天井に一般的なシーリングライトなどの照明器具を取り付ける時、引っ掛けシーリングは必ず必要です。今ついているものが古くなってしまったり、配線がむき出しのタイプの場合には新しく引っ掛けシーリングを取り付けることになります。
引っ掛けシーリングの取り付けは電気工事士の資格を持った人しかできません。電気工事士の資格を持っている人は取り付けにチャレンジしてみて下さいね。
どんな引っ掛けシーリングを選んだらいいの?配線方法はどうなっているの?そんな疑問にお答えしていきます。
目次
シーリングライトを取り付ける為の引っ掛けシーリングは自分で取り付けできる?配線をさわれるのはどんな方?
引っ掛けシーリングボディを自分で取り付けることはできません。
電気工事士の資格が必要となる為、無資格で工事をすると法律違反にあたります。また火災や事故が起こる恐れもあります。
必ず電気工事のプロに頼みましょう。
シーリングライトを取り付ける場合にはどの引っ掛けシーリングボディを選べば良い?配線方法に違いはあるの?
引っ掛けシーリングボディとは照明器具に電気を送る役目があります。それ以外に照明器具の重さを担う役目もあわせ持っています。配線方法に大きな違いはありません。
こちらでは主に使われる5種類の引っ掛けシーリングをご紹介します。一般的な照明器具であればどれに取り付けることもできますが、耐荷重などの確認をし照明器具に合う引っ掛けシーリングボディを選びましょう。
①角型引っ掛けシーリング
角型引っ掛けシーリングは直方体で長い辺が5~6cmとこの中では一番小ぶりな引っ掛けシーリングです。古い木造住宅などでは一番多く使用されています。狭い範囲にペンダントライトを並べて付けたい場合やトイレや脱衣所などの狭い場所に使用するとスッキリみえます。耐荷重は5kgです。
②丸形引っ掛けシーリング
丸形引っ掛けシーリングは丸い円の形をしている引っ掛けシーリングです。角型に比べると天井への取り付けのネジが広い間隔で付いている為、安定感のある取り付けができます。和室や洋室の天井に取り付けることが多くシーリングライトなどの照明との相性が良いです。耐荷重は5kgです。
③丸形フル引っ掛けシーリング
丸形フル引っ掛けシーリングは見た目は丸形引っ掛けシーリングとほぼ同じ引っ掛けシーリングですが、ツバみたいなものが付いていてシーリングライトを取り付ける際の支えになるので、丸型引っ掛けシーリングよりも安定感があります。耐荷重は5kgです。
④フル引っ掛けローゼット
フル引っ掛けローゼットは丸形引っ掛けシーリングよりも一回り大きい円の形をした引っ掛けシーリングです。本体側面にハンガーと呼ばれるネジ留めできる金具がついています。ペンダントライトやシャンデリアなどの重い照明器具を取り付けたい時に使用します。耐荷重は10kgです。
⑤引っ掛け埋め込みローゼット
引っ掛け埋め込みローゼットはこの5種類の中で一番厚さが薄い引っ掛けシーリングです。こちらも本体側面にハンガーがついており、薄い見た目に反して重い照明器具の取り付けに使われます。耐荷重は10kgです。
シーリングライトを取り付ける為の引っ掛けシーリングとローゼットの違いは配線方法?
