クリスマスツリーの飾り付けには地域によって色々な特色があります。その中でも今人気の高い「北欧風」のクリスマスツリーについてご紹介します。クリスマスツリーの飾り付けはクリスマスの楽しみのひとつでもあり、飾り付けを変えるだけでいつもと違うクリスマスを演出してくれるはずです。ぜひ参考にしてみて下さい。
目次
<北欧風クリスマスツリー>北欧のクリスマスとは?
まず、北欧のクリスマスについてご紹介していきます。北欧のクリスマスとはどのようなものなのでしょうか。
北欧のクリスマスの始まりとは?
北欧のクリスマスの起源は、日照時間が最も長くなる境の冬至を「太陽の復活する新しい年の始まり」として祝う「冬至祭(ユール)」と言われています。寒さの厳しい北欧では太陽を神格化してその復活を祝福してお祭りを行っていたのです。
その後、ローマ帝国はキリスト教を広めるためキリストを光に例え、「光(太陽)の復活はキリストの復活」とし、ユールのような土着の祭りを吸収する形で現在のクリスマスとなっていったと言われています。北欧では当時の名残も残っており、今でもクリスマスを「ユール」と呼び、ユールで使われる「ユールログ」という大きな木の幹を模した丸太型のケーキ「ブッシュ・ド・ノエル」を食べる習慣があります。
北欧のクリスマスの過ごし方
日本では恋人と過ごすイメージの強いクリスマスですが、ヨーロッパでは家族が家に集まり静かに過ごすというのが一般的となっています。
フィンランドや、ノルウェーでは、24日から26日は祝日でお店はほとんど閉まってしまい、交通機関も少なくなり街は人気もなく静かになるそうです。
スウェーデンでも同じで、1959年以降は毎年クリスマスの午後3時に「ドナルドダックと仲間たちからメリークリスマス」という番組が放送され非常に高い視聴率を誇っているということです。
クリスマスの準備はいつから?
北欧のクリスマスはアドベント(待降節)というキリストの降誕を待つ期間があり、クリスマス直前の日曜日から逆算して4週目の日曜日から始まる期間となっています。最近では日本でもクリスマスまでの日数をカウントダウンする「アドベントカレンダー」の人気も出てきていますが、フィンランドでは「ユールカレンダー」と呼び、古くから人気があります。
アドベントカレンダーは24個のポケットのついたカレンダーや、袋や箱に小さなお菓子などのプレゼントを入れ、毎日1つづつ開けていき、楽しみながらクリスマスまでの日数を数えるというものです。
また、「アドベントリース」という風習のあるところもあり、こちらは神の無限の愛を象徴する丸いリースにろうそくを4本立て、日曜日にひとつづつ灯していくというものです。
<北欧風クリスマスツリー>北欧風クリスマスツリーの特徴は?
使われるツリーは?
北欧のクリスマスの起源とされているユールで使用されていたのは常緑樹の樫の木です。北欧の寒い冬でも緑に覆われる常緑樹は古くから「生命の象徴」とされており、魔除けにも使われていました。
北欧ではユールに樫の木を薪として使ったり、リボンを巻いて納屋に飾ったりしていましたが、その後キリスト教への信仰に向かわせるため、もみの木に変化していきました。
もみの木は三角形に見えることで、キリスト教の「三位一体」を表していると言われ、キリスト教への改宗を進めるためにクリスマスツリーはもみの木という認識を浸透させていったのです。
クリスマスツリーのオーナメントは?
北欧のクリスマスツリーに使われるオーナメントはヒンメリ、ジンジャークッキー、ポマンダーなどになります。
・ヒンメリ
乾燥した麦わらに糸を通し、八面体を基本としたフィンランドの伝統工芸品です。12本のわらを使って作られ、単体で飾られたり、つなげてモービルのようにしたりもします。元々は寒冷な土地のフィンランドで自然を敬い、豊穣の願いを込めて祈願するために作られました。
大きなヒンメリを作るほど翌年の豊作に恵まれると言われています。また、幸運と子宝を願って結婚式に使われることもあるそうです。
・ジンジャークッキー
北欧ではクリスマスに欠かせないお菓子で、家の形にして窓辺に飾ったり、ツリーに飾ったりします。使われる香辛料は香りが強く、魔除けとしても使われていたため、ツリーにも飾られるようになったと言われています。
・ポマンダー
リンゴ(pomme)と上質香料のリュウゼンコウの香り(ambre)からきている名前で、魔除けや病気の予防のためのお守りとして使われていました。中世の貴族たちはポマンダーを首からさげたり、腰にぶら下げたりして流行病やいやなにおいから身を守っていたそうです。
現在はオレンジにスパイスの「クローブ」を刺してつくられるものが一般的となっています。
<北欧風クリスマスツリー>おしゃれな北欧風クリスマスツリーのポイント
欧米風との違い
カラフルで楽しい印象の欧米風のツリーと比べて、北欧風ツリーの特徴は「素朴な雰囲気」です。飾り付けにはヒンメリ・ポマンダーといった伝統的なデザインのものや、落ち着いた色合いのものが使われます。家でゆっくり過ごす北欧のクリスマスの落ち着いた雰囲気を大事にしたセンスのあるツリーを目指しましょう。
素材の質感を活かしたデザイン
北欧風ツリーは素材や質感にこだわりをみせることがポイントとなります。原色を使わず、深みのある赤や緑、黄色といった色を程よく入れ、シルバーやゴールドできらびやかな印象を作っています。ヒンメリなどの工芸品による飾り付けは素朴で質感の高いデザインとなっています。
シンプルですっきりとしたデザイン
飾りを詰め込んできらびやかに演出する欧米風ツリーと違い、北欧風ツリーはシンプルさを重視します。もみの木を飾りで彩りながら緑を多く残し、自然の風合いを残すように飾り付けます。シンプルだからこそ飾る人のセンスが問われるツリーと言えます。
こだわって作ると派手になってしまいがちですが、北欧風のツリーを作るなら、肩の力を抜いてシンプルを意識しながら作ってみましょう。
色彩で温かさを演出
北欧はクリスマス時期には厳しい寒さとなりますので、家でゆっくり過ごすためにも温かみのあるツリーが重要となります。色彩で温かさを演出することがポイントとなるのです。
暖色系の電飾や、木のぬくもりを感じることのできるオーナメントなどで暖房に頼らなくても温かみを感じることのできるクリスマスツリーを目指しましょう。
おすすめはシルバー+1色使い
北欧風のツリーを作る上でおさえておきたいのがシルバーをメインとしたツリーです。ここに1色ないし2色程度でまとめると欧米風のツリーとは違った北欧風の素朴で温かみのあるツリーとなります。
【まとめ】北欧風クリスマスツリーでクリスマスをおしゃれに楽しもう!
欧米風はカラフルで派手、北欧風はシンプルで落ち着いたものと分類しても良いでしょう。毎年の冬の一大行事であるクリスマスをいつもと違ったツリーで盛り上げてみてはいかがでしょうか。