照明器具を自分で取り付けできないかと悩んでいる人もいるかと思います。電球を替えることはあっても、照明器具を交換したりすることはあまりないですよね。照明器具の取り付けには電気工事士の資格が必要なので、工務店にお願いする方法が一般的です。ただし取り付ける照明器具によっては、電気工事士の資格が無くても自分で取り付けできるケースもあります。
本記事では自分で取り付けできる照明器具のタイプと取り付け手順をご紹介します。照明器具の取り付けと聞くと難しそうですが、手順を理解して望めば決して難しくありません。照明器具の新規取り付けや交換を考えている人は、ぜひ参考にしてください。
目次
照明器具の取り付けは自分でもできる

照明器具の取り付けは素人でもできることがあります。
一般的に照明器具の取り付けには電気工事が必要になり、電気工事士などの資格を持った人が作業に当たる必要があります。無資格の人が照明器具の取り付けを自分で行うと法律に抵触する恐れがあるだけではなく、感電リスクもあります。
とはいえ無資格でも簡単な照明器具の取り替えなら認められています。照明器具を取り付ける場合、引掛シーリングやダクトレールが既に設置されている場合なら自分で照明器具の取り付けが可能です。
業者に照明器具取り付けをお願いする場合
無資格でも取替可能な照明器具があるといっても、自分で照明器具の取り替えを行うのは不安ですよね。うまく既存の照明器具を取り外しできなかったり、取り付けた照明器具が点灯しなかったりするなど、失敗するかもという不安を感じるでしょう。またそもそも大掛かりな照明器具を新しく取り付けるため、工務店などの業者にお願いするしかない人もいます。
照明器具の取り付けを業者に依頼した場合、だいたい1,500~5,000円程度の費用が掛かります。もちろん取り付ける照明器具の種類によって値段は変動します。シャンデリアなど大掛かりな照明器具になるほど工事費用も高額になるので注意しましょう。また照明器具の購入費用は別途必要になります。
自分で照明器具を取り付ける場合
引掛シーリングやダクトレールがすでに設置されている場合、自分で照明器具の交換ができます。自分で照明器具を取り換える場合、感電しないようにブレーカーを落として、周囲の安全に注意しながら作業しましょう。
引掛シーリングには「角形」「丸形」「丸形露出型」など、様々なタイプのものがあります。一般的な住宅向け照明器具であればどのタイプの引掛シーリングにも対応しているようになっていますが、一部照明器具は対応していないタイプがあります。照明器具を購入する前に、引掛シーリングの形状にも注意しましょう。
照明器具の取り付け方法

以下では照明器具の代表的な取り付け方法についてご紹介します。引掛タイプなら自分で照明器具を取り付けできますが、直接タイプの場合は電気工事士などの資格が必要になるので注意しましょう。
照明器具の取り付け方法1:直結タイプ
電気配線に照明器具の配線コードを直接結束させる方法のことを「直結タイプ」といいます。
直結タイプの照明器具は天井に直付けして固定するので、外から配線が見えないようにカバーが付きます。カバーも直接天井に固定するのですっきりと収まり見栄えも良く、地震などで落下するリスクがほとんどないのが強みです。
ただし直結タイプの照明器具の取り付けは電気配線を触るので、資格がない人は取り付けできません。工務店にお願いして、取り付け工事を行ってもらうよう依頼しましょう。
照明器具の取り付け方法2:引掛タイプ
資格がなくても自分で手軽に照明器具の取り替えができるのが「引掛タイプ」です。既に埋め込んである引掛シーリングに対してプラグを引っ掛けるだけなので、手軽に取り替えできるのが強みです。照明器具の取り外しやアダプターの取り替えは、左右に回すだけで手軽にできる製品が多いです。
ただし引掛シーリングの取り付けには電気工事が必要になるので、工務店にお願いする必要があります。既に引掛シーリングが取り付けてあり、照明器具のみ交換する場合は無資格でも取り替え可能です。また照明器具を取り替えるときは、感電しないようブレーカーをオフにしてから作業を行いましょう。
照明器具を安全に取り付けるためのポイントと注意点
照明器具を取り付ける際には、安全性を確保するためにいくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。 適切に設置しないと、落下や配線トラブルなどのリスクが発生することもあるため、慎重に作業を進めることが大切です。ここでは、照明器具を取り付ける際のポイントと注意点について詳しく解説します。
取り付け前に確認すべきポイント
照明器具を取り付ける前に、以下の点を確認しておくとスムーズに作業が進みます。
