足元や枕元を照らす照明として、空間の雰囲気作りにも役立つブラケットライト。今後の節電を意識して、既存の白熱電球や蛍光灯からLED電球への取り替えを検討している方も多いのではないでしょうか。そこで、今回はブラケットライト60wを一例に、LED化する時のメリットと注意点について解説します。おしゃれなLEDブラケットライト3点も併せて紹介しているので、交換時の参考にしてください。
目次
ブラケットライト60wをLED化するメリット
ブラケットライトとは
ブラケットライトとは壁に取り付ける照明器具のこと。内玄関、階段、廊下、トイレのほかに、リビングや寝室の補助的な照明として使われています。また、壁を照らすことで、壁面の質感を強調したり、空間に陰影を作って立体感を出したりする間接照明としても役立ちます。ブラケットライト本体のデザインも豊富で、空間のアクセントにもなる照明です。
照明をLED化するメリット
省エネ・長寿命で節約になる
LED電球に交換する目的の1つが電気代の節約です。白熱電球をLED電球に交換すると電気代は6分の1、蛍光灯と比べると約2分の1になります。
1日8時間点灯させた場合の電球の寿命は、白熱電球は1,000〜2,000時間(4〜8か月)、蛍光灯は6,000〜12,000時間(2〜4年)、LED電球は40,000〜60,000時間(14〜21年)。LED電球の寿命は白熱電球の約20倍以上、蛍光灯の約3倍以上になるのです。LED電球の中には寿命が40,000時間以下の商品もありますが、省電力・長寿命なので節電・節約に繋がります。
白熱電球の単価はLED電球と比較すると安価な点が魅力です。しかし、数か月に1度の交換時期がくることを考えると、1度取り付ければ約10年以上長持ちするLED電球のほうが結果的にお得になります。
突然の球切れがない
LED電球は白熱電球のように突然球切れしたり、蛍光灯のようにチカチカ点滅した結果点灯しなくなることはありません。LED電球の場合は徐々に暗くなっていくのが寿命のサインですが、暗さの感じ方は人によって違いますよね。(社)日本照明器具工業会は、照明用白色LEDの寿命は「初期全光束の70%になるまでの総点灯時間」と規定しており、この70%の明るさの目安が、20,000時間、40,000、60,000時間などという数値です。設置した初期からの明るさから徐々に暗くなりますが、20,000時間、40,000、60,000時間が経過したからといって、断線や故障などの特別な理由がないかぎり、突然点灯しなくなることはありません。階段や廊下などに設置することの多いブラケットライトは、突然点灯しなくなると、足元が暗くなって危険です。さらに、高い位置に設置したブラケットライトの場合、定期的な交換の手間もかからない点も大きなメリットですよね。
直ぐに点灯する
LED電球は電源を入れてから点灯時間が早く、内玄関、階段、廊下、トイレなど、直ぐに明かりが欲しい場所におすすめです。蛍光灯の多くは短時間で電源のON・OFFを繰り返すと寿命が短くなるものがありますが、LED電球にはその心配もありません。
LED照明器具の調光・調色機能
調光機能とは光の明るさを調節する機能のことで、就寝前の空間の明るさを落としたい寝室などにあると便利な機能です。明るさの調節は省エネにも繋がります。
調色機能は光の色を調節する機能のことです。LED電球には主に、青みがかったすっきりした光の「昼光色」、自然光に近い「昼白色」、オレンジ系の温かな光の「電球色」の3種類があり、ブラケットライトの設置場所に応じて光の色を使い分けると暮らしの質が向上します。
たとえば、トイレにはリラックスできる電球色で、ブラケットライト60wや40wの明るさのLED電球が適しています。ただし、トイレ掃除で汚れを確認したい場合は、自然光の色に近い昼白色にするなどしても良いでしょう。寝室やリビング、玄関などは電球色にすることで、落ち着きのある空間を演出できます。
紫外線をほとんど含まない
LED電球は白熱電球や蛍光灯のように触れても熱さは感じません。また、紫外線をほとんど含まないLED電球は、紫外線に当たると劣化しやすい絵画などの美術品を引き立てる間接照明としても使えます。紫外線に引き寄せられる虫が集まりにくいため、外玄関に設置したブラケットライトは虫による汚れも防げてお手入れが楽です。
耐低温性がある
白熱電球や蛍光灯は氷点下で点灯しない場合がありますが、LEDは氷点下20度でも発光効率が低下しないため、外玄関のブラケットライトとして使用できます。
ブラケットライト60w からLED化する時の注意点
LED化する方法
LED照明器具本体を交換
LED電球と照明器具が一体型のモデルはコンパクトでデザイン性に優れています。しかし、一体型のため、電球のみの交換はできずに照明器具ごとの交換が必要です。壁付けのブラケットライトは取り外しや交換も配線工事が必要なため、作業は電気工事士に依頼してください。
既存の照明器具でLED電球に交換
蛍光灯を使用している照明器具にLED電球を取り付ける場合は電気工事が必要です。照明器具本体の購入費用を削減できるメリットがあります。
LED電球のみ交換
LED電球に対応できるご自宅の照明器具に取り付ける方法です。工事や照明器具本体の購入費用を削減できますが、照明器具が耐用年数を越えている場合は発火などのリスクがあるため、確認してからLED電球を取り付けるようにしましょう。
