新しく照明器具を購入しようと思っている方は、事前に取り付け方などを確認しておくことをおすすめします。
あらかじめ照明器具を設置する場所や取り付け方法についてチェックしておけば、取り付けられない照明器具をうっかり購入してしまうこともなく安心です。
ここでは、照明器具を購入する前にチェックしておきたいポイントと、シーリングライトやペンダントライト、ダクトレール照明を取り付ける際の一般的な手順などをご紹介します。
目次
取り付け方も調べておこう! 照明器具を購入する前のチェックポイント
照明器具を選んで購入する際には、設置したい場所に適しているかや問題なく使用できるかをあらかじめ確認しておきましょう。
せっかく気に入って購入した照明器具でも、取り付けようと思っていたところで使えなかったり、使いづらかったりしては残念ですよね。そんなことにならないよう、あらかじめ設置場所と購入する照明器具についてチェックしておくべきポイントをご紹介します。
設置する場所についてのチェックポイント
まずは照明器具を設置しようと考えている場所について、事前に確認しておくべきポイントを見ていきましょう。
配線器具の有無と種類や状態
照明器具を取り付けたい場所に、配線器具があるかどうかを確認しましょう。配線器具が設置されている場所であれば、対応する照明器具を自分で取り付けることができます。
配線器具の種類や形状にはいろいろなものがあり、種類が合わなければ取り付けられない照明器具もあります。照明を取り付けたい場所にどのような配線器具が付いているのかについても確認しておきましょう。
照明用の配線器具の種類には、主に以下のようなものがあります。
・角型引掛シーリング
・丸型引掛シーリング
・丸形フル引掛シーリング
・フル引掛ローゼット
・引掛埋込ローゼット
これらの配線器具がある場所なら、基本的には対応する照明器具を選べば問題ありません。ただし、破損やガタつきがある、電線が露出しているなどといった異常が認められる場合、そのまま使用するのは危険です。この場合、配線器具の取り換えには電気工事士の資格が必要となるため、専門業者に工事を依頼しましょう。
配線器具が設置されていない場所に新たに配線器具を設置したり、直接照明器具を取り付けたりしたい場合にも、有資格者による電気工事が必要となります。
天井の傾斜や凹凸の有無
配線器具とともに、天井の傾斜や凹凸についても確認しておきましょう。シーリングライトなど、基本的に水平かつ凹凸のない天井にしか対応していない製品も少なくありません。
・傾斜のある天井(傾斜天井、勾配天井、船底天井など)
・桟のある天井(竿縁天井、格子天井など)
・その他凹凸のある天井(外部配線や突出部など)
上記のように、設置したい場所に傾斜や凹凸がある場合、対応していない照明器具があることをおぼえておきましょう。ただし、別売のパーツなどを合わせて使用することで取り付け可能になる製品もあるので確認してみることをおすすめします。
購入する照明器具についてのチェックポイント
設置したい場所について確認したら、購入しようと考えている照明器具について以下のような点をチェックしておきましょう。
照明の種類と使用目的は合っているか
照明器具にはさまざまな種類があり、照らす範囲の広さや照らし方など特徴も種類によって変わってきます。
部屋全体を照らす目的なのに、狭い範囲しか照らせないタイプの照明器具を選んだのでは、取り付けることができても目的を果たせませんよね。
全体照明用なのか補助照明用なのか、あるいは間接照明のようにインテリア性を重視したものなのかといった目的を明確にして、その目的に合う特徴を持った照明器具を選ぶことが大切です。
部屋の広さに適した明るさか
照明器具には適用畳数というものがあります。その照明が、何畳ぐらいの部屋で使用するのに適した明るさなのか、目安となるようカタログやWebサイトなどに表示するものです。日本照明工業会によって表示基準が定められているため、どのメーカーの照明器具であっても、同じ適用畳数の照明器具であれば、ほぼ同等の明るさが得られます。照明を選ぶときは適用畳数にも注目し、取り付ける部屋に適した明るさの照明なのかどうかを確認しましょう。
ただし、年齢によっても最適な明るさは変わってきます。若い人には適用畳数と同等の明るさが適していますが、中高年や高齢の方には適用畳数より少し明るい方が使いやすいケースが多いです。どんな人が主に使う場所なのかも考慮して、適切な明るさの照明器具を選ぶようにしてください。
照明器具の取り付け方①シーリングライト
