普段トイレを使用するとき、照明に注目することは少ないかもしれません。 でも、照明はトイレの居心地の良さを左右する重要なポイントの一つです。
新築やトイレリフォームにあたってトイレ空間をプランニングする際は、便器・便座などの設備だけでなく、照明をはじめとしたインテリアコーディネートについてもしっかりと考えておくことをおすすめします。
ここでは、居心地の良いトイレ空間をプランニングする際のコツと、トイレ照明選びの基本やポイントをご紹介します。
照明選びも重要! 居心地の良いトイレを作るコツ
トイレは家族全員が1日に何度も使用する場所でありつつ、一人で過ごす空間です。清潔さはもちろんのこと、快適に過ごせる空間づくりを心がけたいですね。 新築やリフォーム時などにトイレ空間をプランニングする際は、以下のような点を意識しましょう。
便器や便座は機能性とデザイン性の両方に注目して選ぶ
新たにトイレ空間をプランニングする際、最初に検討するのはやはりどの便器や便座を選ぶかという点でしょう。
実は便器や便座といった製品はどんどん進化していて、新しい製品は節水性能や防汚性能などが高くなっているほか、便利な機能がいろいろと搭載されています。最近では給水タンクなしで使用できるタンクレストイレも人気です。
こうした機能性に注目するのはもちろんですが、トイレ全体のインテリアとの調和を意識して、便器や便座のデザインやカラーにもこだわりたいところです。空間になじまないデザインやカラーを選んでしまうと、いまいち居心地が悪く感じてしまう原因になります。
換気やニオイ対策をしっかりと!
トイレは使用後にニオイが気になってしまうことが多いもの。しょっちゅう悪臭がこもりっぱなしのトイレでは、快適に過ごすことはできませんよね。
トイレの壁材や床材には脱臭効果のあるものを選ぶのがおすすめです。便器に機能が付いているものなどもあるので、便器選びの際にそうした点に注目してみるのも良いでしょう。
また、トイレ使用後の換気がしやすいように、照明とともに自動でオンになり、一定時間で自動でオフになる人感センサー付きの換気扇を導入するのもおすすめです。
温度管理できるようにしておく
夏に蒸し暑すぎたり、冬に寒すぎたりするトイレは快適とは言えません。特に冬のトイレの寒さや居室との温度差はヒートショックの原因になるおそれもあるため注意したいところです。
トイレにはエアコンや床暖房など温度管理するための設備導入を検討しましょう。タイマーや温度センサーによる自動室内暖房機能が搭載されている便器などもあります。
空間全体でのインテリアコーディネイトを意識する
トイレ空間内には便器だけでなく、ペーパーホルダーやタオルホルダー、タンクレス式便器であれば手洗い用の洗面ボウルなども設置する必要があります。
トイレのインテリアコーディネートは、壁や床、照明などはもちろん、こうした一つ一つの設備についてもデザインの調和を意識して選ぶようにしましょう。色やデザインテイストに統一感がないと落ち着かない空間になってしまいますよ。
掃除のしやすさも意識して
トイレは用を足す場所なので、どうしても汚れやすいです。快適な空間にするためには、常に清潔に保っておきたいですよね。そのためにも、なるべく汚れがつきにくく、汚れたらサッと水拭きなどできれいになるような防水性・防汚性の高い床材や壁材を使用するのがおすすめです。
また、便器や便座、その他の設備についても、デザインの美しさだけではなくほこりなどが溜まりにくく掃除しやすい形状であるかといった視点で検討するようにしましょう。
トイレの照明選びで押さえておきたいポイント
照明の選び方によっても、トイレの居心地の良さを大きく変わってきます。ここからは、トイレの照明選びで押さえておきたいポイントについてご説明していきます。
明るすぎず暗すぎない照明がおすすめ
夜、トイレに起きたとき、あまり明るすぎると目が冴えてしまうかもしれません。それを考えると、トイレの照明はある程度穏やかな明るさが好ましいと言えます。
一方で、暗すぎるのも良くありません。排泄物を目で見て色や状態を確認することは健康管理のために必要です。異常があったときにわかりやすいよう、ある程度の明るさは確保したいですね。
色合いは求める雰囲気や好みに合わせて
色合いについても、排泄物に異常があったときにわかりやすいよう、ある程度自然に見える色であることが大切です。極端に赤みや青みの強い照明は避けて、昼光色や昼白色、電球色など、自然な色味のものを選ぶことをおすすめします。
