将来の安心のために!バリアフリーリフォームでできることについて詳しく解説

バリアフリーリフォームという言葉をご存じでしょうか?現在は高齢化社会も進み、老後の生活不安を抱えている人も多いと思います。特に住宅に関しては日々の生活の中心となる場所ですので、体力の衰えや、身体の障害による不便さは大きなストレスとなるでしょう。
こちらではバリアフリーリフォームについてどのようなリフォームができるのかをポイントごとにまとめてご紹介します。現在、また将来的にリフォームを検討されている方はぜひ参考にしてみて下さい。

バリアフリーリフォームとは?

バリアフリーリフォームとは

バリアフリーリフォームは安全や快適に過ごせる環境をつくるリフォームです。高齢になると体力や感覚の衰えにより、住み慣れた家でもつまずいてしまったり、バランスを崩し転倒してしまうことが起こりやすくなります。
国民生活センターの調査では、65歳以上の高齢者事故の8割近くが住宅内で起こっており、そのうちの4割がリビング、次に階段、キッチンと続いています。長く健康を維持するためには日常生活における身体への負担を軽減することが大切になるのです。

バリアフリーリフォームが必要な人とは

現在以下のような事例を経験した事のある人はバリアフリーリフォームを検討しましょう。

・段差でつまずくことが多い
・階段の上り下りがつらくなってきた
・浴室で転倒しそうになった
・部屋の出入口が狭く入りにくい
・歩く際に補助(手すり)が欲しいと思うことがある
・車いすの利用が必要になる可能性がある

このなかで1つでも当てはまるようならバリアフリーリフォームを考えるべきでしょう。バリアフリーが必要になってからではなかなか進められなかったり、さらに重い障害を負ってしまうこともあります。自分だけの問題でなく介護が必要になった場合、介護をする人も安心してくらせるリフォームが必要なのです。

基本的なバリアフリーリフォーム

ポイント

まず、バリアフリーリフォームの基本となるポイントについてご紹介します。大がかりなリフォームを行う前に、必要なバリアフリー化がどのようなものか把握し、部分的なリフォームでの対応が可能かどうかも判断しておきましょう。

手すりの設置

階段や、ちょっとした段差でもバランスを崩しやすい場合は手すりの設置を考えましょう。設置には壁の下地工事が必要であったり、場所や設置する高さ、使いやすい形状を選ぶなど施工業者のアドバイスを参考に、使う人に合わせることが大切です。

段差の解消

足腰の弱い人にはちょっとした段差もつまずく原因となりますので廊下と部屋の仕切りなどにできるだけ段差のない状態をつくりましょう。スロープの設置、床のかさ上げなどの方法があります。

床材の変更

床材も経年により劣化します。リフォームの際は転倒によるケガや骨折を防ぐためすべりにくい床材を選びましょう。特にキッチンや洗面所など水を使用する場所では劣化も転倒も多いのでノンスリップ加工されたものを選ぶと良いでしょう。

照明器具の変更

高齢になると視覚も低下します。今まで見えていたものが見えづらくなり、読書の際に小さな字が見にくかったり、段差が分かりにくく転倒してしまう恐れも考えられます。
加齢による視覚障害として

・明るい場所から暗い場所へ移動した際の視力回復に時間がかかる
・明るい場所でも暗く感じる。眩しいものがより眩しく感じる
・青色や緑色が認識しにくく、グレーっぽく感じる

といったものが挙げられます。照明器具も人感センサー付き照明で明るさの均一化を図ったり、主照明の他に補助照明を付けるといったリフォームがおすすめです。

扉の変更

扉には「引き戸」、「開き戸」、「中折れ戸」という種類がありますが、車いすなどの利用では開き戸より引き戸の方が開閉しやすいです。開けたときの引き込みスペースが必要になり、コストもかかりますが、バリアフリーリフォームを考えるのであればできるだけ引き戸を採用すると良いでしょう。中折れ戸は浴室で使われることが多く、開閉スペースを取らないので狭い部屋に適しています。

エリアごとのバリアフリーリフォーム

基本的なリフォームとして部分的なリフォームについて解説しましたが、ここからは住宅をエリアごとに分けて考えていきましょう。それぞれのエリアでポイントとなる部分をまとめましたのでご紹介します。

玄関のリフォーム

・段差の解消
玄関では靴を脱いで上がる部分に段差をつくることが多く、足腰の弱い方には一段であっても困難となる場合があります。できるだけ段差をつくらず、設計上どうしても段差ができる場合には一段の高さを低く抑えられるように式台の設置を考えましょう。
また、車いすを使う場合にはスロープが必要になります。一般的にスロープの長さは高さの8倍と言われており、20㎝の段差がある場合は160㎝の奥行きが必要となります。

・手すりの設置
玄関では靴を履いたり脱いだりしますのでバランスを崩しやすくなります。転倒防止のためにも手すりの設置を行いましょう。

・ドアの変更
ドアが開き戸の場合、引き戸への変更も検討してみましょう。扉のスペースが必要になりますが、車いすの場合幅が75㎝程度必要となりますので、玄関扉の広さが150㎝以上取れれば引き戸への変更が可能となります。
段差解消のためにレールのない吊りタイプの引き戸も選択することができます。
足元照明の設置
足元が見えにくいと転倒の危険が高まります。人感センサー付きの照明を設置しておきましょう。

