賃貸アパートは築年数が経過するにつれ、人気が落ちていきます。
また老朽化した設備を取り替えるなど、リフォームも必要になってくるでしょう。
リフォームで現状維持を図るだけでなく、どうせなら付加価値を追加するリノベーションを検討してみてはいかがでしょう?
アパートのリノベーションで期待される効果
リノベーションとは、建物の基礎や柱はそのままに、内装や外装へ大胆に手を加えて、違ったイメージへ作り直すことを言います。
もちろん費用はかかります。
しかしリノベーションによって、様々なプラス効果も期待できるのです。
家賃の値上げ
築古物件になってくると、家賃水準の維持が難しい場合があるでしょう。
築年が古いにも関わらず高いままの家賃設定では、入居者が集まりにくくなってしまいます。
築年自体は、建て直さない限りはどうしようもありません。
しかし思い切ったリノベーションによって、築年数以上の価値を出すことは可能です。
築年を感じさせない斬新な内外装や、古さを逆手に取ったレトロでお洒落な雰囲気を作ることができれば、物件の価値は上昇します。
その結果、家賃も高めに設定できることでしょう。
空室率の改善
見た目が古いアパートは、どうしても人気がなくなってしまいます。
入居希望者は、よりお洒落な物件へ流れていくものです。
なにがお洒落かという感覚も、時代とともに変わっていきます。
新築の時はお洒落だと思われたデザインや設備も、時が経つと「ダサい」と思われてしまう可能性があるということです。
リノベーションで今風の特色を付加することで、住んでみたいというひとが増え、入居率が向上するでしょう。
更新率の向上
いったん入居者が入っても、その部屋にダサい・古い・使いづらいなどの不満があると、契約更新のタイミングで転居してしまう可能性が高くなります。
更新率を上げるためには、その部屋の住み心地に満足してもらうことが重要です。
「寝るためだけに帰る部屋だから、布団さえあれば他は全くこだわらない」という極端なひとは、少ないでしょう。
そこで生活する以上、気持ちの良い空間であることが部屋には求められます。
お洒落にリノベーションされた部屋であれば、ずっとそこに住みたいと感じてもらい、契約更新につながりやすくなるでしょう。
アパートをリノベーションするならここ!
一口にリノベーションといっても、改装できる箇所はたくさんあります。
予算にも限りがありますから、優先順位をつけて検討しなければなりません。
リノベーション効果が高いポイントは、どこでしょうか。
和室を洋室に
古いアパートだと、和室タイプであることも多いでしょう。
畳の上にそのまま座ったり寝たりできる和室は、確かに便利です。
しかし若いひとなどは、洋室を好む傾向にあります。
そこで畳の部屋をフローリングに替え、洋室へとリノベーションすることが考えられます。
キッチンと和室が引戸で仕切られているような間取りならば、引戸を取り払って広めの洋室一間にリノベーションするのもよいでしょう。
窓枠や天井などまで手が回らない場合など、和室のテイストが残ってしまうこともあります。
そんな時はあえて和室テイストの洋室にする、ということも選択肢のひとつです。
和洋折衷は日本文化の特徴でもあります。
お洒落に見せるためにはセンスも必要ですが、うまくデザインできれば部屋のお洒落度は一気にアップするでしょう。
水回りを総交換
住居の清潔感を左右するのは、なんといってもキッチン・トイレ・バスなどの水回りです。
リフォームでは水回りを優先することで、入居者が集まりやすくなります。
どうせなら、元の設備との等価交換ではなく最新のモデルを検討してみてはいかがでしょうか。
たとえば昔ながらの台所をカウンターキッチンにする、という方法があります。
狭い一間のアパートでは難しいかもしれませんが、2DKを1LDKへ改造するようなケースであれば十分に検討可能です。
そこまでできない場合でも、新しいシステムキッチンに取り替えるだけで印象はがらりと変わるでしょう。
トイレは温水洗浄機付きの便座やタンクレスにすることで、快適性が格段に向上します。
細かいところでは、トイレットペーパーのホルダーやトイレ内の収納棚も、お洒落なものに交換可能です。
トイレとバスが一体型のユニットバスは、バス・トイレ分離型に交換すると入居希望が増えるでしょう。
セキュリティ強化
なにかと物騒な事件が多い昨今、セキュリティも重要な訴求ポイントです。
セキュリティの観点で見直すポイントとして、次のような項目が挙げられます。
・アパートの入り口自体を、オートロックにする
・各戸室のキーをディンプルタイプ(※)にする
・モニター付きのインターホンを付ける
・防犯カメラを設置する
※ディンプルタイプとは、鍵の表面に複数のくぼみがついている鍵です。
一般的なシリンダーキーより複製やピッキングをされにくいのが特長です。
これらの対策が施されたアパートは、入居希望者に大きな安心感を与えるでしょう。
また実際に防犯効果が期待できるので、盗難などの発生による風評被害を未然に防ぐことにもつながります。
リノベーションアパートの裏技とは?
リノベーションはしたいけど、あまり費用をかけられない・・・
そんなお悩みを持つ物件オーナーも多いでしょう。
実はアパートのリノベーションには、コストの問題を解決する裏技があるのです。
借主がDIY
借主負担DIY型賃貸契約というものがあります。
退去時の原状回復を求めず、借主負担を前提に借主自身が部屋のリノベーションを行うものです。
入居者の好みに合わせて改装することで部屋に愛着がわき、長期の入居につながる可能性が高いでしょう。
文字通りDIYで、入居者自身が施工するケースもあります。
ホームセンターなどで本格的な工具や材料が簡単に手に入りますので、時間をかけてこだわりの部屋を手作りしたいというひとも増えているのです。
注意点としては、着工する前にどの部分をどう改装するのか確認・合意しておくことです。
あまりにも癖の強いアレンジをされてしまうと、次の入居者が入りにくくなってしまいます。
借主の個性やこだわりは尊重しつつ、ある程度汎用性のあるお洒落な施工内容にしてもらいましょう。
借主希望でカスタマイズ
借主に完全に任せてしまうのは不安だという場合は、借主の希望に合わせてオーナー側で部屋のカスタマイズを手配するというやり方もあります。
フルカスタムではなく、壁紙や床材など変更できる部分を限定し「費用を負担してもらえれば、変更しておきます」という形で入居者を募るのです。
このような方法であれば、リノベーションとは言っても施工範囲や仕上がりが事前に想定できるので、オーナーにとっては安心でしょう。
カスタマイズ内容はメニュー化して、費用と一緒に開示するとわかりやすいです。
信頼できる工務店と提携し、改装のラインアップと共に施工料金まで決めておくとよいでしょう。
部屋へのこだわりがあってもDIY好きではないひとは、このようなセミオーダー制度を喜ぶはずです。
借主負担DIY型賃貸契約は、国土交通省でも推奨している方式です。
リノベーションはしてみたいけど冒険するのも怖いというオーナーさんは、検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
以上で本記事を終わります。
リノベーションすることによってアパートの価値が向上し、入居促進が期待できます。
最近注目されている方法として、借主負担DIY型のリノベーションもあります。
アパートのリノベーションで、入居者へ快適な生活空間を提供することを考えてみましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。