一般家庭でも手軽に始められる家庭菜園として人気のある水耕栽培。畑のように土を使わず水で育てる水耕栽培は、その見た目からインテリアとして楽しむこともできます。
でも、水耕栽培で野菜や植物を育てるのは難しそうと諦めていませんか?まずは水耕栽培できる植物と育て方を見てみましょう。
それでは、インテリアにもなる水耕栽培の楽しみ方をご紹介します。
目次
水耕栽培とは
土との違い
土を使った栽培は、土耕栽培といいます。植物は根から土に含まれる水や養分を吸収します。
一方、水耕栽培は、土を使わず水と液体肥料(養液)だけで植物を育てる栽培方法です。植物の根の部分を養液に浸すことで、水、養分、酸素を根から吸収します。
水耕栽培のメリット
水耕栽培は土を使わないため、土の中からくる害虫被害を抑えることができます。
また、土を使わないため病気にもなりにくいです。そのため、野菜を無農薬で育てることができます。大変な土作りの手間もありません。
おしゃれな容器に入れて並べれば、インテリアとして飾ることもできますよ。
水耕栽培のデメリット
どんな植物でも水耕栽培ができるわけではありません。水耕栽培しやすい植物と難しい植物があります。初心者は簡単なものから始めましょう。
室内で長い時間日光に当てることは難しく、日光不足で育ちが悪くなってしまうこともあります。その場合は、植物栽培用のLEDライトで育てる方法なら日光不足を防ぐことができますよ。
水耕栽培におすすめの植物
球根の花
・チューリップ
球根の花として有名なチューリップ。春の代表的なかわいらしい花ですよね。赤・白・黄色だけでなく、様々な色や種類が楽しめます。花弁が大きく色鮮やかなので、一つあるだけでも部屋がパッと華やかになりますよ。
・ヒヤシンス
いくつもの小さな花がまとまって咲くヒヤシンス。紫やピンクなどが定番色ですね。部屋の中に爽やかな香りを放ってくれます。
・ムスカリ
スズランのような小花をびっしりと連ねて咲かせるムスカリ。スタイリッシュで可憐な花です。爽やかなブルーが代表的。
・スイセン
黄色いラッパのような形のスイセン。生花としても人気があり、和の空間にも合う花です。
多肉植物
ぷっくりとした葉がかわいらしい多肉植物も水耕栽培で育てることができます。小さなグラスに入れて並べたらかわいいですよ。
野菜
・葉物野菜
レタスや三つ葉、水菜などの葉物野菜は水耕栽培にも適しています。外側の葉から採っていって、芯を残しておけば再度収穫することができます。採れたての野菜のサラダは新鮮で美味しいですよ。
・ハーブ
バジルやミント、コリアンダーやローズマリーなどのハーブ類は生命力が強く、初心者でも失敗しにくいです。調理に使えるものをキッチンで育てても便利ですね。
・ミニトマト
家庭菜園で人気のミニトマトも、生命力が高いため水耕栽培できます。しかし葉物野菜よりも難易度は上がります。
水耕栽培のはじめ方
水耕栽培に必要なもの
基本的に必要なものは、植物、容器、液体肥料だけです。
野菜の水耕栽培
種からはじめる方法
種から水耕栽培できる植物もあります。植物の種はホームセンターなどで購入できます。
まずは容器に3分の1程度水を入れ、2~3cmのサイコロ状に切ったスポンジに水を含ませます。それから、各スポンジに種を2~3粒まいていきます。ピンセットを使うといいでしょう。
乾燥対策として、種の上に水溶性のトイレットペーパーを置き、少し水をかけましょう。こうすることで、種の乾燥を防ぐことができます。
発芽するまでは日陰に置き、水は毎日入れ替えましょう。
発芽したら、アルミホイルを巻いた水耕栽培容器に移します。直射日光を避けた明るい場所に置いてください。
苗からはじめる方法
土で育った苗を水耕栽培で育てることもできます。苗から育てることで、種から育てるよりも早く収穫を楽しむことができます。ただし、土には害虫や病原菌が潜んでいる可能性があるため、よく洗う必要があります。