ある程度自然な色味であれば、どの色の照明を選ぶかは好みやインテリアに合わせて選んで問題ありません。清潔感を大切にしたい場合やシンプル、モダンな印象の空間にしたい場合は白っぽい色、リラックス感を重視したい場合やナチュラル、クラシカルな印象の空間にしたい場合はあたたかみのあるオレンジ系の色が似合います。
照明器具の種類や形状も空間イメージに合わせる
トイレの照明は、明るさや色合いの自由度が高い分、形状もいろいろなものを選びやすいです。天井に設置するシーリングライトやダウンライト、ペンダントライト。壁に設置するブラケットライトや間接照明などなど。複数を組み合わせて使用してもおしゃれです。
どういった形状の照明を選ぶかは、トイレの広さや天井の高さ、トイレ空間全体のインテリアコーディネイトなどを意識して検討することをおすすめします。
人感センサー付き照明が便利
トイレは家族みんなが入れ替わり使用する場所で、照明の消し忘れが起こりやすいです。また、照明が点灯したままになっていても気づきにくい場所でもあります。
人を感知して自動で照明の点灯、消灯をおこなってくれる人感センサー付きの照明を選べば、消し忘れが起こらず省エネと光熱費の節約に役立ちます。また、深夜にトイレに行くときなどにも使いやすいというメリットがあります。
【種類別】トイレのための照明づかいのポイント
トイレの照明には、さまざまな種類の照明を使うことができます。主にどういった種類の照明が使われるのかと、それぞれの照明をトイレ照明として使用する際のポイントをご紹介します。
ダウンライト
ダウンライトとは天井に埋め込む形で設置する照明器具のことを言い、トイレ照明にもよく使用されます。人感センサー付きのトイレ用ダウンライトも多いです。 居室では補助的な照明として使われるケースが多いですが、トイレは比較的狭いので全体照明としての使用も可能です。
ダウンライトには狭い範囲を照らすタイプのものと、広い範囲や全体的に照らすタイプのものがありますが、トイレの照明として一つだけ設置するのであれば照射範囲の狭いタイプは向きません。全体的に明るくなるタイプを選ぶようにしましょう。
ペンダントライト
ペンダントライトとは、天井から吊り下げる形で設置する照明器具のことを言います。ダイニングやリビングなどで使用されることが多いですが、トイレ照明に使うこともできます。
天井より低い位置に設置することになるため、照明器具のデザインが視界に入りやすいという特徴があります。このためデザイン性の高いものが多く、トイレのインテリアテイストに合わせたものを選ぶことでおしゃれな雰囲気を演出しやすくなります。
設置する位置や高さについては、背の高い家族がトイレを使用するときも頭がぶつからないかを確認して決めることが大切です。
シーリングライト
シーリングライトとは、天井面に設置する照明器具のことを言います。リビングなどで使われる大型の照明を思い浮かべる方が多いかと思いますが、トイレ照明としての使用に適した小型のものや人感センサー付きのものもあります。
シンプルなデザインのものが多めですが中には凝ったデザインのものもあるので、トイレ全体のインテリアに合わせて選びましょう。
トイレで使用するシーリングライトを選ぶときには、カバーの拡散性にも注目しましょう。清潔感を大切にしたいトイレでの使用には、隅々まで明るく照らせる拡散カバーがおすすめです。
ブラケットライト(壁付照明)
ブラケットライトとは、壁面に設置する照明器具のことを言います。リビングや階段、廊下などで補助照明として使用されることが多いですが、トイレ照明用の人感センサー付きのものなどもあります。
トイレでは手洗いボウルの上などに設置されることが多いです。ペンダントライト同様、視界に入りやすいためデザイン性の高いものも多く、トイレのインテリアのアクセントとして使いやすいです。
全体照明にプラスして使う照明
トイレは一つの照明で全体を照らすことが多いため、照射範囲の狭いタイプのダウンライトやスポットライト、間接照明などはあまり使用されません。
しかし、トイレの広さやインテリアテイストによっては、全体照明にプラスしてこれらの照明を使うことで、より雰囲気のある空間にすることも可能です。
タンクレストイレなどで小型の手洗いボウルを壁付けするなら、合わせてミラーライトを設置するのも良いでしょう。
まとめ
新築やトイレリフォームにあたって居心地の良いトイレ空間をプランニングする際のコツと、トイレ照明選びの基本や種類別のポイントをご紹介しました。
トイレは住まいの中でも特に閉鎖された狭い空間。だからこそインテリアにこだわることで個性を出しやすい空間です。ご紹介したポイントを押さえつつ、居心地の良い素敵なトイレ空間を作ってくださいね。