住宅の照明は暮らしを快適にするだけでなく、インテリアとしての役割も担っています。しかし、目的や用途に応じて選ばないと、快適さやインテリアとしての魅力を十分に得られません。そこで、今回はさまざまな照明の中から天井照明に的を絞り、種類や設置する際の注意点について解説します。おすすめの商品5点も紹介しているので、天井照明選びの参考にしてください。
アシメントリーでおしゃれな6灯のLEDシャンデリア GCH003-6
緩やかな放物線を描いたアームの先に真球ガラスがついたシャンデリア。空間を華やかに演出します。真鍮メッキと乳白色ガラスの組み合わせにより、高級感の中に安らぎを感じさせます。
天井照明の特徴と器具の種類
シーリングライト
シーリングライトはリビングや和室、寝室に設置されることが多い天井照明です。天井に直付けするため、高い位置から部屋全体をまんべんなく照らし、主にメイン照明として使用されています。天井近くに設置するシーリングライトは空間をすっきり見せる効果があり、圧迫感もありません。
シーリングライトには丸形、角型、薄型のほかに、セードを使ったもの、複数の電球がついた多灯タイプ、ファン付タイプ、シーリングスポットライトなどの種類があります。
LEDシーリングライトはリモコンで電源のON・OFF、調光や調色、タイマー設定できる製品があり、手元で簡単に操作可能です。さらにスピーカー対応、スマートスピーカー対応、空気を循環させるサーキュレーターなど多機能タイプも登場しているので、必要な機能のものを選んでみてください。
ダウンライト
ダウンライトは複数のライトを、一定間隔で天井に埋め込んで配置する天井照明です。照明器具が目立たないため、お部屋の雰囲気を壊すことなく、空間をスッキリとした印象に見せてくれます。
廊下や納戸、リビング・ダイニング、寝室などに設置されていますが、広い空間で必要な明かりを確保するには、シーリングライトやペンダントライトなどの併用が必要です。
ダウンライトは電気工事が必須になり、新築やリフォーム時に設置する場合は早めに計画を立てておきましょう。
インテリア性を兼ね備えた天井照明
シーリングファンライト
照明と空気を循環させるファンを兼ね備えたシーリングファンライトは、主に天井高のあるリビングに使用されています。ファンやセードのデザインの種類が多彩なので、インテリアの1つにもなる天井照明です。
ただし、天井高がある部屋での使用は、手元の明るさが足りない場合があります。フロアライト、デスクライトなどの照明を追加してください。また天井高が低い空間では部屋が狭く見えたり、圧迫感を与えたりしてしまいます。照明と空気の循環が目的の場合は、ファンが小さなサーキュレーター機能付きシーリングライトも検討してみましょう。
シーリングスポットライト・スポットライト
1本のレールに複数のスポットライトを取り付けた天井照明で、キッチンやダイニング、リビング、寝室などの空間に適しています。照射範囲は限定されますが、スポットライトの角度を調整すれば、壁面を照らして光を反射させる間接照明として、空間に明暗を意図的に作り立体感を持たせるなどの使い方が可能です。絵画やオブジェ、観葉植物などを照らして目立たせたい時などシーンに応じて使えるのが魅力です。
ペンダントライト
天井からコードで吊り下げるペンダントライトは、インテリア性に優れた天井照明です。デザインの種類が豊富にあるため雰囲気で選びがちですが、素材や形、色によって光の明るさや広がりは変わるため、吊り下げる場所に応じたものを選んでください。
ダイニングやキッチンカウンター、リビング、寝室、吹き抜けなどに設置されることが多いですが、それぞれ吊り下げる高さは異なります。どれくらいの高さに吊り下げるのか、シチュエーションに応じてコードの長さを調整しましょう。
シャンデリア
複数の光源を持つ多灯タイプの天井照明です。装飾性の高さが魅力なので、人が集まることの多いリビングや吹き抜けに設置すれば、おしゃれな空間を演出できます。
コーブ照明
コーブ照明は照明器具ではなく、折り上げ天井の内部に蛍光灯などの光源を設置して、天井に光を反射させて照明にする方法です。空間を広く見せ、奥行きをもたせる効果があり、リラックスしたいリビングや寝室に向いています。ただし、コーブ照明は天井工事と費用の負担が必要です。
天井照明の光源の種類
光源の種類
家庭用の天井照明には白熱電球、蛍光灯、LEDの3種類の光源が使われており、それぞれ特徴があります。
白熱電球
内部のフィラメントに電流を通して発生した熱で発光する仕組みです。消費電力の単位はワット数(w)で表し、数値が大きくなるほど明るくなります。白熱電球にはクリア(透明)タイプとフロスト(乳白色)タイプの2種類で、特徴を知って選ぶようにしましょう。
クリア(透明)タイプはセードの影がはっきりときれいに出るのが特徴です。透明な電球からフィラメントが見えて眩しさを感じる場合があります。
フロスト(乳白色)の電球表面からは柔らかな光が放たれ、セードの影は天井や壁にぼんやりとした形となって映ります。フィラメントが直接見えないため眩しさは抑えられます。
蛍光灯・蛍光電球
蛍光灯は内部に封入された水銀蒸気の中を、 放電された電子が飛ぶときに紫外線が発生します。この紫外線が蛍光塗料に当たって発光する仕組みです。以前の蛍光灯はワット数表記でなく「形」で表示していました。たとえば30形は30wの消費電力(明るさ)の意味です。形は大きさの区分を表したものですが、省エネタイプが主流となった現在では32形では30wと表記されています。
