結タイプの照明器具を選んだとき。
天井に引掛シーリングなどの器具が付いていないとき。
シーリングやローゼットが破損しているとき。
・重い照明を取り付ける時
大型のシャンデリアやガラス素材を多用している照明は重量が大きいので、電気工事業者の工事が必要になります。
電気工事士に照明器具の取り付けを頼むと、費用相場は一カ所につき約5,000円~とされています。何カ所かに見積もりを取り、細かい内訳も必ず聞いておくようにしましょう。追加ばかりで終わったら高額な費用を請求されてしまったということのないよう先によく確認しておくようにします。
また、工事代を浮かそうと無資格で電気工事を行うと、罰則として30万円以下の罰金か1年以下の懲役が科せられるので自分で勝手に行うのは止めておきましょう。
照明器具の配線工事を失敗しないためには
では、工事を依頼する時にはどんなことに注意をしたらいいのでしょうか。
まず、工事中に追加や変更をしなければ、見積もり通りの金額になります。
しかし、工事が始まってから「やっぱりここにスイッチがあるほうがいい」「こっちに移動したほうが使いやすい」ということになると、追加や変更となり、当然、その分が追加されてしまいます。
少しでも抑えたいと思っていたのに、結局、かなりかかってしまったということにもなりかねません。
そうならないためには、実際の使用感をイメージしながらプランを立てるようにすることが重要です。不要な追加・変更を避けるためには、しっかりと場所を決めてから工事を頼むようにしましょう。
まとめ
部屋が暗いから明るくしたい! 照明器具をオシャレにしたい! と思ったら照明の替え時です。ただ、自分で取り付けができるかどうかは、天井と付けたい照明次第です。
照明の扱いは難しいように思えますが、天井に配線器具さえ付いていて、それに対応している「引っ掛け」タイプの照明器具であれば自分ひとりでも取り付けることができるのです。
いろんな照明器具があるので部屋のインテリアにこだわってみたいと思ったら、勇気を出して変えてみましょう。
もちろん、取り付けができない時は、業者に依頼するという手もあります。照明を変えれば雰囲気や作業効率も変わってくるものです。ぜひ、思いきって部屋の照明を変えて気分転換をしてみませんか。