照明器具を直付するときには、電気工事が必要になります。
直付は天井から出ている配線コードに照明器具の配線コードを結束させて天井に取り付けることです。直接配線をいじるため、電気工事士の資格を持っていないと取り付けることができないので、工事を手配することになります。
工事を頼めばどうしても気になるのが金額です。一体、どのくらいの費用がかかるのか、また、工事を頼む時にはどんな事に気をつければいいのかを見ていきましょう。
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直付照明ってどんな照明のこと?
天井に付ける照明器具の取り付け方法は、「引掛シーリング」か「直付」のどちらかになります。
まず1つ目の「引掛シーリング」は、天井に設置されている引掛シーリングボディと照明器具側の引掛シーリングキャップを引っ掛けて取り付ける方法です。これは自分でもできるやり方です。
2つ目の「直付」はその名の通り、天井に直に照明を付けることで「直結(ちょっけつ)」と呼ぶこともあります。天井から出ている電気配線コードと照明器具のコードをつなぎ、直接、天井に照明器具を固定させる方法です。
ただし、直付は配線工事が必要となります。
工事を行えるのは資格のある電気工事士になります。
電気工事士は電気工事の作業に従事できる資格を持っている人のことです。電気設備の安全を守るために工事の内容によって、一定の資格のある人でなければ電気工事を行ってはならないと法令で決められているからです。
電気工事士は第一種、第二種があり、作業に従事できる範囲が異なります。
第一種は第二種の範囲と最大電力500キロワット未満の工場、ビルなどの工事に従事でき、第二種は 一般住宅や店舗などの600ボルト以下で受電する設備の工事に従事できる資格となっています。
直付照明の工事を行う前に確認するポイントとは?
使う目的や好みによって部屋の照明器具は違ってきます。
たとえば、寝室はできるだけ暗くしたい! という人もいれば、寝室で本を読んだり、テレビを見るので明るい場所と暗めな場所を両方作りたいという人もいます。それに子ども部屋ならなるべく明るくしたいという人もいるでしょう。
また、部屋によっても照明器具の種類や取り付け方法も違ってきますし、それぞれに適した機能もあります。
たとえば玄関、トイレ、浴室は直接付ける直付け照明を、居間、子ども部屋、寝室ならカチっとハマるシーリングにし、リモコン操作できればさらに快適に使えるようになるはずです。
また、和室なら部屋のデザインに合わせた、吊り下げ式の和風のペンダントなら全体的にバランスが取れるようになることでしょう。
もちろん、照明器具のデザインの種類はたくさんあるので迷ってしまいますが、部屋の広さや雰囲気に合うようなデザインのものを選ぶ必要があります。ですから、好みだけでなく全体的に考えること、専門業者さんのアドバイスも聞いた上で照明のデザインを判断するようにしましょう。
照明器具工事の相場は?
照明工事の価格は、工事内容や箇所、そして状況などによって変わってくるため一概には言えませんが、相場としては、直付照明は1箇所につき、取り付け、取り外し共に5,000円前後となります。
追加の器具取り付けやスイッチ取り付けは5,000円前後、配線の増設を伴う場合は8,000円前後が目安となります。
配線器具を交換する必要がある場合は追加で5,000円程度がかかります。そのほか作業料などもかかるため、おおよそ工事をしてもらうと数万円~と考えると良さそうです。
また、照明器具を追加したことで、コンセントの容量が足りなくなった場合も工事が必要になり、こういうところにも料金が発生します。コンセントの増設工事はおおよそ3,000~5,000円ほどです。
その上、戸建てやマンション、木造や鉄骨などといった構造の違い、新設か増設か、それとも交換だけかと内容によっても異なってくるため、費用にもかなりの違いがでてきます。
また、外してもらってから付けるのか、付けるだけなのかでも違ってきますし、吹き抜けなどに付ける場合も注意が必要です。高さ制限があったり、それ以上だと料金がかかったりするため、事前にどのくらいの高さがあるかを調べておくようにしましょう。
直付照明でもシャンデリアのような重い照明を取り付ける場合は、取り付け代として20,000~40,000円程度となります。重い照明を付ける場合は注意が必要で天井の補強工事が必要になることもあります。この場合はかなり大がかりな工事となってしまうため、それなりに金額もかかってきます。
ダウンライトなら20,000~35,000円程度がかかります。穴を開ける場合や個数によっても工事費は違ってきます。
また、業者によっては出張料金などにも違いが出てくるということも考えられます。
直付照明器具の増設だけなら比較的安価に設置できますが、このように状況によって価格が違ってくるので、事前に複数の見積もりを取ってしっかりと確認しておくようにしましょう。
毎日使う照明器具ですので、維持費やメンテナンスなども考えてから選んでおくようにしてください。
直付照明工事を依頼するときのポイントと注意点
直付照明を付けたい時は業者を依頼しなければいけないことがわかりました。
ただ、工事を頼んだらどのくらいの工事費がかかるのかわかりませんし、そもそも電気工事というのはどんな工事をしてくれるのでしょうか。
電気工事とは?
