理想的な家を建てたいと思った時、間取りや内装などにこだわろうと思う方は多いでしょう。じつは、オシャレで快適な家づくりには「照明計画」が重要です。「照明計画」とは一体何なのでしょうか。
本記事では、「照明計画」について、進め方や、お部屋ごとのポイントなども含めてご紹介します。こだわりの家づくりをしたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
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こだわりの家づくりには「照明計画」が大切
「照明計画」とは、部屋の間取りや用途に合わせて「必要な照度(明るさ)」や「色温度(光色)」「光の拡散(広がり方)」を効果的にプランニングすることです。
こだわった間取りで図面上では完璧に見える部屋や、インテリアがおしゃれな部屋であっても、「照明計画」と合っていなければ、ちぐはぐな印象になってしまいます。
例えば、木目調のカラーやインテリアを取り入れた温かみのある部屋に、蛍光色の青白い光の照明器具を使ってしまうと、寒々しい印象になり、せっかくのインテリアが台無しですよね。また、洗面所や書斎など一定の明るさが求められる場所で、ぼんやりと灯る光を使うと、顔や手元などが見えにくくなってしまいます。
このように、その部屋を使う目的に合った照明を選ぶことは、快適に生活することにも大きくつながるのです。部屋の用途や雰囲気に合った照明器具を選ぶことで、雰囲気や居心地も格段にアップできますよ。
照明計画の立て方
失敗のない照明計画を立てるには、ステップごとに順を追って進めることが大切です。
具体的にはどのようなステップがあるのでしょうか。
➀どのようなテイストの部屋にしたいか決める
具体的な照明計画を立てる前に、「どのようなテイストの部屋にしたいか」という点を決めることがポイントです。新築の場合、家全体のテイストはなんとなく決まっていることが多いと思いますが、各部屋ごとにテイストをはっきりと定め、それに合わせて照明を決めると、より理想的な部屋を作ることができます。
例えば、「北欧風のシンプルで温かいイメージ」「カフェのようなナチュラルでオシャレな印象」「スタイリッシュな和モダン」「無骨なブルックリンスタイル」など、さまざまなテイストがありますよね。どのようなイメージが良いのか悩んだ時には、インテリア雑誌やwebサイトなどを参考にすることをオススメします。
テイストが決まったら、それに合う照明を考えていくという流れになります。
②部屋の用途を考える
部屋のテイストを決めたら、部屋の用途をしっかり考えます。部屋により、ゆっくりくつろいだり、作業をしたり、インテリア的な要素を強く持っていたり、用途が違うもの。照明計画を立てる際には、部屋の用途に合った照明器具を適切に選ぶことが重要です。その部屋でどのような過ごし方をするのか、何が目的の部屋なのかという点をじっくり考えましょう。
もしも、まだ用途がはっきり決まっていない部屋がある場合は、その都度用途に合わせて光色や光の角度などを変えられる汎用性の高いライトをつけておくことをおすすめします。
③照明のイメージを固める
部屋のイメージと用途が決まったら、どのような照明器具をつけるのか、具体的に考えていきます。例えば北欧風の部屋にしたい場合、照明器具も北欧風のデザインで、全体を明るく照らす温かみのある光が向いていますよね。また、ブルックリン風の部屋にしたい場合は、直接的な光を間接照明に使い、無骨な雰囲気を演出すれば効果的でしょう。
このように、照明のイメージを決めるには「光色」「照度」「光が照らす範囲」の3つの視点で選ぶことがポイントです。
○光色
照明器具の光色には白色、昼白色、電球色などさまざまな色があるので、作りたい部屋のイメージに合わせて選びます。基本的には1色ですが、照明器具の種類によって、光色をスイッチで切り替えられるものもあります。気分やシチュエーションによって変えられるのは便利ですよね。
○照度
照度により、見やすさや目の負担が大きく変化します。暗い部屋で小さい文字を読むと目が疲れるのは、まさに「照度」の問題です。照明器具の明るさは「lx(ルクス)」という単位で表され、この数字が大きいと明るく、精密な作業などの際に目に負担をかけないと言われています。文字を読んだり仕事や勉強をする部屋は一定以上明るい方が良いでしょう。