「シーリング」と「ローゼット」は、JIS規格での区別は無く、「引っ掛けシーリングローゼット」の名称となっています。しかし多くの商品は「引っ掛けシーリング」と「引っ掛けローゼット」の名前を区別して使用しています。ローゼットは本体側面にハンガーというネジ穴がついており、ハンガーがあるか無いかで名称が区別されています。それにより、引っ掛けシーリングの耐荷重は5kgまで、引っ掛けローゼットの耐荷重は10kgまでとなっています。配線方法は同じです。
一般家庭に取り付ける場合は引っ掛けシーリングで十分ですが、シャンデリアやシーリングファンなどの重い照明器具を取り付ける場合にはローゼットを使いましょう。
シーリングライトを取り付ける為の引っ掛けシーリングの取り付け方の流れ・配線
①ブレーカーを落とし電気を断つ
②古い照明器具を取り外す
③電線と引っ掛けシーリングをつなぐ
④下地を確認し、引っ掛けシーリングを天井に固定する
⑤新しい照明器具を取り付ける
⑥ブレーカーを戻し、動作確認する
こちらが引っ掛けシーリングを取り付ける場合の簡単な流れです。
詳しい取り付け方法は下記で説明します。
シーリングライトを取り付ける為の引っ掛けシーリングの構造と配線・取り付け方法
引っ掛けシーリングボディは上記で説明した5種類のどれも同じような構造・取り付け方法です。
引っ掛けシーリングボディの構造
引っ掛けシーリングボディの裏側を見ていきます。
大きめの穴が2つあります。こちらは天井の下地と引っ掛けシーリングボディを固定するネジ穴です。
小さめの穴が2つあります。こちらは天井からの電気配線を差し込む穴です。
電源はずし穴と書かれた部分があります。一度差し込んだ電線を抜くときはこの部分を押し込みながら引き抜きます。
次に表側です。
引っ掛けシーリングに照明器具を設置するための引っ掛け部分があります。こちらはどれも同じ規格となっていますので対応する照明器具ならどれでも取り付けができます。
引っ掛けシーリングの配線に必要な道具
・電工ナイフ
・ペンチ、ニッパー
・電動ドライバー
配線と引っ掛けシーリングボディのつなぎ方
天井から出ている配線の処理をしてからつなぎます。ブレーカーが落ちていることを必ず確認してからはじめましょう。
電源ケーブルは余裕を持った長さに設定します。長すぎる場合は短くカットします。
①ケーブルの端から2cmくらいの部分を1周、それに対し垂直に1本ナイフで切れ込みを入れます。切れ込みを入れた2cm部分の被覆を剥きとります。電線が2本出てきます。
②2本の電線の根本の0.5cmほど残して先の1.5cmくらいの被覆をワイヤーストリッパーで剥きとります。
③引っ掛けシーリングの側面に差し込む電線の長さが表示してあるのでそちらに合わせて電線の長さをピッタリにカットします。
④引っ掛けシーリング裏側の小さい方の穴に電線を差し込みます。Wと書かれた接地側に必ず白の線を差し込みます。電線のむき出しの部分が見えなくなるまでしっかりと差し込みます。
引っ掛けシーリングを天井に取り付ける方法
天井に取り付ける際に気を付けることは、下地を確認してそこに取り付けることです。
一般的には野縁(のぶち)と呼ばれる下地になる柱から電源ケーブルが出ているのでケーブルの周辺の下地、野縁を探します。
天井をコンコンとノックして鈍い音がすれば下地の柱があります。大体の場所を把握したあとは「下地探知機」や「下地探し」を使って正確な場所を見つけそこに取り付けます。
2箇所のネジ穴の表側から木ネジで取り付けます。下地部分へのねじ込みが20mm以上必要となるので、天井材の厚みを見ながら32mmや50mmの木ネジを選びます。
もし下地にしっかりと取り付けができていなかった場合、耐荷重に関わらず引っ掛けシーリングごと落下する事故につながります。しっかりと取り付けましょう。
引っ掛けシーリングの取り付け・配線が終わったらシーリングライトを取り付けてみよう
引っ掛けシーリングを取り付ける際には電気工事士の資格が必要になりますが、引っ掛けシーリングが付いたあとは誰でも簡単に照明器具を取り付けることができます。
①引っ掛けシーリングにシーリングライトのアダプタを回してカチッと音がするまではめこみます。
②シーリングライト本体をアダプタに押し付けて確実に取り付けます。
以上がシーリングライトの取り付け方法です。
まとめ
引っ掛けシーリングの取り付け方法と配線について説明しました。引っ掛けシーリングボディの取り付けは電気工事士の資格が必要です。電気配線をさわる作業となりますので火災や感電や落下事故などに十分注意して作業を行ってください。
資格をお持ちの方はぜひチャレンジしてみて下さい。