取り付ける天井の配線器具の種類を確認する
引掛けシーリング(丸型・角型・フル引掛ローゼット)など、対応している器具の種類を事前に確認しておきましょう。
古い住宅の場合、直付けタイプになっていることもあり、その場合は電気工事士の資格が必要になることがあります。
耐荷重を確認する
天井に取り付ける照明器具の重さが、設置する配線器具の耐荷重を超えていないかチェックしましょう。
特に、シャンデリアや大型のペンダントライトを取り付ける場合は、耐荷重を超えないよう慎重に検討することが重要です。
ブレーカーをオフにする
作業を始める前に必ずブレーカーをオフにし、感電のリスクを防ぎましょう。
また、照明器具の交換前に壁スイッチもオフにしておくとより安全です。
取り付け時の注意点
照明器具を安全に取り付けるためには、適切な手順を守ることが重要です。
照明器具をしっかり固定する
取り付けが不十分だと、使用中に照明が落下する可能性があります。
引掛シーリングの場合は、しっかりと差し込み、回転させて固定することを確認しましょう。
直付けタイプの場合、ネジやボルトを正しく締め、安定しているかチェックしてください。
配線の接続を確認する
電線を接続する際は、しっかりと結線し、絶縁処理が適切にされているかを確認します。
絶縁テープやワゴ端子を使用して、むき出しの配線がないようにすることが重要です。
天井の強度をチェックする
特に古い住宅では、天井の強度が弱くなっている可能性があるため、照明の重量に耐えられるか事前に確認しましょう。
必要に応じて補強材を使用し、天井への負担を分散させることが望ましいです。
取り付け後に確認すべきポイント
照明器具を設置した後は、以下の点を確認し、安全に使用できる状態であることを確かめましょう。
照明が正常に点灯するか
取り付け後にブレーカーをオンにし、スイッチを入れて正常に点灯するか確認します。
点灯しない場合は、配線の接続や電球の取り付けミスがないか再確認しましょう。
ぐらつきや異音がないか
照明器具を軽く揺らして、ぐらつきがないかをチェックします。
使用中に「ジリジリ」「パチパチ」といった異音がする場合は、接触不良や配線の問題が考えられるため、すぐに確認が必要です。
異常な発熱がないか
照明器具が通常よりも熱を持っている場合は、配線の接触不良や過電流の可能性があります。
熱を持ちすぎている場合は、一度電源を切り、原因を調査しましょう。
長期間安全に使うためのメンテナンス
照明器具は一度設置すると長く使うものですが、定期的なメンテナンスを行うことで、安全に使用し続けることができます。
年に1回は固定状態を確認する
ネジの緩みがないか、照明器具がしっかり固定されているかチェックしましょう。
ホコリや汚れを定期的に掃除する
照明カバーや電球にホコリが溜まると、明るさが低下するだけでなく、過熱の原因になることもあります。
配線の劣化に注意する
古い配線や電源コードは、長期間使用すると劣化する可能性があるため、定期的に確認し、異常がある場合は早めに交換しましょう。
取り付け作業を安全に行うためのポイント
照明器具の取り付け作業を安全に行うためには、以下の点を意識すると良いでしょう。
脚立を使用する際は安定した場所で作業する
高い位置での作業は転倒のリスクがあるため、脚立や踏み台を安定した場所に設置して使用しましょう。
作業は明るい時間帯に行う
夜間や暗い部屋で作業をすると、視界が悪くなり危険です。可能な限り日中に作業するのがおすすめです。
分からない場合は無理をせず専門業者に依頼する
照明の配線や取り付けに不安がある場合は、無理をせず電気工事士に相談することが最も安全です。
自分で照明器具を取り付けるなら引掛シーリング
以下では、引掛シーリングを使って照明器具を取り付ける方法についてご紹介します。引掛シーリングの取り付けは業者による電気工事が必要です。しかし既に引掛シーリングがあり、照明器具を取り付けるだけなら一般の人でも取り付けできます。
引掛シーリングの取り付け手順
引掛シーリングを既に利用している場合、まずは付いている照明器具を取り外しましょう。一般的に照明カバーの取り外し方はカバー表面に記載されており、カバーを左右に回転させると取り外しできるモデルが多いです。照明器具の取り付け方法はモデルによって異なりますが、シーリングライトの場合は固定ボタンを解除することで取り外し可能になるモデルが多いです。
引掛シーリングのみになったらアダプターを取り替え、同じ要領で照明器具を取り付け、照明カバーをつけることで取り替えは完了します。照明器具を取り付けるときは、アダプターを照明器具に接続し、そのあとにシーリングライトを照明器具に取り付けるようにしましょう。
