天井に取り付けられる照明の種類は豊富で、取り付ける照明によって部屋の雰囲気は大きく変えることができます。天井につけられる照明の種類とそれぞれの照明器具の特徴を知って、天井照明を楽しみましょう。
天井につけられる照明の種類
天井に取り付けられる照明はシーリングライト・ペンダントライト・シャンデリア・ダウンライト・スポットライトの5種類あります。この5種類の照明のそれぞれの特徴は以下になります。
シーリング
シーリングライトは天井に直接くっついているような照明のことです。5種類ある照明の中で1番、1灯のみで部屋全体を明るく照らすことができます。白い円盤状のシーリングライトは賃貸でついていることが多いですし、誰もが知っているくらいメジャーなシーリングライトだと思います。
白い円盤状のデザインのイメージが強いかもしれませんが、それだけではなく木やガラスなどでつくられたお洒落なデザインのシーリングライトもたくさんありますよ。
ペンダント
ペンダントライトは天井から吊り下がった照明のことです。引っ掛けシーリングに直接取り付けるタイプとダクトレールにつけられるダクトプラグタイプの2種類の取り付け方が一般的です。天井から吊り下がっており、低い位置に光源がくるので光が届く範囲は狭く、部屋全体を照らすことには適していません。もちろんペンダントライトを天井にたくさん取り付けるのなら話は別ですが、どちらかというとダイニングテーブルの上や玄関先などポイントで使われることが多いです。
ペンダントライトのデザインは豊富で、1灯でも多灯使いでも、部屋をお洒落にしてくれる照明器具です。カフェでもよく使われています。
シャンデリア
シャンデリアは天井から吊り下げられた照明器具です。基本的に重量が重いものが多いため引っ掛けシーリングやダクトレールにつけられず、天井にしっかりと固定するため電気工事が必要なものが多いです。
吊り下げ式なのだからペンダントライトと同じ種別なのでは?と疑問に思う方もいらっしゃいますが、シャンデリアは「シャンデリア」という照明カテゴリーで確立しています。なぜかというとシャンデリアは中世ヨーロッパ、電気照明の代わりにろうそくを照明とする時代に1つの器具でろうそくを数本たてられるようつくられた歴史の深い照明器具です。その形は特徴的で、時代とともに豪華な装飾が施され、発展し電球が使われるようになっても当時のシャンデリアのかたちは私たちがシャンデリアと聞いてイメージできるくらい浸透しています。
しかし、実はシャンデリアとペンダントライトは定義的には同じで、今では豪華な装飾のないシックなデザインのシャンデリアもあります。どちらもデザインは豊富にあり、ペンダントライトとシャンデリアの区別はメーカーによってそれぞれです。ですので今では区別があまりできないデザインのものもあります。しかしあまり深く考え込まずに1灯の器具に光源が複数ついていて装飾的なものをシャンデリアと区別すれば良いかもしれません。
ダウンライト
ダウンライトとは天井に光源を埋めこんだ照明のことであり、シーリングライトやペンダントライトなどと違い照明器具が目立たず、天井をフラットに見せてくれます。
ダウンライトは他の照明と違い絶対に工事が必要となる照明器具です。工事した後は位置や数などを手軽に変えることができないので、取り付けの前に慎重に配灯デザインを吟味する必要があります。
多灯使いすればメイン照明としても使えますが、シャンデリアやペンダントライトなどのメイン照明の補助として使われることも多く万能な照明器具です。最近は照明デザインをダウンライトのみで仕上げた都会的なお家やお店も多く見られます。
スポットライト
スポットライトは光源を向けている方向に集中的に光を当てて照らすライトです。ピンポイントで照らしたい対象物(絵やオブジェ、観葉植物など)を照射し目立たせることができたり、壁や天井に光を当て反射させ、間接照明のようにも使うことができます。
スポットライトもダウンライトと同じく多灯使いすればメイン照明とも使えますし、他の照明の補助としても使える照明器具です。