電気工事を頼むといえば、エアコンの取り付け、取り外しを思い浮かべると思います。
もちろん、直付照明の工事を頼むのですから、照明を取り付けてくれるというのは何となくわかると思います。
そのほか、電源コンセントやスイッチの新設・移設・増設、ブレーカー新設・電圧切り替えなどのアンペアの増設工事など電気に関することならたいていのことは行ってくれます。
電気工事を行うには電気や配線の知識のほか、それなりの技術も必要です。知識と経験がない人が行ってしまうと感電や火災の恐れがあるため、照明の増設および新設には電気工事士(第二種)の資格が必要となります。
このような理由から直付照明を取り付けるためには、電気工事を頼まなくてはいけないのです。
他にわからないことや要望などがあれば、前もって相談しておき、ついでに見積もりを立ててもらうようにしましょう。
部屋に合わせた照明を選ぶ
照明を選ぶポイントは部屋の用途に合わせることが大切です。
たとえば和室なのに洋風の豪華シャンデリアを付けるのはおかしいでしょうし、子ども部屋にも似合いません。部屋の使い方によって照明は変わってくるので、部屋に合わせた照明を選ぶことがポイントになります。
また、同時に明るさを考えることも大切です。
明る過ぎても困りますが、暗過ぎても使い勝手はよくありません。適切な配置を行うことが必要になりますが、広い部屋ならスイッチの位置なども考えるようにすると便利に使えるようになります。
明るさやデザイン性はもちろんですが、予算なども重要なポイントになります。
もちろん、照明はそう何度も変えるものではないので、5年先、10年先を見越した照明を選ぶようにしておくことも大切です。
工事費を比較する
工事費はケースバイケースですから、まず、どこをどうしたいということをはっきりと決めてから、相談するようにしましょう。
あれもこれもではいくらお金があっても足りませんし、相談してもなかなか決まりません。何より、何度も工事を頼むようでは工事費もかさんでたいへんです。
また、日頃、電気工事を頼むことはあまりないので、近所に工務店や電気工事店などがあればいいのですが、そうでない場合はネットで検索して探すという方法もあります。
ネットで業者を探すなら見積り無料というところもありますし、メールでやりとりもできるので、なかなか電話では言えない細かいところも聞きやすいというメリットがあります。
照明を購入した店で設置工事を申し込めるところもあります。商品を持って来てもらう時に一緒につけてもらえば安くつきますが、持ち帰った時やすでに発送済みだと別途出張料を取られることもあるので、事前に確認をしておきましょう。店舗で買えば設置場所、追加料金などの相談も購入の際、しっかりと聞いておけば安心できます。
見積もりを確認する
見積もりが来たら、金額だけを見るのではなく、詳細もしっかり確認するようにしましょう。細かく内訳を出してくるところもあれば、おおざっぱなところもあるので内訳は見る必要があります。しかし、中には「これって何代なの?」ということもあるでしょう。
そんな時はわからないまま進めてしまわず、しっかりと聞くようにすることが大切です。
金額だけ見て、ここが一番安かったからと決めてしまうと、後でちょっとしたことでも追加されてしまい、結局一番高く付いてしまったということもあります。
複数社から見積もりを取ってみて、信頼できるところに頼むようにしましょう。
まとめ
照明器具のデザインや金額ばかりに目が行ってしまうと、どうしても部屋をどう使えばいいか、どう使うと便利なのかを忘れてしまうものです。
照明を変えたのは部屋の雰囲気を変えてリラックスしたい! 快適に過ごしたい! という思いからだったはず。ですからそれを最後まで忘れないようにすることが大切です。
たとえば、寝室ならリモコン機能の追加、階段には離れた場所から同じものをON/OFFするときに使用するスイッチ「三路式スイッチ」の採用など、生活する上で便利なものを積極的に取り入れてください。
「工事したことで今まで以上に快適な生活が送れるようになった!」と思えることが何より大事です。