歴史と伝統を大切にするイギリスでは、家具などを何代にも渡って長く受け継いで使っているご家庭がとても多いことをご存じでしょうか。
その中でもイギリスアンティークチェアはとても有名で、素晴らしいデザインのものが今でもたくさん残っています。
今回は長い歴史の中で守られてきたイギリスアンティークチェアのデザインの特徴や名前の由来など、魅力的なアンティーク家具の世界について少しお話をしていきたいと思います。
〈astro〉 LEDリーディングライト 読書灯 GBK017
アームが長くなることで照射範囲が広がり、幅広い活用法が見いだせます。例えばベッドに寝転んで本を読むときはもちろん、ベッドサイドに座ったままでもロングアームが手元まで光りを届けてくれます。長いアームを生かしてお部屋に飾られた絵画や書道、生け花などの作品を美術館のようにライトアップすることでグッとお部屋が美しく引き立ちインテリアの雰囲気を高めます。
アンティークチェアの魅力とは?
家具や食器、ジュエリーなどアンティークに心惹かれるという方もとても多いですね。
安くて使いやすいものがたくさんあふれている現代で、なぜ古いアンティークのものを求める人が多いのでしょうか。
イギリスアンティークチェアのお話に入る前に、まずはアンティークチェアの魅力について一緒に考えていきましょう。
希少価値が魅力!手に入らないからこそアンティークが欲しくなる
例えば象牙などは昔は工芸品や印鑑などにも使われていましたが、現代ではラムサール条約で使用が厳しく制限されていますね。
このようにアンティーク製品の中には、現代では使うことができない素材を使って作られているものも多いです。
アンティークチェアの世界ではマホガニー材を使ったものやローズウッド材を使ったものはなかなか手に入らず、とても貴重なものとされています。
手に入らないからこそ欲しくなる、というコレクション精神をくすぐるのもアンティークの魅力の一つですね。
歴史を越えた重みと深さもアンティークの魅力
現代では椅子やテーブルなども工場で作られているものも多く、職人が手作りで作っているものの方が少なくなってきています。
もちろんアンティークの椅子も当時の職人たちが手をかけて作った逸品で、それを購入した人が大事に手をかけて使ってきたものばかりです。
多少の傷や汚れがあるものもありますが、戦争や災害など多くの災難を越えて今の時代まで残ってきた家具たち。
歴史を越えた重みと重厚な造りは今の時代では絶対に作れないものばかりです。
誰かの家で大切に受け継がれたアンティークチェアは、その家の歴史そのものと言い換えることもできます。
そういったところも踏まえてアンティークには大きな価値が生まれるということなのですね。
デザイン性と見た目の美しさもアンティークの魅力
世界に二つとないアンティークチェアは、部屋を彩る装飾品や観賞用家具といった意味合いで購入する人も多いと思います。
アンティークの家具は使っている素材も特別なものが多いですが、デザインや装飾の美しさも人々を虜にする要因のひとつです。
作られた当時に流行していたデザインや細工、職人が技術を競って施した美しい彫刻。
現代の最新鋭の技術を使ってもマネのできないような細かいデザインは家具という概念を越えて、芸術品と言ってよいほどの美しさです。
真鍮古美メッキが美しいレトロなテーブルライト[MST11]
1940年代の雰囲気が感じられるフォルムに真鍮古美メッキ仕上げを施し、使い込まれたテーブルライトの風合いをだしたデザイン。自在器は堅労性に優れた部品でアームを保持し、可動域内での角度調節が可能です。あたたかみのある真鍮色は無骨さを軽減させ、ヴィンテージテイストのみならずアンティーク調のお部屋や家具にもマッチします。
イギリスアンティークチェアの代表的なデザインとは?
