<睡眠のゴールデンタイム>良質な睡眠の効果とは?

寝室照明

睡眠にはゴールデンタイムがあり、この時間帯で睡眠をとると健康に良いという話を聞いたことがあると思います。「夜、なかなか寝付けない…」、「朝、スッキリ起きれない…」という声も多く、忙しい現代社会で、睡眠時間がしっかりとれていなかったり、不規則な生活が続くと睡眠の質が低下し、身体にも不調が現れてしまいます。
では睡眠のゴールデンタイムとはどのような時間で実際に睡眠の質をあげることで身体にどのようなメリットがあるのでしょうか。ここではこの睡眠のゴールデンタイムと睡眠の質をあげる方法について解説します。

<睡眠のゴールデンタイム>睡眠にゴールデンタイムは存在する?

睡眠

そもそも睡眠のゴールデンタイムって存在するのでしょうか?そして存在するならそれは何時のことをいうのでしょうか。ここでは睡眠のゴールデンタイムについてご紹介します。

睡眠のゴールデンタイムは入眠から3時間

睡眠の「ゴールデンタイムは22時〜2時」という話を聞いたことがある方もいるでしょう。これは全くの間違いではありませんが、正確には「入眠からの3時間」を指します。人は眠りにつくと成長ホルモンが生成され始め、3時間でピークを迎え、その後徐々に分泌が減少していきます。

ゴールデンタイムと睡眠周期の関係

睡眠には「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」という睡眠周期があり、これが成長ホルモンの分泌に関わってきます。成長ホルモンの分泌が活発になるのはノンレム睡眠中で、ノンレム睡眠とレム睡眠の周期は90分となります。つまり、入眠から3時間で2回分のノンレム睡眠のピーク時間になるということです。

睡眠は夜にしっかりとる

睡眠のゴールデンタイムは入眠からの3時間となりますが、1日のいつでも良いというわけではありません。人間には「昼に活動し、夜に休む」という体内時計があります。成長ホルモンをしっかり生成するには夜間にしっかり休むことが大切です。また、睡眠時間がゴールデンタイムの3時間だけでは睡眠時間不足となり、心身に悪影響を及ぼします。
最適な睡眠時間は人により違いますが、6〜7時間が一般的となっていますので、22時〜23時にはベッドに入るという意味では22時〜2時が「ゴールデンタイム」とも言えます。

<睡眠のゴールデンタイム>睡眠による効果とは?

睡眠のゴールデンタイムで人の身体には何がおこっているのでしょう。睡眠による効果は睡眠中に活発になる成長ホルモンなどの影響が大きく関わっています。

しっかり眠ることはダイエット効果がある!

睡眠と肥満度の関係をみると7〜8時間眠る人が最も肥満度が低く、それより長くても短くても肥満度が高くなる結果が出ています。7〜8時間眠る人に比べ、5時間睡眠の人は肥満率が50%アップし、4時間以下の場合73%アップします。
これは満腹ホルモンの「レプチン」の影響によるもので、睡眠時間が短いとレプチンが減り空腹ホルモンの「グレリン」が増加します。睡眠時間が5時間の人は8時間の人に比べレプチンが16%少なく、グレリンが15%多いと言います。睡眠時間が短いと食欲が増し、太りやすくなるということです。
また夜間は、食事からとった脂肪を細胞にため込む働きのある「BMAL1(ビーマルワン)」というタンパク質の働きが昼間の20倍以上活発になることから食事による体脂肪の増加が大きくなるのです。
ダイエット中はしっかり睡眠をとることが大切なのです。

睡眠にはアンチエイジング効果も!

眠気を起こす作用のある睡眠ホルモンの「メラトニン」には、抗酸化作用や、アンチエイジング作用、抗がん作用などがあります。メラトニンは血管に作用して血圧を下げ、動脈硬化をおさえる効果があり、さらに骨を作る「骨芽細胞」の働きを活発にし、骨を壊す「破骨細胞」の活動を抑えることで骨粗しょう症の予防への効果もあります。
また、神経細胞を守る働きもあり、アルツハイマー病の予防効果もあると言われています。
メラトニンは目覚めて14〜16時間で脳の「松果体」から分泌が増え始め、その後1〜2時間後に分泌がピークとなり眠気を起こします。メラトニンを増やすことは質の高い睡眠をとる上で重要となり、そのためには必須アミノ酸の「トリプトファン」を多く摂取することが効果的です。
トリプトファンは、牛乳などの乳製品、納豆などの豆製品、肉、バナナ、アボカドなどに多く含まれ、体の中で「セロトニン」という物質になり、その後メラトニンとなります。セロトニンは脳を覚醒させ元気にし、気持ちを落ち着かせる効果もあります。

心身の疲労回復と脳の覚醒効果も!

眠りに入ると副交感神経が活発に働き、心身の疲労回復につながります。睡眠中の成長ホルモンの分泌は免疫効果を高める効果もあり、病気にかかりにくくなります。
また、脳の疲れを和らげる効果もあり、レム睡眠中には思考力が高まるように記憶の整理、定着も行われ、脳の機能を高める覚醒効果も見込めます。

<睡眠のゴールデンタイム>質の高い睡眠をとるには?

では、質の良い睡眠をとるためにはどのような方法があるのでしょうか。質の良い睡眠に入るためのポイントをご紹介します。

入浴は寝る2時間前にぬるま湯で

人は体温が下がるとメラトニンが増加し、スムーズに眠りに入ることができます。眠る2時間前に入浴で身体を温め、体温の低下に合わせて睡眠に入るようにしましょう。体温をあげすぎると交感神経が活発になり眠くなりにくくなりますので、体温をあげすぎないようにぬるま湯に浸かると効果が高くなります。また浴室はできるだけ暗くするとよりメラトニンが増加しますので効果的です。

夕方に適度な運動を

夕方に体温を上げておくと、夜に体温の下がったタイミングで眠りにつくことができます。運動は15分程度の早歩き、階段の上り下りなど軽い運動で十分です。また、体温調節のベースをつくるために筋トレやストレッチなどである程度の筋肉量をつくっておくことも大切となります。

昼の仮眠は10分~15分で

人の脳は起床後8時間で眠気を感じるようになります。これは生理的なものなので避けられません。この時間に仮眠をとることで夜の睡眠の質を上げることができます。ただし長時間寝てしまうと夜の睡眠に影響しますので時間は10分程度に抑えるようにしましょう。眠れない場合には目を閉じているだけでも効果があります。

睡眠のリズムを一定に保つ

就寝時間と起床時間はできるだけ同じ時間にし、睡眠のリズムを崩さないようにしましょう。休日前に夜更かししたり、朝いつまでも布団に入っていたりすると体内の概日リズムが崩れ睡眠の質が落ちることになります。
またリズムでいうと、日中に30分以上の日光を浴びることも効果があります。これは人の体内時計が24時間15分で刻まれているので、この体内時計の時差を日中にリセットする必要があり、日光を浴びることが効果的であるということです。

【まとめ】質の高い睡眠はゴールデンタイムだけではつくれない!

健康に気を使っている人も質の良い睡眠がとれていなければその効果は半減してしまいます。しっかり睡眠をとることは健康の第一歩です。ゴールデンタイムだけでなくトータルでの睡眠に対する意識の向上が大切となります。自分の生活スタイルを見直し、睡眠の大切さを理解し、健康的な生活を意識しましょう。

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