デスクライトの設置方法には、3種類あるのをご存知ですか。
安定感があり、置くだけで使える「スタンド式」、机を挟んでしっかり固定し、スペースをとらない「クランプ式」、自由に取り付けられる「クリップ式」です。
今回は、クランプ式のデスクライトに焦点をあてて、選ぶメリットや、クランプ式のデスクライトを使ったインテリア例をご紹介します。
「クランプ式」とは
まず、「クランプ」とは何でしょうか。クランプとは、器具などを挟んで、他の物に固定するための、ねじのついたコの字型の金具のことです。クランプ式のデスクライトは、このクランプと呼ばれる部品を用いて、机の天板や、棚のポール、ベッドサイドの引き出しの板などを挟み込み、ライトを固定します。
「クランプ式」はこんな人向け
クランプ式デスクライトが特にニーズにマッチするのは、こんな方です。
- デスクライトを設置しようと思っている机の面積が小さい。
- 仕事の資料や、作業の材料を机いっぱいに広げることが多い。
- できるだけ、邪魔にならないようにデスクライトを使いたい。
- デスクライトは一カ所に固定し、持ち運ぶことはあまりない。
- 向きや角度を調整しやすいデスクライトがほしい。
- 上方から、全面的に机を照らしたい。
皆さんは、どれくらい当てはまりましたか。自分が欲しいデスクライトとは、ちょっと違うと感じられた方は、もしかしたら「スタンド式」あるいは「クリップ式」の方がいいかもしれません。長く使うアイテムなので、焦らずにニーズにあったデスクライトを選んでみてください。
それでは、これからクランプ式デスクライトのメリット、そして購入時の注意点をお伝えしていきます。
クランプ式のメリット
クランプ式のメリットは2点あります。
① スペースが広くなる
スタンド式と呼ばれるデスクライトは、机の上に置く土台(ベース)の分だけ、使えるスペースが小さくなります。しかし、クランプ式であれば、金具の「クランプ」部分だけあれば、デスクライトが設置できるので、机の上を有効に活用できます。資料や本を広げるなど、デスクを全面的に使いたい場合、あるいはもともとデスクの面積が小さい場合、このクランプ式のデスクライトは特におすすめです。
② 広範囲を照らしやすい
クランプ式は、アームが長いデスクライトが多く、上から全面的に照らすことができます。また、アームの可動部分が多く、ボルトでしっかり締めて固定されているので、高さや角度の調節が容易です。微調整ができるため、時間帯や作業内容によって、自分にあった位置に光源を設置しやすくなっています。ですが、クランプ式デスクライトと一言で言っても、ヘッドのサイズも、アームの動き方もよりどりみどりです。用途と自分のデスクの大きさに合うデスクライトを選ぶことが大切になってきます。
クランプ式を選ぶ前に要注意!
クランプ式デスクライトは、スペースさえあれば使えるスタンド式や、挟むだけのクリップ式に比べて、使える対象が限られています。逆に、上手に選ぶならば、使用環境に、究極的にマッチしたデスクライトとして使えるというメリットにもなるということです。クランプ式デスクライトを購入する前に、注意しておきたい点が4つあります。
① 設置する天板のサイズと素材
クランプには、挟める天板の限度があります。天板が厚すぎると、取り付けることができません。天板がうすすぎると、デスクが傷ついてしまったり、固定できず倒れてしまい、事故につながりかねません。設置したいと思っている天板の厚さ、そして購入しようと思っているデスクライトのクランプの取り付け可能な範囲をよく確認しましょう。それから、ガラス素材の天板は、通常取り付けられないのでご注意ください。どうしてもガラスの天板にクランプ式デスクライトを設置したいと思う場合は、ガラス専用クランプに取り替えるなど、各メーカーに問い合わせたうえで対応するのがよいでしょう。
② クランプの方向と性能
クランプには、垂直でも水平でも固定できるものと、どちらかにしか対応していないものがあります。デスクライトを設置しようと思っている場所が一カ所だけなら、対応した方向のクランプ式デスクライトを購入しましょう。しかし、デスクだけでなく、ベッドサイドの柵や、スチールラックのポールなどに取り付けて使いたい場合、垂直方向にも水平方向にも対応したクランプ式デスクライトがおすすめです。
