住宅の屋外照明にはどんな種類がある? 選び方のコツとおすすめ

照明は屋内で使うものだけでなく、屋外に設置して使用するものもあります。 表札を照らす門柱灯や玄関先を照らすポーチライトなどは、外から見たときの住まいの印象を大きく左右する照明なので、屋内の照明と同様に性能やデザイン、使い勝手にこだわって選ぶことが大切です。

ここでは、戸建て住宅を新築する際の屋外プランニングで気をつけるべきことと、住宅の屋外照明の種類や役割、屋外照明を選ぶ際のポイントなどをご紹介します。



住宅の屋外プランニングのポイント|照明にも注目しよう!

戸建て住宅を新築する際は、間取りや内装など屋内のことだけでなく、外壁や外構、照明などといった屋外のことすなわちエクステリアについてもしっかりとプランニングする必要があります。 住宅の屋外プランニングにあたっては、以下のようなポイントを押さえておきましょう。

屋外の使い方とゾーニングを考える

エクステリアのプランニングをするにあたって、まずは住まいの外にどのような使い道があるのかを洗い出し、使い道に合わせたゾーニングを検討することから始めるのが大切です。

例えば、自家用車を所有しているのであればカーポートやガレージが必要ですよね。また、「洗濯物を干すスペースを作りたい」「子どもを遊ばせたい」「花壇や家庭菜園を作りたい」「家族でバーベキューを楽しめるようにしたい」などなど屋外の空間をどのように使いたいかによってゾーニングや必要な設備が変わってきます。最初に、屋外の使い方をしっかりと検討しておきましょう。

屋内のプランニングと並行して考える

新築の際には屋内のことに気を取られがちで、屋外のプランニングは後回しにしてしまう方が多いようです。 しかし、屋内のプランが固まってからそれに合わせる形で屋外のゾーニングを考えようとすると選択の幅が狭くなり、ベストなプランを選べなくなってしまうこともあります。

住まいの内側と外側のプランニングを並行して進めていけば、より柔軟に検討できるため、快適で暮らしやすい住まいになるはずです。

防犯とプライバシー保護を合わせて考える

屋外プランニングは、住まいの防犯やプライバシー保護と大きく関わっています。しかし、この2つのどちらかだけに注目すると、もう一方の性能が低くなりやすいものです。

例えば、外からの目隠しに役立つ塀や生垣などはプライバシーを守るという観点では有効ですが、一方で侵入者を外から見えにくくすることにもなり、防犯性の観点では注意が必要になります。

屋外のプランニングをする際は、「防犯」と「プライバシー保護」両方の視点を持って検討することが大切です。屋外の防犯性を考えるうえでは、照明のプランニングも重要であると言えるでしょう。



住宅の屋外照明にはどんな種類がある?

住宅の屋外照明にも、設置場所や目的によってさまざまな種類のものがあります。主にどういった屋外照明があるのかと、それぞれの役割や特徴、選び方のポイントなどを見ていきましょう。

ポーチライト

ポーチとは一般的に玄関先の庇がある空間のことを指します。もっと広く門扉から玄関までの空間全体を指す場合もあります。ポーチライトは、玄関の外に設置されポーチを照らす照明のことで、「玄関灯」とも呼ばれます。

ポーチライトには、玄関先を明るく照らすことで夜でも歩きやすくする役割がありますが、ほかにも防犯効果やエントランスの雰囲気づくりにも大きく関わります。 庇があるとはいえ外に設置する照明なので、屋外用の防雨型の照明を選んで設置するのが大切です。

ポーチライトは外壁に取り付けるブラケット型の照明が多いです。アンティーク調のものからシンプルでモダンな印象のものまでさまざまなデザインがあるので、住まいの外観や玄関ドアのデザインなどと調和するものを選ぶことをおすすめします。

ブラケット型以外にも、天井面に設置するダウンライトやランタンなどの吊り下げ型、スポットライト、フットライトなどが使用される場合もあります。人感センサー付きの照明を選べば、便利さとともに防犯効果も期待できます。

ガーデンライト

ガーデンライトとは文字通り庭に設置する照明のことを言います。せっかく庭造りをするなら、日中だけでなく日没後も照明で植栽や花壇、外壁などを照らして美しさを楽しめるようにしたいもの。そんな夜の庭を演出する楽しみは「ナイトガーデニング」と呼ばれ、SNSなどで人気を呼んでいます。 庭を美しく照らし出すのが主な目的ではありますが、日没後の庭での安全性や防犯性を高めることにも役立ちます。

ガーデンライトにはポール型やブラケット型、スポットライト型、置き型などさまざまなタイプの照明があります。給電方式も電池式やコード式、ソーラー充電式などがあるので、設置する場所や目的に合わせて選びましょう。