・モニター付きインターホン
来客の際に都度玄関先まで移動するのは非常に危険です。セールスや悪質な勧誘への対策としてモニター付きインターホンの設置を検討しましょう。

・床材の変更
玄関は雨の日に濡れてしまいやすく、滑って転倒してしまう恐れがあります。玄関の床材は乾きやすく、滑りにくいものを選びましょう。

廊下・階段のリフォーム

・手すりの設置
廊下・階段は部屋から部屋への移動スペースです。足腰への負担をできるだけ避けるためにも手すりの設置を検討しましょう。
まだ手すりは必要ないという方は壁の下地補修だけでも行っておくと手すりの取り付けの際に作業がスムーズに行えます。

・廊下幅の拡大
車椅子での移動には最低75㎝の幅が必要となります。移動がしやすいように廊下幅の拡張も考えてみましょう。特に手すりを設置した廊下の場合、手すりに接触し、ケガをすることも考えられます。余裕のある幅を確保しておきましょう。

・段差の解消
廊下から部屋への段差はわずかでも危険となりますので、できるだけフラットになるように設計しましょう。どうしても段差ができる場合はスロープをつけるなどの対策が必要です。

・階段の設計変更
階段の昇り降りが安全に行えるように設計の見直しを行いましょう。古い戸建ては階段が急で踏み板の幅が狭いものが多いので昇り降りがしにくい場合があります。踏み板は幅を21㎝以上確保し、一段の高さは23㎝以下に抑えましょう。
また直線的な階段は万が一転倒した場合、一気に下まで落ちてしまうので踊り場を設けるU字型の階段がおすすめです。
踏み板の滑り止め対策も忘れずに行っておきましょう。

・床材の変更
床材は耐久性や汚れにくさからフローリングが一般的になっていますが、足腰の負担を軽減できる弾力性のある「コルク材」やカーペットの利用も検討してみましょう。

・照明の追加設置
玄関と同様に照明の追加もおすすめします。夜中にトイレに行くこともあると思いますので人感センサー付きの照明で影ができにくい場所に設置しましょう。

トイレのリフォーム

・手すりの設置
座ったり立ったりすることが多いトイレにも手すりの設置は大切です。立ち座りの動作を支える場合は縦型、座った姿勢を支える場合は横型の手すりを設置しましょう。

・ドアの変更
スペース的に余裕があれば引き戸の設置をおすすめします。トイレはスペースが狭いので開き戸ではドアの開け閉めが窮屈になりがちです。また便座に対して横の位置に扉があると移動が楽になります。

・便座の変更
便座の座高の位置が低いと立ち座りが負担となります。便座の位置を高くすることで足腰への負担を軽減することができます。またレバー・ボタン類がリモコンのものなら無理な体制での操作が要らなくなりますのでおすすめです。
また根本的に和式トイレから洋式トイレへの変更は必ずやっておくべきでしょう。

キッチンのリフォーム

・昇降棚の設置
食器や調理道具、食材など収納スペースの必要なキッチンでは高い位置の収納が多くなりがちです。身体に不安があると高い位置からの出し入れは負担となりますので昇降型の収納棚を設置しましょう。
現在は手動型の他にも、ボタン一つで動く電動型もありますので検討してみて下さい。

・食洗機の設置
食器洗いは重労働で腰に負担も大きい作業です。食洗機を採用し、日々の家事の負担を軽くすることも考えてみましょう。

浴室のリフォーム

・段差の解消
浴室の入口も段差のないものを選びましょう。浴室すのこで段差の解消を行う方法もあります。

・ドアの変更
浴室のドアも引き戸がおすすめですが、スペースがない場合は中折れ戸なら省スペースの浴室にも利用できます。

・床材の変更
浴室の床は濡れると滑りやすくなり危険ですので滑りにくい材質を選びましょう。また素足で入るので寒い日に床が冷えないように保温性のあるものがおすすめです。肌ざわりも重要なポイントとなりますので、ショールームなどで実際に触れて確かめるようにしましょう。

・手すりの設置
浴室にも手すりは必須です。出入口や洗い場、浴槽など必要な位置を考えて状況に合わせて選んで下さい。

・暖房の設置
冬場のヒートショックに備え、暖房の設置もおすすめです。浴室だけでなく脱衣所にも設置可能ですので検討してみて下さい。

寝室のリフォーム

・スペースの確保
布団の出し入れの手間や寝起きのしやすさを考えるとベッドの使用をおすすめします。寝室にベッドを入れる場合、1人部屋で6畳~8畳、2人なら8畳~12畳くらいのスペースはあった方が良いでしょう。

【まとめ】これから先のことを考えてバリアフリーリフォームを検討しよう!

現在身体への不安の無い方も、これから何十年も住む住居ですので先々のことを考えてリフォームする必要があります。いざその時に再リフォームが必要にならないためにも元気なうちにバリアフリーについて考えておきましょう。
現在はバリアフリーに特化したリフォーム業者もありますので、まずは専門家へ相談し、自分にはどのような対策が必要なのか把握しておくことも重要となります。こちらでご紹介した内容をしっかり理解して失敗しないリフォームの参考にして下さい。

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