ダクトレールに引っ掛けるダクトプラグも自分で取り替え可能
ダクトレールに取り付けるプラグも、自分で取り替えできます。ダクトレールとは、複数の照明をレール上の好きな位置に取り付けできる照明器具です。もともとは店舗用として普及していましたが、最近では住宅向けの簡易取り付けダクトレールも増加しております。
ダクトレール上に装着するダクトプラグも、無資格で取り替えです。ダクトプラグはレールにかませることで取り付けるタイプの、単純な設置方法です。取り付け・取り替えを行うときはブレーカーを落として作業しましょう。
簡易取り付けダクトレールは自分で取り付け可能

既に引掛シーリングやローゼットなどが設置されている場合、簡易取り付け器具を利用すれば簡単にダクトレールが取り付けできる「簡易取付ダクトレール」が普及しています。ダクトレールの上なら自由に照明器具を移動できる、自由度の高さが魅力的です。
簡易取付ダクトレールは電源に簡易取り付け器具を装着し、コネクターとレールを結線し、レール本体を天井に固定することで簡単に取り付けできます。簡易取付ダクトレールの設置に資格は必要ありません。天井から吊り下げるペンダントライトなど、オシャレな照明を利用したいならダクトレールの取り付けがおすすめです。
照明器具を取り付け交換する目安
既に引掛シーリングやダクトレールがある場合、自分でも照明器具を交換できることが分かりました。しかしそもそも、照明器具は交換するべきものなのでしょうか。
実は照明器具は10年に1度の頻度で取り替えるのがおすすめです。照明器具も長期間の使用や経年劣化によって寿命を迎えるもの。できれば1年に1回は自己点検を行い、購入から10年以上経過している照明器具は取り替えを検討することをおすすめします。
照明器具を取り付け交換すべき理由
劣化した照明器具を利用すると、どのような不具合があるのでしょうか。照明器具を10年以上利用し続けると発生する不具合は下記の通りです。
コードの劣化による発煙
プラグやコードの異常発熱・異臭の発生
ソケットの熱劣化・ランプの落下など
どれほど長時間照明を利用していたか、どのような環境下で利用していたかによって照明器具の寿命は変化します。しかし仮にほとんど照明器具を利用していない場合でも、自然劣化によって照明内部は痛むもの。
ケガや火事を防ぐため、購入から10年経過した照明器具は買い替えるよう心がけましょう。
照明器具の取り付け交換を検討すべき兆候
照明器具を取り替える目安は購入から10年ですが、10年以内だからといって取り替えなくても大丈夫というわけではありません。LED照明の寿命は、約4万時間のモノが多いですが、約2万時間で寿命を迎えるLED照明も少なくありません。
よって起きている時間中ずっと照明をつけっぱなしで利用する場合、毎日16時間照明を利用すると仮定して「16時間×365日=5,840時間/年」、1年間で約6,000時間ほど照明を利用する計算になるので、約5年ほどでLED照明の寿命を迎えることになります。
照明の寿命は10年というのは、あくまで一つの目安です。1年に1回は自己点検を行い、異常がないか確認しておくと安心です。
自主点検する際は下記のチェック項目を参考に、照明器具の状態を確認してみましょう。
スイッチを入れても時々点灯しない・点滅する・点灯まで時間がかかる
プラグ・コードが異常に熱い・異臭がする・変形している
ランプの端部が極端に黒化している・ランプの色味が変化している
照明器具に変形・破損・ゆるみなどが確認できる
一般社団法人 日本照明工業会「安全チェックシート(住宅用照明器具)」
まとめ:照明器具の取り付けは業者へ依頼すると安心です
大掛かりな照明器具の取り替えや配線工事などが必要な場合、工務店にお願いして照明器具を取り付ける必要があります。しかし引掛シーリングやダクトレールをそのまま利用するのであれば、自分でも照明器具を取り替え可能であることが分かりました。とはいえ自分で取り換えることが不安な人もいるでしょう。不安な人は、工務店にお願いして照明器具の取り付けを依頼してみてはいかがでしょうか。
照明器具は購入から10年経過するか、1年ごとの自主点検の際に異常を確認したら取り替えることをおすすめします。劣化した照明器具を使用し続けると、ケガや火災の原因になります。
照明器具の取り付け・取り替えをご検討であれば、50年以上の歴史を持つデザイナーズ照明メーカー「オリンピア照明」の通販サイト「MotoM」をチェックしてみてはいかがでしょうか。機能面はもちろん、デザイン性にも力をいれた照明器具を取り扱っており、ウェブ上で商品の仕様確認はもちろん、そのまま通販で購入することもできます。
照明器具の取り付けを考えている人は、ぜひ一度ご確認ください。