門柱灯

門とは外と住まいの境界線上に設ける出入口のことで、門柱とは本来、門の両サイドにある2本の柱を指す言葉です。しかし近年は塀や生垣でしっかりと敷地を囲わないオープンエクステリアが人気で、本来の意味の門を設けない住宅も多いです。こうした場合に、表札やインターホン、ポストなどといったアイテムを設置するための建造物のことを「機能性門柱」と呼んでいます。

門柱灯は、門柱や門柱まわりを照らすための照明です。表札を見やすくする形で設置するケースが多いので、「表札灯」と呼ばれることもあります。 壁付けタイプや門柱の上部に設置するタイプ、埋め込みタイプ、ポールタイプなどさまざまな形状の照明が用いられます。

門柱は外から訪れる人にとって最初に目にする部分で、その家の第一印象に大きく関わります。機能性、デザインともにしっかりと検討しましょう。

勝手口灯

勝手口とは、玄関とは別に設置される家から外への出入り口のことを言います。従来はキッチンに設けられることが多かったのですが、近年ではキッチンが独立していない間取りの住まいが多く、設置しないケースも多いです。

一方で、従来のゴミ出しや買い物後の搬入などといった目的にとらわれず、子育てやアウトドア趣味、ペットなどの利便性のために玄関とは別の家族だけが利用するための勝手口を設けるケースなどは増えています。 こうした勝手口に設置する照明が、勝手口灯です。基本的に実用性を重視する場所なので、照明についても必要な明るさや機能(自動点灯・消灯)に注目して選ぶのがおすすめです。

エクステリアスポットライト

屋外照明として、壁付けや床置きのスポットライトを使用することもあります。植栽や花などをライトアップしたり、壁にスポットライトの灯を描き出したりと、さまざまな活用方法があります。



屋外照明の考え方と選び方のポイント

屋外照明にもいろいろな種類があることをご説明してきましたが、「いろいろありすぎて何を優先すればいいのかわからない」と疑問を持たれた方もいるのではないでしょうか。ここからは、屋外照明を選ぶ際に注目すべき基本的なポイントについてご説明します。

防水・防塵性能は重要!

屋外照明を選ぶ際、まずは防水・防塵性能に注目しましょう。 水や塵は照明器具の故障の原因になります。屋外に設置する照明は風雨にさらされるため、防水性能や防塵性能が低いものは故障しやすくなります。

照明器具の防水性能・防塵性能は保護等級(IP)が決められています。IP表示は「IP66」のように、IPの後に数字を2つ並べる形で表示されます。左の数字は第1特性数字、右の数字は第2特性数字と呼ばれ、それぞれ「ホコリなど固形物の侵入に対する保護等級(0~6)」「水の侵入に対する保護等級(0~8)」を表し、数字が大きいほどそれぞれの性能が高くなります。 屋外照明に用いるなら、IP66の表示があるものが望ましいと言えるでしょう。

ランニングコストを考慮する

照明器具を選ぶ際、デザインや明るさ、性能などと購入価格については注目しても、ランニングコストについてはあまり注目しない方が多いようです。 しかし照明というのは日々使用するもの。「見た目が気に入って購入したのに思いのほかランニングコストがかかってしまって、結局普段はあまり点灯しなくなってしまった」などということになったのでは残念ですよね。 照明の数や使い方をプランニングする際は、ランニングコストに注目して検討することが大切です。

ランニングコストをできるだけ抑える工夫を取り入れた製品も登場しているので、そうした製品を取り入れるのも良いでしょう。人感センサーによる自動点灯・消灯機能なども消し忘れなどのムダを防いで省エネに役立ちます。

外観とのマッチング

屋外照明は、日没後など周囲が暗い状態で使用することになるため、周囲より目立って視線を集めやすい存在です。住まいの外観デザインや庭の雰囲気などと屋外照明のデザインテイストや色使いなどを調和させることで、住まいの外観がより印象深く素敵なものになるはずです。 屋外照明を選ぶ際には、外観デザイン全体との調和を意識してデザインなどにもこだわることをおすすめします。

まとめ

戸建て住宅を新築する際、屋外のプランニングにあたって気をつけるべきことと、住宅の屋外照明の種類や役割、屋外照明を選ぶ際のポイントなどをご紹介しました。

屋外に設置する照明は、住まいの外観の印象に大きく関わるのはもちろん、夜間の足元の安全性の確保や、侵入者に狙われにくくすることなどにも役立ちます。 住まいのプランニングの際には、照明の使い方を含めた屋外プランについても十分に検討なさることをおすすめします。

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