リフォームというと家の中のリフォームが注目されがちですが、ベランダやバルコニーについても劣化や利便性の改善という観点でリフォームを考えてみるべきでしょう。
「ベランダを防水加工したい」、「ベランダを増設したい」、「バルコニーに屋根を付けたい」など色々な希望があると思いますが「費用がどのくらいか」という悩みも出てきます。こちらではベランダ・バルコニーのリフォームについてリフォーム内容とその費用についてご紹介していきます。これからリフォームを検討している方はぜひ参考にしてみて下さい。
目次
<ベランダ・バルコニーリフォーム>リフォームするときのポイント
まず、ベランダ・バルコニーのリフォームについての基礎知識やリフォームする際に気を付けるポイントについてご紹介します。
ベランダとバルコニーの違いとは
ベランダ・バルコニーはひとくくりで分類され、それぞれなんとなくのニュアンスで使われていますが、それぞれの定義についてご紹介します。
・ベランダ
室外に出たとき屋根が設けられているものを「ベランダ」と言います。マンションやアパートの上階のベランダ部分が屋根となっている構造は「ベランダが備わっている」ことになります。
・バルコニー
バルコニーは部屋と外の間に設置された屋根のない解放された空間を指します。一戸建ての1階部分に設置されることが多く、1階であっても屋根があれば「ベランダ」となる訳です。
下の階の屋根を利用してつくられている屋根のないスペースは「ルーフバルコニー」と呼ばれ、ガラス窓に覆われた屋根のあるものは「サンルーム」となります。
一般的な価格相場は?
べランダ・バルコニーのリフォームで一番実績の多い価格帯は50万円以下で、防水、サビ防止などの20万円以下のメンテナンス工事がほとんどを占めています。工期も1日~2日程度で完了しますのでお手軽なリフォームと言えるでしょう。
その他ベランダの拡張や新設となると50万円~100万円くらいの費用感で約2割の方がこちらにあたります。
リフォームの際のポイントとは
・耐水・耐久性が大切
ベランダやバルコニーは室外ですので雨風にさらされています。防水・耐久性が重要となります。雨漏りの原因になることも考えられますので防水対策は万全に施しましょう。
・増築時は申請が必要
後付けのベランダや、バルコニーをサンルームにリフォームすると増築扱いとなり、「建築確認申請」が必要となります。これにより建物評価額も変わり、固定資産税の金額変更の対象となりますので注意が必要です。
確認申請は専門知識が必要なのでリフォーム業者や設計事務所に行ってもらうことになり、手数料が15万円~25万円ほどかかります。増築であっても確認申請が不要の場合もありますので専門家に確認してもらいましょう。
<ベランダ・バルコニーリフォーム>防水対策のリフォーム費用は?
ここではベランダ・バルコニーのリフォームで一番多い防水対策についてご紹介します。一般的には次の4種類の工法によって行われそれぞれ費用も変わってきますのでそれぞれの特徴と合わせてみていきましょう。
FRP防水
現在使われている材質で一番多いのがFRP(繊維強化プラスチック)です。防水性も高く、耐熱、耐久性に優れている素材となっています。費用は10万円~15万円程度で工期は1日~2日ほどで終了します。
ただし、紫外線による劣化が起こりやすく、建物の揺れによりひび割れができてしまう可能性があり、定期的な表面の塗り替えなどのメンテナンスが必要です。
ウレタン防水
ウレタンも代表的な工法のひとつで、8万円~10万円と安価に施工が可能で、どんな場所にも施工することができることがメリットとなります。
人の手で塗装するため表面の仕上げが他の工法よりきれいに仕上がりにくく、耐久性がそれほど高くないので定期的な再塗装が必要となります。
シート防水
シートでの防水は伸縮性があるので下地の亀裂などにも対応でき、費用も7万円~9万円と安価で施工できます。
デメリットとして劣化した際の交換に既存シートの撤去費用がかかるため高額となる場合があり、複雑な形状の場所では使用できないことが挙げられます。つなぎ目が目立ちやすいので人目につかない屋上のような場所で使われることが多い材質となっています。
アスファルト防水
アスファルト防水は費用が20万円~30万円と他と比べ高額となりますが、耐久性が非常に高く、20年以上メンテナンスなしでも使える場合があります。
合成繊維不織布にアスファルトを含ませシート状のルーフィングを貼り重ねる方法で、デメリットとしては、アスファルトを溶かす際に臭いが発生することや、工期が長くなることです。
<ベランダ・バルコニーリフォーム>増設リフォームの費用は?
次に考えられるリフォームとしてベランダ・バルコニーの増設リフォームがあります。こちらは既存のベランダ・バルコニーを拡張する方法と新たに新設する方法がありますのでそれぞれみていきましょう。
ベランダ・バルコニーの拡張
既存のベランダ・バルコニーを拡張する際の費用は30万円~40万円ほどとなります。これは使う素材や拡張する大きさによって異なります。
ベランダ・バルコニーは幅360㎝、奥行180㎝以上あると余裕を持って使うことができます。住宅の形状により拡張できる大きさも限界はありますので、自分の使用目的に合わせて決めましょう。
ベランダ・バルコニーの後付け
新たにベランダ・バルコニーを新設する場合の費用は45万円~60万円ほどで、デザインや大きさによって異なります。設置は窓の外なので外観に大きく関わってきます。新設する際はリフォーム業者や設計事務所の専門スタッフに相談してみましょう。
バルコニーに屋根を設置
バルコニーの屋根には「フラット型」と「アール型」の2種類があります。フラット型は直線的な形状をしており、アール型は庇側がカーブ形状となっています。
フラット型は屋根の高さを確保できるのでアール型に比べて解放感のある印象となり、アール型は雨が降った時に吹き込みにくく、降雪時には積雪が滑り落ちやすいメリットがあります。
どちらも大きさによって金額は異なりますが、10万円~20万円くらいが相場となっています。
また、ベランダ・バルコニーにガラス張りの壁や天井を設置し、サンルームにする場合は40万円~70万円くらいが相場です。
<<ベランダ・バルコニーリフォーム>その他の注意点は
リフォーム別のおおよその費用感は把握できたと思いますが、その他リフォーム時の注意点についてご紹介します。
ウッドデッキの素材
ベランダ・バルコニーを「ウッドデッキ」にする場合の素材は「天然木」と「人工木(樹脂)」の2種類があります。天然木は自然な風合いが美しく、経年変化を楽しむことができますが、定期的なメンテナンスを行う必要があります。
人工木は木粉と樹脂でつくられており、耐久性がありメンテナンスの負担が少なく済みますが、天然木に比べて材料費が高額となっています。
柵の高さ
特に2階以上の部屋にベランダ・バルコニーを設置する場合には柵の安全性が重要になります。柵の高さは110㎝以上を確保しましょう。またお子さんがいる場合は柵の近くに踏み台となるようなものを置かないようにしましょう。
老朽化による崩落の危険もありますのでメンテナンスや安全確認も怠らないことが大切です。
【まとめ】ベランダ・バルコニーのリフォームを検討しよう!
ベランダ・バルコニーは外に設置するものですので、室内より劣化も早く、老朽化による危険度も高くなります。リフォームの際に後回しにされがちですが、これからの安心した生活のためにもしっかりリフォームしておきましょう。