クランプは、デスクライトを支える大切な基礎部分です。クランプの根本が弱ければ、荷重を受け止めきれません。そうすると、アームやヘッドを調整する時も全体がぐらつき、動かすたびにストレスを感じるでしょう。こればかりは、実際に店舗に足を運んで確認するか、あるいは商品の評判をよく調べなければわかりません。デスクライトの値段、デザインだけではなく、クランプ部分の性能も購入前には要チェックです。
③ 持ち運びに不向き
クランプ式デスクライトは、基本的には固定式です。最近は、女性やお年寄りでも簡単に取り外し可能なクランプ式デスクライトも増えています。しかし、頻繁に付け外しをすると、ネジのゆるみなどにより、クランプ部分が弱くなってしまう可能性があります。何より、手間がかかってしまいます。寝室、書斎、リビングと、1つのデスクライトをあちこちで使用するのであれば、スタンド式かクリップ式の方がよいでしょう。
④ ヘッド・アームの自由度
このアームの性能は、値段に比例することが多いです。実際、安価なクランプ式デスクライトの中には、重力に負けてしまい遠くまで伸ばそうとすると下がってくる、あるいは、ヘッドの角度が調節できずにLEDの光が直接目に入ってきてしまう、といったレビューが散見されます。目の健康を守り、快適に作業を進めるうえでも、ヘッドやアームに関しては、値段で妥協しないのが一番です。
クランプ式デスクライトのインテリア例
それでは、実際にクランプ式デスクライトを用いたインテリア例を幾つか見ていきましょう。すてきなお部屋づくりの参考にしてください。
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・本を一冊ひろげたら、もういっぱいになってしまうサイズの小さなデスク。そんなデスクの上だって、邪魔にならないのがクランプ式デスクライトのすごいところです。通りがかった花屋で買った一輪の花を飾り、アンティーク感の溢れたデスクライトの光をいっぱいに受けて、お気に入りの本を読む。人生の至福ともいえる時間が過ごせそうなインテリアのアイディアです。
ホワイトグレーで統一されたインテリアに、違和感なくすっとなじんでしまうデスクライト。こちらは、IKEAの「TERTIAL (テルティアル)」というデスクライトです。向きを変えるだけで、机の上での作業も、ベッドに寝転んでの読書も明るく照らしてくれる、技ありインテリアです。アームがフレキシブルに動きやすいクランプ式のデスクライトだからこその使い方ですね。
食卓にも、デスクライト。フランスの有名な照明メーカーJielde(ジェルデ)社のデスクライトです。職人の手作りで一つ一つ作られているこだわりの一品です。スチールでできた無骨さが、またいい味を出しています。「いただきます」。皆で手を合わせてから、この明かりをつけると、食卓にも何とも言えない柔らかい光が注がれて、家族の団らんのひと時となりそうです。
デスクそのものの天板ではなく、横に置いてある棚にデスクライトを設置して、少し上の方からデスク全体を照らすというアイディア。国産照明では不動の人気を誇る「山田照明」のZライトシリーズのクランプ式のデスクライトです。こんなお部屋だったら、毎日勉強したくなりますね。
女の子らしい、優しい雰囲気がにじみ出るホワイトインテリアです。無印良品のクランプ式デスクライトは、学習机にもぴったりマッチします。設置のスペースをとらないクランプ式デスクライトは、机の上の空間を自由自在に作ることができるので、年齢とともに好みが変わっていってもずっとそばにおいておける勉強道具の一つです。
デスクライトを小さい椅子に取り付けて、間接照明にしました。海外では、デスクライトやスタンドライトなどの間接照明を幾つか用いて、部屋を明るくするのが一般的です。こちらはドイツのSIS社のデスクライト。きっと今まで海外で、同じようにずっと間接照明として愛され使われてきて、アンティーク品として日本にやってきたのでしょう。クランプ式デスクライトだからこそできるインテリア上級者向けの使い方です。
クランプ式デスクライトまとめ
クランプ式デスクライトには、スペースを効率よく使い、自分好みの位置に調整しやすいというメリットがあります。購入する前には、取り付ける予定の天板の厚さ・素材、そしてクランプやアームの精度をよく調べるのが大切です。そして、この傷が後悔しないクランプ式デスクライト選びの助けになれば、幸いです。