シーリング(ceiling)とは「天井」を意味する言葉です。シーリングライトは、天井面にくっつける形で設置するタイプの照明器具のことを言います。高い位置から部屋全体を均一の明るさで照らすことができるため、全体照明として使われます。
基本的にシーリングライトはカバーでランプ部分を覆うタイプが多く、デザインも丸型やスクエア型など比較的シンプルな印象のものが多いです。天井に直付けするという設置方法と、形状のシンプルさから、天井や部屋全体をすっきりと見せる効果が得られやすい照明です。
シーリングライトの取り付け方は製品によって細かい部分は異なりますが、ここでは一般的な製品(本体とアダプターがセットになっていて、カバーを付けて使用するもの)を取り付ける際の手順をご説明します。
①配線器具(引掛シーリングやローゼット)に、シーリングライトに付属しているアダプターを取り付けます。カチッと音がするまでしっかりとはめ込みましょう。
②アダプターに本体を合わせて押し上げ、しっかりと取り付けます。
③アダプターと本体の端子を接続します。
④カバーを取り付けます。カバーの取り付け方も製品によって異なりますが、本体とカバーそれぞれの目印の位置を合わせてまっすぐに持ち上げ、時計回りに回転して固定するタイプが多いです。
照明器具の取り付け方②ペンダントライト
ペンダント(pendant)とは吊り下げて用いる装身具や道具を指す言葉です。ペンダントライトは、天井からコードやチェーンで吊り下げて設置するタイプの照明器具のことを言います。
大型のものを高めの位置に取り付けて全体照明としたり、小型のものをダイニングテーブル上など低めの位置に取り付けて部分照明としたりと、大きさや吊るす高さなどによってさまざまな使い方ができます。
ペンダントライトは天井より低い位置に設置することになるため視界に入りやすく、大きさやデザインのバリエーションが豊富です。シンプルなものから装飾の多いもの、カラフルなもの、和風、アンティーク風、北欧風など、部屋のインテリアテイストに合わせて選ぶことができるのが魅力です。
ペンダントライトの取り付け方は、製品の形状や重量などによって異なります。ここでは一般的な製品(5kg以内でコードで吊り下げ型、フランジカバーを付けて使用するもの)を取り付ける際の手順をご紹介します。
①配線器具(引掛シーリングやローゼット)に、ペンダントライト本体のプラグを差し込み、回転させて固定します。
②フランジカバーをかぶせ、ねじなどで固定すれば取り付け完了です。
照明器具の取り付け方③ダクトレールを使用する場合
ダクト(duct)とは導管を意味する言葉です。ダクトレールは、照明器具を天井に設置するためのバー状の器具のことを言います。
ダクトレールの内部には電流が通っていて、レール上であればどこにでも対応する照明器具を取り付けることができます。また、重さやワット数の許容範囲内で複数灯の照明器具を取り付けることが可能です。
家庭の天井照明といえば一灯のシーリングライトやペンダントライトで全体を照らすものが主流ですが、近年はカフェ風のインテリアなどをお手本に家庭の照明にも多灯照明が取り入れられるようになってきています。ダクトレールは手軽に多灯照明を実現しやすく、インテリア好きの人などの間でじわじわと人気が高まっているのです。
自宅に本格的なダクトレールを設置するには、天井や配線の工事が必要なため、通常は新築時やリノベーション時などに施工するのが一般的です。しかし、天井の配管器具を使って設置するタイプのものであれば、自分で後付けすることが可能です。
ここでは、「簡易式ダクトレール」と呼ばれる、引掛シーリングに取り付けるダクトレールの一般的な取り付け方の手順をご紹介します。
①配線器具(引掛シーリングやローゼット)に取付金具をしっかりと取り付けます。金具の構造や取り付け方は製品により異なるので、取扱説明書などで確認したうえで行いましょう。
②ダクトレール本体と取付金具それぞれのコネクターを接続します。
③ダクトレール本体を取り付け金具に固定します。ボルトなどで固定する製品が多いです。
④ダクトレールの両端についているアジャスターを調節して、レールが水平になるようにすればダクトレールの取り付け完了です。
⑤ペンダントライトやスポットライトなど、ダクトレールに対応する照明器具(ダクトプラグ)を取り付けて使用することができます。
まとめ
照明器具を購入する前にチェックしておきたいポイントと、シーリングライトやペンダントライト、ダクトレール照明を設置する際の一般的な手順をご紹介しました。
せっかく新しく照明器具を購入するなら、間違いのないものを選びたいですよね。取り付けたい場所の条件などをきちんと確認したうえで、お気に入りの照明を見つけてください。