引っ掛けシーリングに直接付けるタイプとダクトレールにつけられるダクトプラグタイプの2種類が代表的な取り付け方です。
スポットライトは光の向きを変えられるので汎用性も高く、ダクトレールがあれば位置も気軽に変えられるのであまり失敗がありません。器具のデザインはそこまで豊富ではなくシンプルなものが多いですが、特徴として配光(光の広がる角度)があります。大きくわけて狭角・中角・広角・拡散とあり、空間全体を照らしたい場合は拡散か広角、集中的に対象物を照らしたい場合は狭角など使い分けたり、使い方によってどのタイプがいいか、自分のつくりたい空間のイメージにあわせて購入してみてくださいね。
5種類の天井照明を様々な組み合わせで使おう
前述した通り天井に取り付けられる照明は5種類あり、それらは単体で使うのも良いですが組み合わせるとお部屋のインテリア的にも、空間の使い勝手も良くなります。
以下にある図はメイン照明と補助照明、目立つ器具と目だたない器具の2軸で各照明器具を分布させたものです。プラスでメイン照明として使える(A)グループ、メイン照明としても補助照明としても使える(B)グループでグループ分けされてあるので、こちらの図をまじえて例を出しながらお話していきます。
※デザインによって分布は変わることもあります。照明器具によって分布は変わりますが、大体の目安として参考にしてください。
メイン照明(A)×補助照明(B)
お部屋のメインとなるようなAグループの照明器具と補助照明として使えるBグループの照明器具の組み合わせは一番メジャーかもしれません。
テレビの前やダイニングテーブルの上など人が集まる場所や、お部屋の中心にメイン照明(A)を設置し、メイン照明(A)の光源が届かない場所だったり部屋の隅などの暗がり部分に補助照明(B)を配置します。
お部屋が広い場合は1灯じゃ光を確保できないので補助照明は必ず必要になります。メイン照明を天井にたくさん取り付けるのはかっこ悪いですよね。逆に狭い場合は1灯だけでも十分で、補助照明がいらない場合もありますね。
メイン照明(A)×メイン照明(A)
これは部屋の大きさと部屋の配置によるパターンです。例えば部屋が分けられていなくて、リビングダイニングなどの居室がワンルームにあるプランも多いですよね。その場合リビングスペースにはシーリングライト、ダイニングスペースにはペンダントライトを置いてもおかしくないです。むしろ照明器具を使い分けることでスペースが区切られていなくても空間わけができるので良いと思います。
メイン照明(A)×メイン照明(B)
こちらも部屋の配置によります。例えばダイニングとキッチンが同じ空間にある場合、ダイニングはペンダントライト、キッチンはスポットライトをメイン照明として使うパターンです。Bグループは多灯使いすれば光源が十分確保できます。スポットライトやダウンライトは器具の存在感があまりなく、邪魔にならない小型器具なので、キッチンにも向いています。
メイン照明(B)×補助照明(B)
スポットライトとダウンライトのBグループだけで照明計画をする方法です。この組み合わせの特徴は照明器具が目立つことがないので他のインテリアの邪魔にならず、スタイリッシュでフラットなお部屋にすることができます。お部屋の天井高が低い場合もダウンライトだと天井からの器具の出っ張りがないので圧迫感をあたえることがなくていいですね。
ペンダントライトは部分的に補助照明として使える
Bグループからは外していますが、ペンダントライトは補助照明として使うこともできます。例えば裸電球1灯のみなど小型で明るさがそれほど強くないペンダントライトもたくさんあります。そういった小型のものは光源がほしい場所、足りない場所に上から吊り下げるとインテリアとして空間のポイントにもなりますし光源も確保できます。メインとしても、部分的にもつかえる照明です。
まとめ
いかがでしたか?使う部屋や部屋同士の配置、部屋の大きさや天井の高さなどによって照明の組み合わせは何通りもあります。紹介したものは一部であり、参考にしていただけたら幸いです。自分の部屋やインテリアに合った照明器具や照明の組み合わせを楽しんでくださいね。