「家庭用植物工場」を知っていますか

日本の農業は高齢化や後継者不足から、新しい可能性として完全人工光型植物工場が注目されています。
そこでは、水耕栽培とLED照明の最新技術が用いられており、温度や湿度などと共に光の強さ・光の色を最適化して、美味しく栄養がある野菜を提供できるようになりました。

この仕組みを家庭用にダウンサイジングしたものが「家庭用植物工場」です。
家庭用植物工場は、手間がかからず、無農薬の美味しい野菜が、1年中何回も自宅で作れると評判です。
この記事では、家庭植物工場について紹介しています。

家庭用植物工場とは?

一般的な家庭用植物工場とは、土を使わない水耕栽培と光合成を促す太陽光の代わりとなるLED照明を組合わせた装置のことです。
密閉または半密閉式の透明（ガラス）ケースに入った装置や、水耕栽培の装置にLED照明を付けたオープンな装置があります。

ベランダ菜園などと異なり、土を使わずまた太陽光が当たらない室内でも、野菜や花が育てられるようになっています。
葉物野菜やハーブ、トマトなどが短期間で収穫でき、採れたてのフレッシュな野菜を食卓で楽しめます。
また、生育状態を毎日見ながら暮らせることも魅力です。

装置はインテリアとしても使えるよう、見た目もスマートでおしゃれなデザインとなっています。
大きさは比較的コンパクトなので、電源が確保できればリビングやダイニングにも無理なく置けます。
LED照明を点灯すると、緑色の葉やトマトの実の赤などが映えて、とてもきれいで落ち着いた雰囲気を演出してくれます。

水耕栽培は土を使わず水と液肥で栽培するため、害虫による影響も少ないです。
水やりも頻繁にする必要がないので、何泊か旅行に出かけて留守にしても安心です。
天候に影響されることがないので安定して育てられ、初期費用こそかかりますが、何度も収穫できます。

家庭用植物工場に必要な物・費用

家庭用植物工場に必要な物は、全て一体化された装置を購入した場合は消耗品と液肥、そして野菜の種程度です。
消耗品とは、植物を支える土の代わりをするスポンジのことで、安価に購入できます。
液肥はメーカーから供給されるものか、市販のものを調達すればよく、それ以外にかかるのは、電気代くらいです。

自分で水耕栽培のキットとLED照明を購入して、家庭用植物工場とすることも十分可能です。
市販の水耕栽培キットは、栽培容器と植物を支える土代わりのスポンジ培地、養液と酸素を根に届けるポンプなどで構成されています。
大きさは50㎝幅程度の小さめサイズが、置き場所やLED照明との組合せを考えるとよいでしょう。

組わせるLED照明も色々市販されています。
サイズや性能を良く調べて購入しましょう。
特に、照射範囲は重要なので、栽培する範囲をなるべく均一に照射できるLED照明を選びましょう。

植物工場にはLEDが適している

植物の成長には、光合成が欠かせません。
光合成とは、光エネルギーを使って成長に必要な有機化合物を合成することを言います。
植物工場では、太陽光で光合成を行う代わりに、LED照明を使っています。

家庭用植物工場に使うLED照明

家庭用植物工場にも、赤色LEDと青色LEDを組み合わせて使うことも可能ですが、お部屋の雰囲気を崩すので、実際に使用するなら、白色LED照明をおすすめします。
白い光を発するには、赤・緑・青の「光の三原色」を利用しているものや、青色LEDにより、黄色蛍光体を光らせるタイプがありますが、どちらも生育に必要な赤色や青色の波長を含んでいます。

家庭用のちょっとした栽培であれば、わざわざ赤色LEDと青色LEDの2種類を用意しなくても、普通の白色LED照明で栽培することができます。
白色LED照明を選ぶ際の注意点は、光量と照射範囲です。

植物の育成には十分な光量が必要なので、目安としては白色LEDで光源直下20ｃｍ～30ｃｍの位置で10,000ルクス程度の明るさの器具を選びましょう。
LED照明は光の指向性が強いので照射範囲に制約がありますが、栽培する植物に均一に光が当たる製品を選びましょう。
場合によっては、光を広範囲に当てるため、複数のLED照明が必要になることもあります。

家庭用植物工場でおすすめの葉物野菜

実際に家庭用植物工場を導入したら、植物の生育過程を見て楽しんだり癒されたりするだけでなく、新鮮な野菜を収穫して食べる楽しみがあります。
ハーブやレタスのような葉物野菜が栽培の中心となりますが、LED照明によって生育が促進されるので、発芽してから約1か月で収穫ができます。
1か月間でかかる費用は、電気代と培地のスポンジや種や液肥を入れて数百円程度がかかります。

LED照明は、天気に左右されることなく生育するため、比較的簡単に収穫できます。
LED照明で育てた野菜は、病害虫の心配が少ないため、無農薬で安心して食べられます。
また水耕栽培との相乗効果で、みずみずしく、栄養価が高く、美味しいと好評です。

季節や天候に左右されず、１年中安定して野菜を収穫できることも、家庭用植物工場のメリットです。
養液とスポンジセットして、スポンジに種をセットしてタネが発芽する前くらい状態にして発芽したら、LEDの光を照射して、養液（液体肥料＋水道水）が少なくなったら養液を継ぎ足すとどんどん生育して、収穫できます。
手間がかからず、美味しい野菜が自分の家で収穫できることは、とても魅力がありますね。

家庭用植物工場でのLED水耕栽培に向いている植物には、以下のようなものがあります。

・バジル
・ミント
・ミニトマト（レジナトマト）
・ブロッコリースプラウト
・カイワレ大根
・サニーレタス
・小松菜

まとめ

美味しい野菜が簡単に栽培できる、家庭用植物工場を紹介してきましたが、その魅力を分かって頂けたでしょうか。
初心者でも失敗が少ない水耕栽培と、植物の生育に適したLED照明の組合せで、家庭菜園がとても身近になりました。

機能だけでなく、インテリアとしてのデザインにも優れた家庭用植物工場は、複数のメーカーから販売されています。
また、レンタルのサービスもあります。
興味を持たれたら、レンタルも含め導入を検討してみてはいかがでしょうか。

いつも美味しい野菜が暮らしの中にある、新しい生活が始まりますよ。