蛍光灯の光源は影ができにくく、光が拡散されやすいのが特徴です。蛍光灯の種類によっては、電源を入れてからフル点灯するまで、ほかの光源よりもやや時間がかかるものがあります。
LED電球
LED(発光ダイオード)は電圧によって発光する半導体の一種で、これを利用したのがLED照明です。明るさの単位はlm(ルーメン)で表し、数値が大きくなるほど明るくなります。
LED電球の最大の魅力は何と言っても、省エネ・長寿命の点でしょう。明るさが同じでも、LEDの消費電力は蛍光灯の約3分の1、白熱電球の約 8分の1程度です。
3種類の光源の寿命を比較すると、白熱電球は約1,000〜2,000時間、蛍光灯は約6,000〜12,000時間に対し、LED照明の中には光源寿命が約40,000〜60,000時間の器具があり、白熱電球の約40倍、蛍光灯の約4倍以上長持ちします。(※40,000時間のLEDを1日10時間点灯、年間3,000時間点灯した場合)
ただし、照明器具の種類によっては光源寿命が40,000時間ないものもあります。
また、LED電球は紫外線がほとんど含まれないため、虫が寄り付きにくく、LED照明に照らされた絵画の劣化も起こしにくいのがメリットです。
「種類別」天井照明を取り付ける時の注意点
天井の配線器具
天井照明を設置する前に、引掛けシーリングや引掛けローゼットなどの配線器具が天井に設置済みか確認しましょう。配線器具には複数の形状があるため、説明書やメーカーのホームページなどで事前の確認が必要です。設置済みで照明器具の形状と合致する場合は、ご自身で簡単に取り付けられます。天井に配線器具がない、配線が剝き出しになっているなどの場合は電気工事士による工事が必要です。
配線器具の耐荷重の確認
引掛けシーリングで5㎏まで、引掛けローゼットは10kgとされています。取り付けたい照明器具の重量にも注意しましょう。
天井の形状
天井照明は水平な形状の天井に設置します。傾斜した天井や特殊な形状の天井については設置できない場合があるため、電気工事店に確認してください。
電球の口金サイズ
電球の口金と差し込むソケットのサイズが合っていないと使えません。電球の口金サイズはE26口金(直径26mm)、E17口金(直径17mm)などの種類があり、それぞれ同じ口径のソケットに差し込んでください。
さまざまな天井照明の種類からおすすめ5選
アシメントリーでおしゃれな6灯のLEDシャンデリア GCH003-6
真鍮メッキのアームが描く曲線が美しい6灯のシャンデリアです。支柱を中心にアシンメトリーに配置された3本のアームの先には、直径10cmの球体が可愛らしい乳白色ガラスがついています。360°可動するアームをお好みの形に変えることで、消灯時は空間に浮かぶ乳白色ガラスのリズミカルな姿の変化を楽しめ、点灯時にはシャンデリアの陰影が異なる印象になって現われます。明かりが足りない場合はダウンライトやフロアライトをプラスしてください。
白い布セードが印象的な5灯LEDシャンデリア GCH001-5SD
燭台をイメージさせる上品で落ち着いた雰囲気の5灯シャンデリアです。布セードから漏れる電球色は天井を照らし、その反射光が室内をほんのりと明るくします。ゆっくり落ち着きたいリビング、寝室にも良いですが、自然な色彩に見せる演色性の高いLEDライトなので食事を取るダイニングにもおすすめです。必要な明るさを確保するために、ダウンライトやフロアライトなどの併用をおすすめします。
洋館にぴったりな8灯LEDシャンデリア GCH001-8SD 引掛けシーリング
消灯時はシックな雰囲気、点灯時は華やかな印象に変わる8灯シャンデリア。ブロンズメッキが施された8本のアームは燭台をイメージした形状で、オレンジがかった電球色の明かりはろうそくの炎を思わせ、落ち着いた空間を演出します。シャンデリアの全長は480〜1400mmあり、設置したい場所に応じて調節できます。電源コードはフランジに収納できるため、見た目もすっきりとした印象です。
切子ガラスと布シェードの組み合わせ 6灯切子シャンデリア KRI002B(R)
透明なガラスに美しい模様を施した切子ガラスが目を引く6灯シャンデリアです。切子ガラスの色は青と赤の2種類。布セードを通した電球色の明かりは、柔らかくお部屋を照らします。シャンデリアの全長は700〜2000mmあり、付属のアジャスターで長さの調整が可能です。明るさの確保にはダウンライトやフロアライトなどの照明を使用してください。
スフィアシリーズ 球状ランプ5灯付きシーリングライト MCL010W(B)-5 間接光
直径10cmの乳白フロストのガラスグローブが5灯ついたシーリングライトです。アームの色は白と黒の2種類あり、天井の色とマッチするほうをお選びいただけます。乳白フロストを通した電球色は柔らかい光となり、見上げても眩しくありません。本商品は間接照明としての明るさのため、ダウンライトやフロアライトなどをプラスしてください。
まとめ
天井照明にはシーリングライトやペンダントライトなどさまざまな種類があるため、どのような照明を求めているのかを明確にして、お部屋にマッチするものを選びたいものです。また、白熱電球と蛍光灯は生産終了の流れが進み、LED照明が主流になってきました。LED照明によって多機能でデザインが豊富な商品も増えており、上手に使って天井照明のある暮らしを楽しんでください。