しかし、寝室などは明るすぎるとリラックスできません。そのような場合は照度の低いものを選ぶ必要があります。
○光が照らす範囲
照明器具は形状によって光が照らす範囲が異なります。イメージしている部屋には、どのような範囲で光を当てたいか、という視点でも考えておくことが大切です。
全体を照らすものやピンポイントを照らすものなどさまざまですが、同じ種類のライトでも商品によって照らす範囲は違うので事前に確認しましょう。
④照明の種類を決める
イメージする部屋にぴったりな光の種類が決まったら、いよいよ実際の照明器具選びを進めていきます。照明器具は非常にたくさんの種類があるので、どれにしようか悩んでしまうと思いますが、デザインやサイズ、ブランド、金額などの中から、自分なりの基準を作って選ぶと決めやすくなりますよ。
照明器具と一言に言っても、シーリングライト、ダウンライト、スポットライト、ペンダントライトなど、さまざまな種類があるので、それぞれの特徴を押さえ、前述した➀~③までで決めたイメージに合うものを選択してください。
⑤配置を考える
使用する照明器具が決まったら、配置や配線を考えます。実際の生活動線を想像して、照明のスイッチがあると便利な場所や、頭をぶつける心配がないか等、いろいろな方向から考えましょう。
照明器具の種類によっては、天井や壁などの工事が必要な場合も。後からでは行えない工事もあるかもしれないので、照明計画は、家自体の設計と並行して進める必要があります。
部屋別!照明選びのポイント
こだわりの家づくりを進めるにあたり、部屋の用途によってふさわしい照明器具を選択することが大切です。部屋ごとに、効果的な照明計画を進めるポイントを紹介していきます。
○リビングダイニング
リビングは、時間帯やシチュエーションによって光の色を変えられるものをおすすめします。例えば、家族全員が揃っている時やゲストがたくさんいる時などは明るく、夜にゆったり過ごしたい時は灯りを落とすといった使い方ができるからです。
また、ダイニングテーブルを明るく照らしたい場合はテーブルを配置する付近の天井に明るい色の照明器具を付けるなど、照明器具と家具の配置を一緒に考えると失敗しにくいですよ。
○寝室
寝室はリラックスするために、あまり明るくない光色の照明器具を使いましょう。フットライトやスタンドライトなどの間接照明も使うと、直接光が当たらないので眩しくありません。
リモコンで調光やスイッチのオンオフができるタイプであれば、寝転んだまま操作できるので便利です。
○キッチン
キッチンは大きさや間取りによってどんな照明を設置するか異なります。独立型の部屋だったら、ベースライト・ダウンライト・シーリングライトがおすすめです。今流行りのアイランドキッチンなどのオープンキッチンでは、ペンダントライト・スポットライト・ダウンライト・シーリングライトなどをおしゃれに組み合わせて設置する方が増えています。ペンダントライトはガスコンロ付近に設置しないように注意しましょう。
○玄関
玄関は屋外と部屋をつなぐ空間なので、外と比べて極端に明るすぎないように注意しましょう。内玄関の明るさは大きさによっても異なりますが、だいたい100ルクスぐらいを目安にして、オレンジっぽい光の電球色の照明器具を使うことをおすすめします。
また、フットライトなど低い位置に間接照明を使うことで華やかな印象をプラスするという方法も。人感センサー付きのライトを採用すれば、夜間に帰宅した際や、両手が荷物でふさがっている時などに、すぐに明るく照らしてくれるので便利です。
シンプルな華やかさを追求したシャンデリア
昔から使われてきたロウソクを立てるための台「燭台」をモチーフとしたデザイン。どこか懐かしさを彷彿とさせ穏やかな心地にしてくれる癒やしと、シャンデリア特有の派手さを抑えたシンプルかつ上品で大人っぽい雰囲気にします。
まとめ
オシャレで理想的な家にするためには、段階を追ってしっかり「照明計画」を立てることが大切です。作りたい部屋のイメージを具体的に考え、それに合った照明器具を選んでいくと失敗が少なく進められます。
こだわりの家づくりのためには、家の間取りなどを考える初期の段階から、設計士さんと照明計画も同時に進めておきましょう。後から「この部屋の照明は本当はこんな風にしたかった」などという後悔のないよう、じっくり考えてみてくださいね。