今働いている飲食店から独立して、いつかは開業したいと頑張っている方も多いことでしょう。しかし、「独立して開業するって難しそう」「どんな準備をいつから始めたらいいの?」と、疑問点も多いはずです。
ここでは、飲食店を開業する際の流れについて説明します。「いつかは独立したい!」と思っている方へ、ぜひ読んでみてくださいね。
目次
【独立して飲食店を開業】①コンセプトを固める
飲食店を開業するにあたって一番大切なことは「コンセプトをはっきりさせる」ということです。コンセプトとは、「こんなお店にしたい!」という具体的なイメージのことで、コンセプトが明確だと、店舗デザインやメニューを決める際にもぶれることはありません。
例えば、「お子様と一緒に楽しめる♪リーズナブルなランチが売り」「ちょっと贅沢な気分になれる、カジュアルフレンチのお店」など、一言で「こんなお店です」と言い表すことができるコンセプトを考えましょう♪
客層やメニュー、場所や料金など、具体的にイメージすることが大切です。1年以上前から、様々な飲食店に足を運んだりしながら研究してみるのがオススメです。
【独立して飲食店を開業】②損益シミュレーションを立てる
コンセプトが固まってきたら、どんな規模のお店で、1か月あたりどの程度の売上を見込めるのか、シミュレーションしてみましょう。
シミュレーションしてみることで、従業員を雇った方がいいのか、雇ったとしても給料を支払う余裕はあるのか、家賃はどれくらいの物件がいいのかなど、具体的に想像することができるようになります。
【独立して飲食店を開業】③物件探しを始める
コンセプトで決めた客層をターゲットにするには、どの地域にお店を構えればいいのか、家賃はどれくらいが相場なのかをふまえて、物件を選びましょう。
物件探しのポイントは?
ターゲットの客層がオフィスで働く方のランチ向けのお店であればオフィス街に、学生であれば駅の近くに、ファミリー層であれば郊外に…というように、客層に合わせて物件を選びましょう。
また、お店を出したい地域に何度も足を運び、ターゲットとなる客層の方が本当に通る場所なのかを調べておくと安心です。6~8ヶ月くらい前から、不動産情報をチェックしておきましょう!
家賃の相場は?
店舗の家賃は、売上の10%程度に抑えるのが理想的です。1ヶ月の売上予測が150万円であれば家賃は15万円以内の物件を探しましょう。
家賃はこれから毎月変わらず発生する費用です。家賃が経営を圧迫してしまうケースが多いため、無理は禁物です。
【独立して飲食店を開業】④資金の準備
開業の際に一番ネックになってくるのが資金の問題です。開業資金を全額自己資金で用意するのは難しいため、様々な制度を活用してみましょう。
融資を受ける
融資を受けたい場合は、日本政策金融公庫がオススメです。一般的に、銀行では個人や実績のない中小企業に融資することは難しく、審査が通りにくいとされています。
日本政策金融公庫では、個人でも融資が通りやすく、銀行に比べて利息も低いため、個人事業主として開業する際に活用しやすいといえます。
助成金・補助金の活用
新規で事業を開始する場合には、活用できる助成金や補助金の情報もチェックしておきましょう。これらは返済の必要がないため、出費が増える開業時に大変助かります。
助成金や補助金は、要件を満たせば受給することができますが、種類によっては申請が難しく、プロに依頼しなければいけないケースもあります。
クラウドファンディングの活用
クラウドファンディングとは、自分のプロジェクトを応援してくれる人たちから資金を集めることのできるサービスです。
応援してくれたリターンとして、来店時に使用できる割引券をつけることで、今後の集客も期待することができます。
【独立して飲食店を開業】⑤物件の契約
物件を契約する際には、以下のような費用が必要になります。工事の期間も考慮して、オープンの6ヶ月くらい前には物件を決めておきましょう。
■店舗保証金
家賃が支払えなかった場合の担保や原状回復費用として、貸主が契約時に預かるお金のこと。相場は家賃の6~10倍ほど。
■礼金
物件を貸してくれた貸主に対するお礼のこと。相場は家賃1ヶ月分。
■仲介手数料
物件を紹介してくれた不動産業者に支払う費用のこと。
家賃の1ヶ月分+消費税までと法律で決まっている。
前払い家賃
家賃は原則前払い。
月の途中で契約する場合は、当月分の家賃も支払う必要があり、原則日割計算。
【独立して飲食店を開業】⑥工事をする
物件が決まったら、内装・外装工事をする必要があります。工事には1〜2ヶ月ほどかかるため、3ヶ月以上前から動き始めましょう。
工事費用は開業時に1番費用がかかる部分です。もともと飲食店だった「居抜き物件」の場合、厨房設備などが備わっているため、工事費用を大幅に抑えることができます。
【独立して飲食店を開業】⑦メニューを決める
工事期間と同時にメニュー開発の方も進めましょう。ターゲットの客層に合わせて、何を看板メニューにするのか、料金はいくらにするのかなど、具体的に決めていきます。
料金は原価が30%ほどにおさまるように設定しょう。全てを30%にする必要はなく、減価率が低いお得なメニューで集客し、減価率の高い商品も一緒に頼んでもらえるような工夫も必要です。
【独立して飲食店を開業】⑧備品などの準備
営業する上で必要な備品や消耗品、インテリアなども、工事期間中に準備しておきましょう。提供するメニューに応じて準備しなければいけない調理器具や食器も変わってくるため、メニューがある程度決まってきてから揃えましょう。
レジやクレジット決済、QR決済などの器具も必要に応じて準備しましょう。
【独立して飲食店を開業】⑨届出関係を済ませる
開業するには、以下の届出が必要です。1ヶ月くらい前から動きましょう。
■食品衛生管理者
保健所や都道府県の食品衛生協会で講習を受けて取得する。
■防火管理者選任届
スタッフ+お客様で30名を超える店舗の場合、消防署へ提出が必要。
消防署で講習を受けて取得する。
■飲食店営業許可
保健所に申請をして取得する。
様々な検査をクリアする必要がある。
■個人事業の開業届
個人事業主として開業する場合、所轄の税務署に開業等届出書を提出が必要。
【独立して飲食店を開業】⑩その他必要な準備
その他にも、従業員を雇う場合の手続きや宣伝活動など、必要に応じて行いましょう。
従業員の雇用準備
従業員を雇う場合は、教育期間も考慮して早めに募集をかけましょう。雇用保険の手続きや、雇用人数によっては任意で社会保険の手続きをする必要があります。
また税務署への「給与支払事務所等の開設届出書」の提出や、源泉徴収の準備をしなければなりません。
宣伝活動
内装工事が終わり、メニューや料金が確定したら、ホームページやSNSで宣伝活動をしましょう。ホームページの開設を業者にお願いすると費用が高いため、初期費用を抑えたいのであれば、Instagramなどを活用してみましょう。
まとめ
独立して飲食店を開業する場合、1年以上前からコンセプトを考えたり、色々な飲食店へ足を運んだりと、研究することから始めましょう。
物件取得費用や工事費用、備品の準備など、開業時は多額の資金が必要になります。日本政策金融公庫の融資や、補助金・助成金、クラウドファンディングなどを活用することで、開業資金を調達することができます。
独立して開業するとなると、やらなければいけないことがたくさんあります。夢の実現に向けて、計画的に準備しましょう♪