イギリスアンティークチェアの中には作られた時代やデザインによってさまざまな名前がついています。
ここからはイギリスアンティークチェアの中から選りすぐりの椅子のデザインや特徴的な椅子の脚の形を5つご紹介していきます。
代表的なイギリスアンティークチェア① クイーンアンチェア
イギリスアンティークチェアの代表ともいえるのが「クイーンアンチェア」です。
イングランド王国・スコットランド王国の最後の君主でありグレートブリテン王国の最初の君主でもあるアン王女(在位:1702年~1714年)の時代に流行したのがクイーンアンチェア。
ブランデーが好きでブランデー・アンとも呼ばれてました。
アン王女の時代には中国との交易が盛んで、工芸や食品なども中国から様々な影響を受けており、その中で作られた家具はクイーンアン様式とも呼ばれています。
クイーンアンチェアは、他の工芸品同様に中国の影響が色濃く、カブリオールレッグ(猫脚)と背もたれの真ん中の中央の背板の部分が花瓶の形をしているのが特徴です。
背板の部分はスプラットと呼ばれていて、座った時に背中が自然なカーブを描くように作られています。
またこのころの椅子には脚の部分に貝の模様が装飾されているものも多いです。
曲線の美しさが特徴的なカブリオールレッグはアンティークチェアの世界でももちろん人気が高いですが、現代家具の中でもデザイン性の高さから椅子の脚として用いられています。
アンティークチェアの中にも現代の椅子のように人間工学に基づいた考えがあったなんてちょっと驚きですね。
代表的なイギリスアンティークチェア② ウィンザーチェア
クイーンアンチェアと同じころに誕生したのが「ウィンザーチェア」
1700年~1725年頃、イギリスのハイウィッカム地方で誕生したとされる、「ウィンザーチェア」。
クイーンアンチェアは貴族や街で生活する人々の中で流行した椅子ですが、このウィンザーチェアはというと少し事情が違っています。
作られた時代が同じでもウィンザーチェアは農民たちが日々の生活の中で使うために作られた椅子です。
初めのころに作られたものは実用性重視でデザイン性が高いというものではありませんでしたが、時代の流れから脚の形はクイーンアンチェアと同じカブリオールレッグでした。
無垢材を使って作られた素朴で温かみのある椅子は作りやすく値段も安かったため、農家の人たちだけではなく一般の家庭にも普及。
時代が変わって産業革命の時代になると工場で量産できるようになり、学校やレストランなどでも多く使われるようになりました。
アンティークチェアの中では最も流通した椅子と言えるかもしれませんね。
代表的なイギリスアンティークチェア③ チャーチチェア
19世紀頃から教会の礼拝堂で使われていたアンティークの椅子のことを「チャーチチェア」と呼んでいます。
教会にはたくさんの人が礼拝に訪れるため、椅子をたくさん用意しておかなければいけません。
いろいろなデザインの椅子がある中で協会の雰囲気を壊さないために、そしてたくさんの椅子を用意することができるために考えられたのがこのチャーチチェア。
教会を想像させるような十字架がデザインされているものや、聖書を入れておくためのポケットがついているものなど、他のアンティークチェアとは少し違った特徴を持っています。
肘掛はなくシンプルなデザインのものが多く、どんなデザインのインテリアにもぴったりとフィットするチャーチチェア。
ウィンザーチェアと同様に比較的数多く作られているため、アンティークチェアの中でも揃いで手に入れやすい椅子となっています。
代表的なイギリスアンティークチェア④ バルーンバックチェア
バルーンバックチェアは、ヴィクトリア時代の中でも特に1860年ころまでイギリスで大流行していたデザインの椅子です。
バルーンという名前の通り、背もたれの部分が気球のような丸みを帯びたデザインになっているのが特徴です。
背もたれの部分は細かい装飾を施してあったり、フルーティング溝が掘られたデザインのものがあったり、形は少しずつ違っていますが、足の部分はカブリオールレッグ(猫脚)のものが多いです。
装飾の美しさとカブリオーレレッグのかわいらしさの両方を兼ね備えた椅子と言えます。
代表的なイギリスアンティークチェ⑤ ナーシングチェア
ナーシングチェアとは、看護師さんが使っていた椅子というわけではなく、女性が赤ちゃんに授乳するときに使うために作られた椅子のことです。
19世紀のヴィトリア時代に多く作られていたもので、座ったままで赤ちゃんのお世話ができるように座面が低く、奥行きのある椅子になっています。
当時使われていたベビーベッドの高さとぴったり合うように作られていたので、女性や背の低い人でもしっかりと床に足がつくように設計されてしまう。
女性が使うものとして作られているので、アンティークチェアの中でもエレガントで華やかなデザインのものが多いのがナーシングチェアの特徴のひとつでもあります。
船で使われる照明イメージしたマリンランプ ペンダントライト MPN043
船で使われる照明をモチーフとしたマリンランプ。強風で物が飛んできても電球が割れないよう、格子状のガードがついている個性的なデザイン。住宅やカフェでも使用されていて人気があります。まるで海の上で長く使い込まれているようなかっこいいユーズド感が感じられます。
まとめ
イギリスアンティークチェアについて少しだけご紹介させていただきました。
しかし、アンティークチェアの世界は深くてここではまだまだ語り切れないことばかりです。
本物のアンティークチェアに出会う機会は少ないかもしれませんが、もし出会うことがあればその形や素材をじっくり眺めてみてください。
100年以上の時を超えてきたとは思えない美しさとそのデザイン性の高さに思わず見とれてしまうことでしょう。