口金サイズの確認
ブラケットライト60wにLED電球を取り付ける時は、まず口金サイズを確認しましょう。口金とは電球の根元の金属部分のことで、その直径の大きさが口金サイズです。電球のパッケージには口金サイズが直径26mmの場合はE26、17mmはE17などと記載されているため必ずチェックしましょう。ちなみにE26は一般電球タイプに多く、小型電球のE17は間接照明やダウンライト向けの電球向けサイズです。口金サイズと照明器具のソケットのサイズが合致しないと、LED電球は取り付けられないため注意しましょう。
電球の形
一般的な電球には、白熱電球、シリカ電球、ボール電球、小型電球(ミニクリプトン電球)などさまざまな形があります。取り替えるLED電球も既存の電球と必ず同じ形状にしてください。
光の広がり方の違い
LED電球は光の広がり方の違いによって主に「全方向」、「広配光」、「下方向」の3つのタイプがあり、使用器具や設置場所に合わせて使います。「全方向」は光が空間全体を明るく照らすため、明るくしたい場所や人が集まるリビングなどに設置するシャンデリアなど向けです。「広配光」は一定の空間を明るく照らせる電球なので、お部屋、寝室、玄関などに設置したブラケット照明器具に適しています。「下方向」は電球の直下を集中して照らすタイプで、トイレや廊下などのダウンライトやスポットライトなどへの使用がおすすめです。
「ワット(w)相当」表記に注意する
LED電球のパッケージに書かれた「〇〇w相当」とはどういう意味なのか迷ったことはありませんか。
一般的には白熱電球のワット(w)を明るさの目安にしています。しかし、「ワット(w)」は明るさの単位ではなく消費電力を表す単位です。消費電力が大きくなると明るくなることから明るさの目安になっているのです。ただし、LED電球の場合は消費電力=明るさではありません。消費電力が8.2wと少なくても、白熱電球60wと同程度の明るさになります。そこでLED電球のパッケージには「40W相当」「60W相当」などと記載し、白熱電球の40W相当、60W相当の明るさがあると表記しているのです。では、LED電球の明るさの単位はどう表すのでしょうか。LED電球の場合は光源から放出される光の量の単位「ルーメン(lm)」で表し、数値が高くなるほど光の量も多くなるため明るくなります。
白熱電球40wの明るさはLED電球にすると485lm以上、60w明るさのLED電球は810lm以上が目安です。たとえば、ブラケットライト60w(E26口金)のLED電球を購入する場合は810lm以上が適しています。ルーメン(lm)の数値がわかりにくい場合は、パッケージの「60w相当」を確認して購入しましょう。
設置方法
壁付けのブラケットライトは配線工事が必要になるため、電気工事士の資格をもった方でなければ作業はできません。新築やリフォーム予定のある方向けで、設計段階から計画するようにしましょう。配線工事が不可能な賃貸でも、コンセント式のブラケットライトなら設置可能です。
浴室や洗面所にLED電球を使う場合
LED電球は比較的熱に弱い性質を持っています。浴室や洗面台で使用するような密閉型のカバーで覆われると、LED電球は放熱できないため、高熱になりやすく、故障の原因になる場合があります。密閉型の照明器具に取り付ける場合は、パッケージに記載された「密閉型器具対応」のLED電球を必ず選んでください。
LED電球が調光器対応かどうか確認する
調光機能付きLED照明器具には、調光器対応形のLED電球を使用します。調光器非対応形LED電球を取り付けると故障の原因になるため注意しましょう。
ブラケットライトのおすすめ商品
スフィアシリーズ Φ65mm球状ランプが3灯ついたブラケットライトMBK037W(B)-3
直径65mmの球状をしたランプが3灯ついたシンプルでコンパクトなブラケットライト。乳白フロストガラスを通して、電球色の温かみのある柔らかな光が空間を照らします。ベース部分は黒と白の2色展開。ベース部分を縦または横に設置することでブラケットの印象が変わるため、空間のスペースや雰囲気に合わせてお選びいただけます。設置には電気工事が必要です。
ビンテージテイスト ブラケットライト GBK002
真鍮古美メッキのアームとクリアガラスセードの組み合わせたブラケットライト。ヴィンテージ風の外観と温かみのある電球色が、空間に落ち着いた雰囲気を演出します。角度調節可能なアームは絵画やオブジェを照らしたり、空間に立体感をもたせたりするなど間接照明としてお役立ていただけます。設置には電気工事が必要です。
ベッドボードブラケット本体 非調光・調光 セード別売りMBK032-DIM
ベッドのヘッドボードに直付けするブラケットライト。白色のセードとアームのデザインからは洗練された雰囲気が漂います。アームのカラーは黒色、ニッケルメッキつや消し、ブロンズメッキの3色展開。回転スイッチで簡単に調光も可能です。本商品はコンセント式で、電気工事の必要がなく、ご自身で取り付けできます。設置方法については公式ホームページでご確認ください。
まとめ
一般電球のブラケットライト60wからLED電球に取り替えることで、節電・節約以外にもさまざまなメリットがあります。取り替え時の注意点を守り、ブラケットライトを上手に使って快適な暮らしを実現しましょう。