家族や友人、会社の方が新居に引っ越した時、「新築祝い」を贈りたくてもどんなのし袋を選べばいいかわからない。どのように包めばいいのかわからない。
このような方は多いのではないでしょうか。
この記事では、正しいマナーを守りながら、気持ちの伝わる新築祝いを贈れる方法をご紹介します。
新築祝いとは、新築の家を建てたときや、中古の一戸建て・マンションを購入したときに贈るものです。
賃貸物件から賃貸物件へ引っ越した場合のお祝いは「餞別せんべつ」という名目になりますので注意しましょう。
新築祝いの「のし袋」の書き方
ご祝儀袋は、「のし」「表書き」「名入れ」から構成されています。
表書きは、ご祝儀袋の中央上部に書く、贈り物の名目のことです。
新築祝い(引っ越し祝い)の表書きは以下のようになります。
・新築祝い:「御新築御祝」
・引っ越し祝い:「御新居御祝」「御引越御祝」「御転居御祝」
・結婚に伴う転居:「壽」「寿」
・昇進や栄転による転居:「御栄転御祝」
・左遷や転勤などによる転居:「御礼」または「御餞別」
※餞別は目上の方に使うことは失礼にあたりますので「御礼」を使います。
なお、転居先が新築か、中古住宅かわからない場合は「御祝」を使いましょう。
「御新居御祝」は、引っ越し先が新築一戸建の場合は、ふさわしくありません。
以下をご参照ください
引っ越し先 | 新築一戸建て | 新築マンション | 中古住宅 |
御新築御祝 | 〇 | 〇 | 〇 |
御新居御祝 | × | 〇 | 〇 |
名入れなど文字を記載するときは、筆や筆ペンを使用しましょう。
薄墨は弔事(葬儀や法事)に用いられますので、お祝い事では濃い墨を使用します。
送り主が複数名になる場合は以下のルールを参照してください。
・3名以内:連名でフルネーム記載(中央が年長者や格上の人)
・4名以上:代表者の左側に「有志一同」と記載(もしくは、中央に「〇〇部有志一同」のみでも可)
・夫婦:右に夫の氏名、妻は名前のみ左側に、夫の名前と高さを揃えて記載
新築祝いの「のし袋」の水引き
水引きとは、のし袋の中央部にある、ひも飾りのことです。
お祝い事だけでなく、お香典などにも使われます。お祝い事には、紅白や金銀のものを選びます。
水引の結び方には主に3種類あります。
・結び切り
・あわじ結び
・蝶結び
新築祝いに適しているものは「蝶結び」です。
「蝶結び」は、何度も結びなおせることから、「人生で何度でも起きてほしい、おめでたいこと」の際に使われます。
その為、結婚祝いと新築祝いを併せて贈るときは、注意が必要になります。
結婚祝いの意味合いが含まれる時には、水引は「結び切り」「あわじ結び」が適切です。
それ以外にも、地域によって慣習が異なる場合がありますので、事前に確認しておいたほうが良いでしょう。
新築祝いの「のし袋」の中
①中袋
中袋は封筒の形をしています。
例えば3万円を包む場合、「金 参萬円也」と、封筒の表側の中央に縦書きで記載します。
裏側は、左下に住所と名前を記載します。
贈られた側はこの記載をみて、お返しを用意されることが多いので、郵便番号から記載し、間違いがないように気を付けましょう。
また、金額に旧漢字を用いているのは、一に線を書き足して、二や三に改ざんしないようにという目的もあります。
②中包み
中包みとは、中袋の封筒の代わりになるものです。一枚の紙を折ってお金を包みます。
中袋、中包みどちらを用いても問題ありません。
記載方法は、中袋と同様ですが、表と裏がわかりづらいので注意しましょう。
・表:左の上下に三角の空きがみえる
・裏:右側に大きな三角の折りができる
新築祝いのし袋に包む適切な金額
まず、包む現金には新札を使います。向きを揃え、お札の肖像画が封筒の表側、上に来るようにいれます。
新札とピン札は違うことを御存じですか?
ピン札は、折り目はありませんが一度使用されているお札のことです。
やむを得ない場合は、ピン札を用いても問題はありませんが、可能であれば事前に新札を用意しましょう。
入手の仕方としては、銀行や郵便局で両替する方法が確実です。
店舗によっては対応していない場合もあるので、前日までに時間に余裕をもって、新札の準備をしましょう。
さらに、金額とのし袋のデザインがアンバランスにならないように気を付けましょう。
1万円:水引が印刷されているシンプルなデザイン
2~3万円:金銀や紅白の水引を使ったスタンダードなもの
5万円以上:華やかにアレンジされた水引や、高級感のあるデザインのもの
①身内へ贈る場合の金額の相場
親子(別居している):30,000円~100,000円
親戚:30,000円~50,000円
親戚の場合、叔父や叔母、いとこなどですが、叔父や叔母へ贈る金額のほうが金額が高くなることが一般的です。
例えば、いとこへは、30,000円。叔父、叔母へは50,000円となります。
関係性や、親族間での慣習もあるので、事前に可能であれば贈る側の身内間で相談しておくとトラブルを防げます。
②友人、仕事関係の方へ贈る場合の相場
友人の場合、自分との関係性が重要になりますが、一般的には5,000円から10,000円が多いようです。
仕事関係の方の場合も同様になりますが、こちらも連名で贈ったり、同じ職場の人と事前に相談をしておくと安心です。
新築祝いを贈る時期
一般的には、新築された家に招待されたり、お邪魔したときに贈ることが多いようです。
引っ越した後に贈る場合は、引っ越し後半月から2か月以内に贈りましょう。
家が遠い場合は、新築祝いを郵送しても失礼にはあたりません。
現金書留で、のし袋ごと送りましょう。
その際、お祝いの言葉を書き留めた手紙を添えると気持ちが伝わるでしょう。
まとめ 気持ちが伝わるように工夫しよう
お祝いは、気持ちが大切ですが、マナーを間違えることで相手が不快な思いをしてしまったり、困らせてしまうことが無いようにしたいですね。
現金を贈ることは、相手への負担にならないように気配りすることも大切です。
送るお相手のキャラクターに合わせて、のし袋を選んだり、手紙を添えたり、プチギフトを添えることで、温かみが生まれます。
相手のことを考えながら、時間をかけて新築祝いを贈る準備をすることもお祝いの一環ではないでしょうか。
是非のし袋という、日本特有の文化を身に着けて、素敵な新築祝いが贈れるようになりましょう。