忙しい現代社会で効率よく睡眠をとりたいと考える人も多いと思います。人間は睡眠中に体の疲れをとるだけでなく、様々な働きを行っています。睡眠不足は精神的にも身体的にも悪い影響がありますので、睡眠時間がとれない時でもしっかり効率よく眠れる方法を覚えておきましょう。
目次
<効率よく睡眠をとる方法>睡眠が足りない人の原因とは?
まず、睡眠が足りなくなる原因についてご紹介します。布団に入ってもなかなか寝付けなかったり、朝起きても眠気が抜けない等、睡眠時間をつくるだけではしっかり眠れているとは言えません。効率よく睡眠をとるには睡眠不足となる原因を把握しておきましょう。
生活習慣
寝る前のスマホ
眠る前にスマートフォンを使用したり、パソコンで作業したりすると、画面から発生する「ブルーライト」を浴びることになります。これは睡眠の質を上げる「メラトニン」というホルモンを減少させる性質があります。
コーヒー・喫煙
コーヒー・紅茶・栄養ドリンクなどにはカフェインが入っており、睡眠物質の「アデノシン」をブロックしてしまいます。また覚醒作用もあり、これにより寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなってしまい睡眠の質を落とすことになります。
タバコに含まれるニコチンも、カフェインと同じく覚醒作用がありますので、就寝前に喫煙すると眠りが浅くなると言われています。
就寝環境
寝室の気温
寝室の室温・湿度にも影響を受けます。暑すぎたり、寒すぎたりすると体温調節が必要になり、寝ていても眠りが浅くなります。16℃~26℃が理想となり、夏は26℃、冬は16℃になるように調節しましょう。湿度は50~60%が理想的です。
明るさ
部屋の明かりを付けたまま寝ている人もいると思いますが、快眠には程よい暗さが必要です。眠る1~2時間前にはやや暗めの白熱灯の明かりを浴び、就寝中の明かりは4ルクス以下に抑えるのが理想的です。
また、朝起きる時の光も重要で、朝は2500ルクス以上の光を浴びると目覚めが良くなります。寝室の照明がタイマー付きなら起床の30分前から徐々に明るくするとさらに効果があります。
音
耳に入ってくる音も睡眠の妨げとなります。40デシベル以上の音は交感神経を刺激し、覚醒作用があります。音楽を聴く場合はリラックス効果のあるヒーリングミュージックやクラシックなどを選択すると良いでしょう。
ストレス
長時間労働
長時間の労働は極度の身体的・精神的な疲労を与え、睡眠の質を低下させます。
ハラスメント
ハラスメントによる精神的な苦痛は交感神経を刺激し、自律神経のバランスを崩してしまいます。これにより睡眠の質を上げる副交感神経の機能が低下し、眠れなくなったり、眠りが浅くなってしまいます。
<効率よく睡眠をとる方法>大事なことは睡眠効率をあげること
以上の原因の解消を行い、睡眠の質を上げるにはどうしたら良いのでしょうか。ここからは実際に睡眠の質を上げるための効率の良い睡眠方法についてご紹介します。
睡眠効率とは
「睡眠効率」という言葉があります。これはベットで過ごす時間と実際に眠っている時間の比率となります。寝つきが悪かったり、目が醒めていても体が動かせないという時間が長いほど「睡眠効率が悪い」ということになります。
仮眠をとる
睡眠効率を上げるには昼間の眠気への対処が効果的です。午後の眠気に襲われる時間に仮眠を効果的にとることで、就寝前のうたた寝を避け、睡眠効率を上げることができます。
休日の睡眠
平日の睡眠不足を休日に「寝だめ」で解消しているという人もいると思いますが、これは睡眠のリズムを崩してしまい逆効果です。睡眠のリズムが崩れたまま平日を迎え、日中に眠気を起こしてしまいます。また、逆に週末の夜にゲームや、飲酒で夜更かしをしてしまうことも睡眠効率の低下につながります。ムラのない睡眠のリズムの安定化が重要となります。
<効率よく睡眠をとる方法>睡眠効率を上げる習慣とは?
では、実際に睡眠効率を上げるために行うべき習慣についてご紹介します。
ベット=眠る場所を記憶させる
睡眠効率を上げるには自分に「ベッド=眠る場所」という習慣を記憶させることです。眠る前にベッドの中でスマートフォンを操作したり、読書したりすると、「ベッド=情報入力の場所」という認識が起こり、寝つきが悪くなります。これを避けるためには、パソコンや、スマートフォンなどを寝室に持ち込まないことです。「ベッド=眠る場所」という記憶を脳に焼き付けることが大事なのです。
ベットルームの環境
二つ目は「寝室の温度」です。寝室は少し低めの温度にしておくと良いでしょう。眠気は体温の低下で引き起こされ、深い眠りに入ることができます。夏場は特に室温が上がりますのでエアコンで室温を下げておく必要があります。
眠る1~2時間程前に入浴して体温を上げておき、ベッドに入った時に体温がスムーズに下がることで質の良い眠りにつくことができます。アイスピローなどを使い、頭を冷やしても良いと思います。
仮眠の取り方
最後は「仮眠をとる」ということです。人間は起きてから7~8時間で眠気を感じるようになっています。つまり朝起きてからちょうどお昼くらいに眠気を感じるのです。重要なのは眠気がピークになる前に仮眠をとっておくことで、ピークになってからでは、体がこれから起きようというリズムに入りますのでこれに逆行する行動になります。
午後の生産性を上げるには起床後6~7時間後に仮眠をとりましょう。これは本格的な睡眠にならないように30分以内にとどめるようにして、椅子やソファーなどで横になるようにして下さい。この時間で、仮眠により眠気をとっておくことは夜の睡眠にスムーズに入れるためにとても効果があります。
もし眠りが深くなりそうなときはコーヒーなどでカフェインをとってから眠ると良いでしょう。カフェインには「アデノシン」という睡眠誘発成分を抑える効果があり、コーヒーを飲んだ後の仮眠には睡眠の誘発を抑えながら眠気を解消させることができるのです。
【まとめ】効率よく睡眠をとるには日頃の習慣が大事!
ここまでご紹介した効率よく睡眠をとる方法についてまとめると、
寝る前にスマートフォン・パソコンなど、ブルーライトが発生する機器の使用を控える。
寝る前のコーヒーなどのカフェインの入った飲み物の摂取、喫煙を控える。
寝室の温度はやや低めに設定し、入浴後の体温低下による眠りのリズムを活用し睡眠に入る。
寝るときは部屋の照明を4ルクス以下の明るさに抑え、起床時には2500ルクス以上の明かりを浴びる。
長時間労働やハラスメントが起きない職場環境を選択する。
起床後6~7時間後に仮眠をとる。その際は30分以内で椅子やソファーで横になる程度で抑え、深い眠りに入りそうな場合は仮眠の前にコーヒーなどでカフェインを摂取しておく。
休日の寝だめや夜更かしを避け、生活のリズムができるだけ一定になるように心がける。
ということになります。睡眠を効率よくとることは日中の仕事の効率を上げることにも大きく関わっており、精神的、身体的な健康とも直結しています。日々の生活のリズムをつくり、安定した習慣を続けることが重要となります。
睡眠効率について理解し、睡眠の効率化、質の向上にチャレンジしてみて下さい。