まずはポットから苗を取り出し、土を洗い落とします。この時、根を傷つけないように注意しながらやさしくほぐすように洗いましょう。
根の下の3分の1程度が水に浸かる水位にして、新しい根が出てくるまで日陰に置きます。根が水に浸からない部分をつくることで、根から酸素を吸収できるようにしてあげます。また、根の先を水に少ししかつけないことで、根が水を求めて伸びることを促します。
新しい根が出てきたら、アルミホイルを巻いた水耕栽培容器に移します。ペットボトルやコップで構いません。直射日光を避けた明るい場所に置いてください。
手軽な栽培キット
手軽に始められる栽培キットもあります。小型のものから大型のものまで用途によって様々な種類があります。ホームセンターでも購入できるので、買ってすぐに始められて便利です。また、LED照明がついたものは、日当たりの悪い場所でも栽培できておすすめです。
球根の花の水耕栽培
春咲きの球根は11月から12月に水耕栽培を始めます。9月ごろから売られるようになるため、その頃から準備を始めます。
水耕栽培を始める前に一度寒さに当てる必要があります。球根を新聞紙に包んで1〜2ヶ月程度冷蔵庫の中で眠らせて、冬越しと同じ環境を与えます。
冷蔵庫から出した球根はまず暗いところで育てるのがポイント。土の中だと錯覚させます。球根の下部分だけが水に少しだけ浸かる程度にします。水が濁ってきたらすぐに綺麗な水に替えましょう。
根が出てきたら球根には水が浸からないようにします。根の先端が水に浸かるようにして、水は一週間に一度くらいの頻度で交換します。
発芽後は日当たりのいい場所に置きますが、日光で水が熱くなりすぎないように直射日光は避けましょう。球根には栄養がたっぷり入っているため基本的に肥料はいりません。
多肉植物の水耕栽培
多肉植物を水耕栽培する場合は、土用の根から水耕用の根に変えてあげる必要があります。
最初に根元をカットして、2、3日程度日陰で乾燥させます。それから、綺麗な水につけてあげれば準備完了。
球根と同じく、茎の部分は濡らさず根の部分だけが水に浸かるようにします。一週間に一度くらいの頻度で水替えをしましょう。
水耕栽培の楽しみ方
観察する
水耕栽培は土耕栽培とは違って根の張る様子を観察して楽しむことができます。
水上の様子だけでなく、根が伸びていくところまで見ることができるので、毎日成長していく姿が見られて楽しいです。写真を撮ったり絵日記にしたりと、成長記録をつけても楽しめます。
様々な容器に入れてインテリアに
様々な容器に入れてインテリアとして楽しむことができます。
同じ容器ではなく、大小様々な違った形の容器に入れて並べてもおしゃれです。球根の水耕栽培用のガラス花瓶は、安定感もあり根の様子もよく見えます。
家にあるグラスや空き瓶を使っても楽しめます。球根のおしりがピッタリと合うものがいいです。
口の大きな容器の場合は、底に石やビー玉などを敷くことで水位を調節できます。大きな器に複数寄せ植えすることもできます。
増やして楽しむ
ハーブやポトスやパキラなどの観葉植物は、水耕栽培で増やして楽しむことができます。部屋をグリーンでいっぱいにして、癒しの空間をつくってみてはいかがでしょう。
水挿ししたい植物の新しい枝を10cm〜20cm程度切り取って、水につける部分の下葉をとります。切り口ははさみで切ったままではなく、カッターで斜めにカットするといいです。
水を入れた容器に枝を挿し、倒れないように安定させます。毎日水を取り替えて、明るい日陰で管理しましょう。
まとめ
土を使わず清潔に植物を育てられる水耕栽培の楽しみ方をご紹介しました。
水耕栽培は、家庭菜園としてもインテリアとしても楽しむことができます。成長を観察したり、お気に入りの容器に入れて飾ったり、増やして楽しむこともできますよ。
お気に入りの植物を水耕栽培で楽しんでみてはいかがでしょうか。